「骨粗鬆症」とは、骨の量が減ってスカスカになってゆく病気です。
高齢女性に多く、50歳以上の女性の25%に発症すると言われています。
1、原因
「加齢」「女性ホルモンの欠乏」「生活習慣」の3つが考えられます。
健康な骨の維持には、骨の形成と吸収の代謝バランスが鍵となります。
女性の場合は、閉経により骨の分解を抑制するエストロゲンという
ホルモンの分泌が急速に低下し、骨の形成が吸収に追いつかなくなるのです。
このほか無理なダイエットや偏食により、カルシウム、タンパク質、
ビタミンD、ビタミンKなどが不足すると、骨量が減りやすくなります。
2、症状
自覚症状はほとんどありませんが、問題となるのは骨折しやすくなることです。
それに伴って様々な症状があらわれます。
骨折の起こりやすい部位は、脊椎(ほとんどが圧迫骨折)、大腿骨頸部
(脚の付け根)、橈骨遠位端(手首)などです。
脊椎圧迫骨折の場合は、腰背部痛、腰が曲がる、身長が縮む等の症状が
あらわれます。大腿骨頸部骨折の場合は、これをきっかけに「寝たきり」になる
ことも多く、20%が1年以内に亡くなるともいわれています。
3、治療および予防
1)食事:カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質が大事です。
魚、乳製品、大豆製品(豆腐、納豆など)、きのこ類、黄緑色野菜、海草
類を積極的に摂取し、塩分、アルコール類は控えめしましょう。
2)運動:ウォーキング、スクワットなどで積極的に体を動かしましょう。
その際、適度に日光を浴びることにより、身体の中でビタミンDがつく
られ、腸管からのカルシウムの吸収が高まります。
3)薬物:ビスホスホネート、副甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD等
4)転ばないこと。これが一番大事かもしれません。
それにしても、「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」という病名は、言いにくいし、字も難しいですね。いつも来てくれるおばあちゃんは、自分の病気を「骨故障症」だと思い込んでいます。たしかに、この方がいいかも(笑)
【大久保忠俊(おおくぼ ただとし)医学博士・大久保外科/消化器科院長】
大久保外科/消化器科 浜松市中区菅原町16−15(県居小学校そば)
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