『山の子濱の子』 詩 金子みすゞ『山の子濱の子』 詩 金子みすゞ 町を見て来た山の子よ、 町には何がありました。 日ぐれの辻のひとごみに、 ... 踏まれもせずにぽっちりと、 森の一軒家の灯のように、 茱萸がこぼれて居りました。 町に見て来た濱の子よ、 町には何がありました。 電車どおりの水たまり、 底のきれいな青空に、 さみしい昼の星のよに、 鱗がうかんで居りました。