シリーズ「不妊治療の嘘」（１０）

(10) 排卵後で着床しているかもしれない時期は、風邪薬や抗生物質などの薬を使用したりレントゲン検査をしてはいけない　　嘘

　排卵日にタイミングを合わせており妊娠の可能性があるがまだ次の月経予定日が来ていない時期に、感冒など何らかの病気にかかった場合、風邪薬や抗生剤、解熱剤、鎮痛剤などを飲んでもよいのでしょうか？　あるいはそういった時期に内科などにかかってレントゲン検査を受けてもよいのでしょうか？　よいです。

「妊娠の可能性がありますか？」という質問は、例えば健康診断などを受ける際によく聞かれます。この場合の「妊娠の可能性がある時期」というのは「月経の予定が遅れている時期」を指します。月経の予定日は排卵から２週間。つまり排卵と思われる時期から２週間以上たって月経が来ないときにはじめて「妊娠の可能性がある」ということになります。そしてその時期に尿検査で妊娠反応を見れば妊娠かどうか分かります。

　妊娠中に飲んではいけない薬というものは多少あります。これらの薬を「着床」しているかもしれない時期に飲むと、もし妊娠していたときに赤ちゃんに害が出るでしょうか？　出ません。同じことがレントゲン検査についても言えます。

これは本当　　「妊娠の可能性がある時期」とは「月経の予定日よりも後の時期」のことで、排卵後から月経予定日までの「着床しているかもしれない時期」は含まれない。妊娠中に飲んではいけない薬は多少あるが、排卵から２週間以内の時期に飲んではいけない薬というものはない (＊)。レントゲン検査なども同じ。
(＊) 抗がん剤やある種のホルモン剤などよほど特殊な薬は例外。そういった特殊な薬を使う時期は処方する医師がよく分かっている。