今回は、「ビジョン無き(仮称)大矢知中学校問題」追及の第4弾です。

これまでに、「ビジョン無き(仮称)大矢知中学校問題」と称して、以下の3つの問題を取り上げて来ました。


①「適正学級規模の引き下げ問題 (http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11312403405.html )」


②「国からの補助金が受けられない問題 (http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11297997290.html )」


③「小規模校の連鎖問題 (http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11329972807.html )」



 今回は、(仮称)大矢知中学校が出来た際の学校区の問題について取り上げます。


 (仮称)大矢知中学校の新設は、既に皆さんご存知の通り田中市長の政治的決断により「新総合ごみ処理施設」の建設と引き換えに進められています。


 平成24年3月に公表された『(仮称)大矢知中学校新設基本構想』によると、「大矢知地区の学校教育施設に関わる課題」として2点が挙げられておりその内の一つに「地区の一体感の醸成」が記載されています。


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1.地区の一体感の醸成

 大矢知地区では、学区外通学が出来る複数の区域があり、学校区以外の学校に通う子どもたちも多い。

 また、地区内に中学校がないことから、子ども会等の地域行事や活動において、地区としての一体感を醸成する上で大きな課題があるとされてきた。

 そのため、地区内に中学校を設置し、地域ぐるみで義務教育終了まで一貫した教育を進めるとともに、地区住民との交流を行うことにより、より一体感のある地域コミュニティの形成を図ることについて、以前から強い要望がある

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 私なりに上記の課題を解釈すると、現在地区の一体感の醸成が十分になされていないが、地区内に中学校が存在し地区内の中学生が皆、同じ中学校に通える様になれば地区の一体感は醸成されるというものです。

 

 36億円を投じて新しい中学校を創るのであれば、もちろん上記の課題が解決される事になると考えるのが至極当然な考えだと思います。

 

 しかし、その課題は、(仮称)大矢知中学校が出来たとしても、解決されません。


 現在、大矢知地区の中学生が通っている公立中学校は、基本的に「朝明中学校」「山手中学校(垂坂)」「富洲原中学校(蒔田、松寺)」「富田中学校(西富田)」の4校です。


 (仮称)大矢知中学校が出来れば、4校に通っている中学生が全て(仮称)大矢知中学校に通うのかというとそうではありません。

 

 市の教育委員会の見解によると、「富洲原中学校(蒔田、松寺)【50人程度】」「富田中学校(西富田)【数人程度】」の生徒についてはほぼ全ての生徒が(仮称)大矢知中学校に通学すると想定しています。


 一方で、「山手中学校(垂坂)【130人程度】」の中学生については、3割の生徒しか(仮称)大矢知中学校に通わないと想定しています

 言い換えると、垂坂地区の大半の7割の中学生は、従来通り「山手中学校」に通うと想定しているのです。(大矢知地区で朝明中学校以外に通う中学生が最も多い地区の中学生の大半が大矢知中学校に通わないのです。)



 垂坂地区は(仮称)大矢知中学校新設の取引対象である「新総合ごみ処理施設」の立地場所にも関わらずです。


 「新総合ごみ処理施設」の立地場所の中学生の大半(7割)が、新しく出来る(仮称)大矢知中学校に通わないという現実がそこにあります。


 また、更に教育委員会に確認した所、垂坂地区の生徒については『原則山手中学校への通学で、大矢知中学校にも通える選択が出来ます』という状況との事です。


 私は、垂坂地区の中学生に無理やり(仮称)大矢知中学校に通えと言っている訳ではありません。


 (仮称)大矢知中学校新設の大義として、基本構想に掲げられている上記の「地区の一体感の醸成」が達成出来ない状況、しかも「新総合ごみ処理施設」建設の本当の影響を受ける垂坂地区の中学生の大半が通わない状況、本当に何の為の中学校なのでしょうか。


 これが36億円を投じて創られる中学校の現状なのです。


 学校区についても、(仮称)大矢知中学校の新設は大きな問題を抱えています。