(4) 胚移植よりも胚盤胞移植の方が優れている 矢印 straycats

 胚移植をした場合は、子宮の中で胚盤胞まで育ってから着床します。胚盤胞移植では、体外で胚盤胞まで育ててから移植するので後は着床するだけです。胚移植で妊娠できなかった場合、それが胚盤胞まで育っていたのかどうかは確認できません。胚盤胞移植では少なくとも胚盤胞まで育ったことを確認しているので妊娠率が高くなります。

 ここで次の疑問が湧きます。
(1)胚盤胞移植で妊娠できなかった場合、もしその胚盤胞を初期胚のレベルで移植していたとしたらやはり妊娠していなかったのでしょうか? 
(2)胚盤胞移植をしようとして培養していたら、胚盤胞にならずに卵割が停止して移植できなくなった場合、もし初期胚の段階で移植していたら子宮の中で同じように停止してしまったでしょうか?

 多くの場合この二つのケースでは「そうです」ということになります。しかし一部の場合は「そうではありません」となります。

 胚盤胞移植を繰り返しても妊娠できていない人で、胚移植にレベルを落としたら妊娠する、ということがあります。こういう場合は「体外で胚盤胞まで育てること自体に悪影響があった」と考えられます。「子宮こそが最高の培養器なのだ」という場合です。

 自然妊娠では着床までの全過程が体内で進行します。人工授精では精子だけが一時期体外で過ごします。体外受精の胚移植では、卵子は2-3日体外(培養器の中)で過ごしますし、胚盤胞移植ではそれが5日間になります。

 体外受精の歴史の中で昔は胚盤胞移植ではほとんど妊娠しませんでしたが、培養技術が進歩した結果、胚盤胞移植の成績が胚移植を追い抜くこととなりました。しかし中にはまだ子宮の中の方が居心地が良い場合もあるようです。

 子宮の環境が良い人は胚移植の方が良いかもしれないし、子宮の環境が良くない場合は、着床の直前まで体外で過ごす胚盤胞移植の方が良いのでしょう。事前に子宮の中の環境が良いかどうかを知る方法はないのですけれど。

 もう一つ胚盤胞移植の優れている点を説明しておかなければなりません。それは移植するものの選択ということです。見た目に良い胚がたくさんあった場合はどれを移植するのか迷いますが、胚盤胞まで育てれば、実は良くないというものが脱落していき数が減りますので、選択しやすくなります。つまり、胚がたくさんあるときは胚盤胞移植の方が良い。少ししかないときは胚移植の方が良いかもしれません。

これは本当 右 胚移植と胚盤胞移植のどちらが良いかは個別に判断しなければならない。