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高次脳機能障害は、以下の等級に分類されます。
◾第1級 就労不能+常時介護
◾第2級 就労不能+随時介護
◾第3級 就労不能 介護は不要
◾第5級 単純な反復作業なら就労可能
◾第7級 一般就労が可能だが、作業手順が悪い、約束忘れやミスが多い
◾第9級 一般就労可能だが、作業効率や作業持続能力に問題を残す
これらの等級認定は、主に、以下の資料で等級を認定をします。
① 被害者と同居する家族などが作成する「日常生活状況報告表」と題する報告書。
② 医師作成の「脳外傷による精神症状等についての具体的所見」と題する意見書(あらかじめ作成していた日常生活状況報告表を交付して主治医に情報提供しておくこと)
特に、重視するのは、日常生活状況報告表です。
自賠責では、同居の家族や介護者が記載された被害者の症状の具体的内容、エピソード、事件内容に関する記述を重視しています。意識回復時から症状固定時まで、どのような具体的症状があり、それがどのような経緯をたどったかを詳細に記載します。
これに対し、医師作成の「脳外傷による精神症状等についての具体的所見」については、日常生活状況報告書の補完的資料という観点からしかみません。高次脳機能障害は、日常生活の異常という特性があり、診察ではわからないからです。
自賠責は、あわせてウェクスラー成人知能検査など各種神経心理学的検査も考慮し、日常生活状況報告書を基本として、等級認定をします。
このほか、患者を担当した言語聴覚士、作業療法士、臨床心理士等の認知リハビリテーションの担当セラピスト作成の報告書も、協力していただけるなら、有益です。というのは、これらの方々は、主治医に比べて障害者に直接接している時間が圧倒的に長いからです。
ただ、現実には、紛争に巻き込まれるのを嫌がり、拒否される場合もあります。
被害者の方が復職できている場合は、職場の上司や同僚の陳述書等を作成しておいたほうがいいでしょう。これらの資料は、ときに、「日常生活状況報告表」以上に重視されます。
というのは、等級認定は1・2級までは、日常生活上の支障内容で判断されます。これに対し、3~9級は、就労レベルで判断されます。親族は、日常生活の支障内容がわかりますが、社会生活上の支障内容は、親族より、職場の上司、同僚、部下のほうが判断できる場合が少なくないからです。
しかし、ただでさえ、職場に迷惑かけているのに、上司の方や同僚に、さらに、こられの協力をお願いするのは、頼み辛いところがあります。
福祉就労とか職業訓練されている障害者の場合は、作業所指導員の報告書を資料として提出しておいたほうがいいでしょう。作業所の指導員は障害者に対する豊富な知見があるので、それらの報告書の記載内容は極めて信憑性が高いものとされています。ただし、これも、訴訟に関わりたくない作業所の方針で、拒否される場合が少なくありません。
このうち、1~3級は、認定は比較的容易です。しかし、5級以下となると、等級基準自体が不明確であることも相まって、かなり曖昧です。
なお、自賠責実務では、判断に迷う限界事例について、作為が入り込みやすい家族作成の日常生活状況報告書より、意識障害の程度やCTやMRIの画像上の異常所見の程度により判断する傾向があります。
しかし、画像所見の異常性とか、昏睡の程度と高次脳機能障害の程度は比例関係に立ちませんから、科学的には問題ある手法です。