人生なんやかんやあって、名古屋駅のそばでひとり寂しく暮らすことになった。
長いこと生きてみたら、本当に山あり谷ありだった。
大きな駅が近くて、職場も近いので、車は持っていなかった。
やがて、山形みらいちゃんと知り合い、高速道路が好きだというので、はじめはみらいちゃんの車に乗せてもらっていたのだが、だんだんと申し訳なくなってきて、レンタカーを借りてドライブをするようになった。
サービスエリア、パーキングエリアのファン協会を設立すると、ますますマイカーの必要性が増し、ついには黒い日産マーチの中古を購入した。高速道路を縦横無尽に、行ったことのない地方をがんがん走り回った。
その結果、京都に近い高速道路のトンネルの中で、マーチは「ね」を上げてしまったのである。
その頃、ちょうど母親が免許を返納したので、黒いTOYOTA VITZ(ビッツ)のおさがりをもらうことになった。こうして振り返ってみると1300㏄クラスの車ばかり乗ってきた。しかも自分で選ぶわけでも、こだわりもない状態だ。動けば良し。燃費くらいは気にして、オイル交換はマメにした。
しばらくはVITZで全国を駆け巡ったが、ついに人生の最後を飾る、自分が乗りたくて自分で選んだ車とついに出会うことになる。