坐骨神経麻痺 | 交通事故弁護士ブログ

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[坐骨神経って何?]

坐骨神経って言葉、交通事故に限らず、結構、耳にする言葉です。

脳から脊椎を通っておりてきた神経の束である脊髄は、腰に至ります。坐骨神経というのは、その脊髄という神経の束の一部が、腰から骨盤、お尻を通って足の指先にまで伸びている末梢神経です。

特徴は、太い、長いということ。ペン軸ほどの太さがあり、最も太い神経であるばかりか、非常に長い神経でもあり、末梢までの長さは1m以上もあります。


[どういう役割をしているの?]

この神経は、太ももと足の筋肉を支配している神経で、脳からの運動指令を伝え、歩く、身体のバランスを取る、といった働きをしています。


[坐骨神経痛って何?]

坐骨神経痛という言葉は、交通事故以外でも、しばしば耳にしますが、実は、坐骨神経痛という病名は、ありません。症状を表す言葉だからです。

何らかの原因によって坐骨神経が圧迫されたり刺激を受けると、お尻から足の後ろ側に痛みやしびれ、麻痺などが現れます。これを「坐骨神経痛」といいます。ストレスでも生じます。


[坐骨神経痛の症状]

坐骨神経痛は、多くの場合、腰痛に引き続いて発症し、お尻や太ももの後ろ、すね、足先などに痛みやしびれが現れるだけでなく、重傷の場合、足首以下が運動不能(下垂足)となったり、膝を曲げることができなくなってしまいます。

股関節の脱臼、とりわけ後方脱臼の怪我で発症することが多いです。


[坐骨神経痛の原因]

交通事故では、股関節骨折脱臼・骨盤骨折という外傷を受けた場合に、生じますが、特に股関節脱臼の中でも後方脱臼の場合に多く見られます。

一番多い例は、車の座席に座っていて前方への衝突事故で体が前に投げ出されて膝をダッシュボードで強打した時です。座っているので股関節が屈曲している、そんなとき、前方(膝方向)から股関節方向への強い力が加わると、大腿骨の近位(股関節部、骨頭といいます)が後ろに脱臼します。Dash-board injuryという別名もあるほどです。

この後方脱臼の合併症として、坐骨神経麻痺が生じるのです。



[
治療]

坐骨神経麻痺の多くは、坐骨神経の圧迫や絞扼を原因としていますから、原因を除去すれば、徐々に改善します。股関節後方脱臼の場合は、この脱臼が治れば痛み等も治癒することが多いです。

それでも痛みを放置するわけにはいかないので、薬物療法.神経ブロック療法、リハビリなどで対処します。これでも治らない場合は、手術も検討します。


[後遺障害]

坐骨神経痛の結果、神経麻痺が生ずることがあります。

膝または足首に運動制限が生じ、健康な脚の4分の3以下に制限されている場合、機能障害として12級の後遺障害と認定されます(2分の1以下に制限されている場合は10級、完全に運動不能な場合は8級となります)。

膝の屈曲が完全に不能となり、加えて下垂足も生じている場合は6級、さらに股関節も動かせない場合は5級が認定されます。

ただし、ここまでひどいケースは、そうあるものではありません。

神経麻痺がなく、坐骨神経痛にとどまる場合は、神経症状の後遺障害として14級ないし12級となります。


[立証方法]

坐骨神経麻痺の有無は、針筋電図検査や、神経伝導速度検査によって判断します。これらの検査の詳細は、「電気生理学的検査の効用は、どの程度?」2013-08-09のブログをご覧ください。

http://ameblo.jp/morilaw/entry-11589155036.html

しかし、坐骨神経は体内の深部にあるため、このような検査によっても判断できない場合があることに注意が必要です。

このような場合は、ラセーグテストも有用です。

患者を平らな場所にあお向けにし、膝を伸ばした状態で片足を30度以上上げていきます。この時に患者が痛みを感じているかどうか確認をします。もし、異常がある場合は痛みがあったり、足が30度以上上がらなかったりといった結果になります。

ただし、ケースによっては坐骨神経痛でも痛みを感じない患者もいますし、何よりも、患者の演技が可能なテストです。MRI検査をし、経過を逐一画像に残すことも必要です