討論に先立ち、高島なおき議員がご逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。
ミライ会議を代表して、知事提出の全議案に賛成し、議員提出議案第11号に反対の立場から討論を行います。
都市計画練馬城址公園の土地の買い入れに関する第187号議案について賛成ですが、都の議会への対応について、申し上げます。
東京都の公園政策は、「にぎわい過剰」で、イベント施設や高層ビルが建設され、企業の金もうけの場所になっており、都民の憩いの場でなくなっていると危惧しています。
練馬城址公園でもPFI事業への懸念がありました。建設局は、PFIは所管外であるとしていましたが、最終的に建設局から、練馬城址公園ではPFI事業は行わないとの議会答弁があり、賛成に踏み切りました。
知事の下で一元的な行政が行われる地方行政で、部局間の縦割りの壁によって都民が置き去りにされ、都議会での議論が尽くされないことなど、あってはなりません。「小池都庁体制」が、「都民に情報を隠し、都民との対話を拒み、都民よりも都庁組織を優先した縦割り行政が展開され、現場での本質的な議論が許されず、本当の情報や重要なアイデアが中枢に伝わらない」など、「日本軍の失敗」と重なる体制であることが、この件でも表面化しました。縦割り行政の弊害への改革が必要です。
「国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドライン」が報告されました。
東京2020大会では、組織委員会の談合・汚職問題に対する都からの派遣職員の監督責任、スポンサー収入3061億円に対応するマーケティング支出1299億円の行方についても、明らかにされていません。
ガイドラインは、これらの問題を解決できるよう、東京都が世界陸上を財政的に支援するに当たっての「契約上の義務」にしなければ、「絵に描いた餅」にしかなりません。実効性を担保する措置が必要です。
小池知事は、9月15日の記者会見で、明治神宮内苑護持の資金捻出のために、宗教法人である明治神宮と国有地を土地交換する予定のJSCや、三井不動産、伊藤忠商事が協力して外苑再開発をしている旨、発言しました。憲法20条に関わる重大発言です。
2014年3月の恒久サブトラック中止の理由が、「関係地権者などとまちづくりの調整を進める中で、恒久サブトラックを設置する空間余地がないことなどから、整理されたもの」と明らかにされました。
これは、2015年4月の「神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書」以前に、都と事業者が密室で、開発の趣旨を「スポーツクラスター」から「明治神宮内苑護持」のための「高層ビル・にぎわい施設建設」へと転換したことを示しています。
「神宮外苑再開発」には「大義」もなければ、都民や多くの人々の「共感」もありません。
教育委員会について、指摘します。
教育委員会は独立行政機関ですが、教育委員は、「行政」としての政策決定を行っていません。東京都教育委員会は、職員の分限処分や懲戒処分を行っているだけ、政策は教育長が決定し、教育委員会には報告されるだけ、という状況です。英語スピーキングテストへ教育委員候補者の考え方も示されていません。
教育委員会の正統性は、「住民が専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督する、レイマンコントロールの仕組みにより、専門家の判断のみによらない、広く地域住民の意向を反映した教育行政を実現する」ことにあります。
しかし、教育委員会の名で行われている浜佳葉子教育長の教育政策は、「業者の声は聴くが、都民の声は聴かない」、「議員提出条例は独立行政機関に対する介入だから、法律違反である」という、「都庁官僚に全てを委ねる」民主主義の危機の見本となっています。
その具体的な事例が、「人権感覚」の欠如、「他人に厳しく、自分に甘い」服務規律です。
ミライ会議は、一般質問で、「わいせつ行為を行った練馬区立中学校の校長の任命責任」、「これまで赴任した学校での被害実態の調査、被害者への謝罪、心のケア」について質問しました。
都庁担当者は、「校長が勤務していた学校の名前も、練馬区立の中学校というのも出さないでほしい」旨申し入れてきました。また、浜佳葉子教育長は、「警察が慎重に捜査を進めているものと承知している」という、「警察任せ」の「すれ違い」にもなっていない、私たちが質問した「子どもたちへのケア」に全く触れない答弁をしました。
また、桐山議員は、018サポート予算1260億円を給食の完全無償化や補助教材・体操着などの無償化など「義務教育完全無償化」に充当すべきと質問しました。
浜佳葉子教育長は、「憲法第26条の義務教育無償化規定は授業料不徴収を意味する」との、教科書無償給与に関する最高裁判決を読み上げただけでした。
しかし、その最高裁判決は、続いて「教科書の無償化は立法政策の問題として解決すべき事柄である」としており、教科書無償供与は法律で定められて、給食無償化は区市町村で進んでいます。
都内では、区市町村が限られた財源の中で公立の小中学校の給食無償化を進めており、都立の特別支援学校の小学部・中学部なども対象にしているところがあります。
しかし、財政が豊かな東京都教育委員会は、「都立学校では給食無償化しない」、
「区市町村に対しても支援しない」という対応を取り続け、特別支援学校などの児童生徒は、給食費の支払いを余儀なくされています。
浜佳葉子教育長の独断専行、子どもたちに寄り添わない教育行政によって、子どもたちが苦しんでいます。教育行政の改革が必要です。
人権感覚の欠如は、これだけではありません。
ミライ会議は、都庁内で、優越的地位にある「幹部職員が行った他のセクハラ、パワハラの被害の実態調査、被害者への救済措置、ケアを行う必要性」についても質問しました。
「被害者視点」の質問にも、都は「懲戒処分は総合的に決定している」という、「すれ違い」にもなっていない答弁でした。
性犯罪の被害者は、二次被害にさらされることを恐れて、被害を申し出ないことがあります。被害者の「泣き寝いり」に付け込んで、加害者は性加害を繰り返します。
「被害者の人権を守るために加害者のセクハラ・パワハラを議会で質問しない」というのは、性加害問題に対処する姿勢ではありません。
「小池知事が重用している幹部を守る」、「身内をかばう」姿勢では、職員の都庁組織に対する信頼も失われ、職場環境の荒廃をもたらします。
徹底的な調査と、被害者へのケアが必要です。
また、人権については、カスタマーハラスメントなど、未対応の多くの分野があり、これらへの対応も急がなければなりません。上に立つ人ほど、自らを厳しく律し、都民や職員の人権を守る政策を進めていくべきであると、申し上げておきます。
最後に、東京都の知事室と都議会は、二元代表制の地方自治制度の下では、議会と知事は対等であることを示すため、向かい合って設計されています。
誰によって都議にしてもらったか。その答えは明確です。「有権者」によってです。
都議は知事に従属する存在ではありません。
ミライ会議が闘い続ける理由は、「東京の改革を成し遂げる」という初心を貫いているからです。
政治には、潮目が変わる時が必ず訪れます。現状が続くことはないのです。
ミライ会議は、東京の改革を実現するため、この先も初心を貫いて参ります。
以上でミライ会議の討論を終わります。
9月27日、ミライ会議の桐谷ひとみ都議の一般質問の際、都民ファーストの会の平けいしょう都議より、「誰のおかげで存在しているんだ‼️初心を思い出せ❗️」との怒号が飛び、
それにお答えさせて頂きました。
一般質問中の暴言にお答えします