今回のブログは前回に引き続き、11月定例月議会の一般質問で取り上げた『本市職員の給与水準』について書いていきます。
私が徹底的に、本市職員の給与水準分析に踏み切った背景は前回のブログをご参照下さい。
⇒http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11716969870.html
一般質問に臨むにあたり、総務省公表のデータを用い本市職員の給与水準の分析を行った結果、『本市の時間外勤務手当が非常に高い』という事実が発覚しました。
まず、四日市市と同規模の自治体である「特例市(人口20万人以上)」、「中核市(人口30万人以上)」の82市で、平成24年度の職員一人当たりの月額時間外勤務手当比較を行いました。
〔*より精緻な比較にする為、今回の分析では、職員を一般職員に限定しています。〕
その結果、四日市市は職員1人当たり月額時間外勤務手当が46,266円であり、82市中、上から数えて2番目となったのです。
82市の平均は28,164円であり、同規模の自治体82市平均の1.64倍の水準であります。
ちなみに、月額時間外勤務手当が最も高かったのは、「福島県郡山市」であり、これは明らかに東日本大震災後の対応の為であると考えられるので、特殊要因だと言えます。
とするならば、実質的に81市中、四日市市が最も高い時間外勤務手当を支給している事になります。
今回の一般質問では、なぜここまで本市職員の時間外勤務手当が高いのかという質問を行いました。
市の答弁は、過去の行財政改革によって職員数を極端に減らし過ぎた事から、一人当たりの業務量が増え、時間外勤務が増えているという答弁でした。
本市が過去の行財政改革の下、大幅な職員数の削減を行ったという事実は、別の分析データからも明らかです。
先ほど比較対象とした「特例市」「中核市」の82市で、市民1万人当たりの職員数分析を行いました。
その結果、四日市市は、市民1万人当たりの職員数は36.2人で、82市中、少ない方から数えて8番目でありました。
これを見ても、同規模の自治体の中では職員数が少ない自治体であると言えます。
従って、一人当たりの業務量が増えて、時間外勤務が増加しているという理由も間違っては無い様にも思えます。
しかし、これを覆す分析結果が出てきたのです。
先の82市の内、市民1万人当たりの職員数が少ない上位10の自治体を上から並べると以下の通りになります。
「茨木市」「東大阪市」「川口市」「春日部市」「草加市」「加古川市」「宝塚市」「四日市市」「金沢市」「太田市」の順です。
では、この10市から「四日市市」を除いた9市の時間外勤務手当はどうなっているのでしょうか。
いずれも時間外勤務手当が高いという結果になっているのでしょうか。
実はこの9市の内、最も時間外勤務手当が高い市は、最も市民1万人当たりの職員数が少ない「茨木市」になります。
しかし、その「茨木市」であっても、時間外勤務手当の高さは82市中、上から34番目で28,802円と82市の平均くらいにとどまっています。
他の8市も、35番目以降であり、この事から職員数が少ないから時間外勤務手当が増えるという方程式が崩れることになります。
よって、四日市市が職員数が少ないから時間外勤務手当が高いとは簡単には言い切れない訳です。
こういった分析結果を踏まえて、なぜここまで四日市市の時間外勤務が多いのか、ちゃんと市民に対して明確に説明する責任があると訴えました。
そして、今後、行政に対して時間外勤務手当が全国トップクラスにある実態をしっかりと分析しその結果を提示する様、強く要望致しました。
職員給与が高くてもそれに見合った業務内容や業務量が背景にあれば、どうのこうの言う問題ではありません。
しかし、なぜ高いのかを明確に説明出来なければそれは、ただ単に高い給与を支給しているだけになってしまいます。
これでは、市民に理解を得る事は出来ません。
行政として、本市の時間外勤務手当が全国トップレベルである事を強く認識し、その理由を市民に説明していかねばなりません。
今後も、『人事制度』については、粘り強く問題追求を行っていきます。