新国立競技場計画は本当に白紙見直ししてるのか?5 | 建築エコノミスト 森山のブログ

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テーマ:
JSCからの新国立競技場整備事業
http://www.jpnsport.go.jp/corp/chotatu//tabid/711/Default.aspx

新国立競技場計画が実質見直になっていないんじゃないか?の続きです。
設計条件には3つの問題点が残っているということでした。
それは、

1.面積条件に±5%としているため、コンパクト化した設計が出来ない。
2.高さ制限を70メートルに引き上げたまま
3.外苑西通り沿いに人工地盤を設定している。

結果として予算1550億円以下に抑える可能性が断たれてしまう可能性でした。
さらには、合理的設計に伴うデザイン性の確保も難しいのではないか?という予測です。

それらに加えて、あらたに浮かび上がってきた第4の問題点があります。
それは、もしかしたらコンペ応募者が居ない、という事態です。

今回の応募条件は「デザインビルド方式」というものでした。
これは、設計案が出来上がってから施工者を入札で選ぶのではなく、あらかじめ設計+施工者でチームをつくり応募する。

そのチームが選ばれた時点で設計から施工まで一気通貫で仕事を進めることが出来るので、検討に出戻りが少なくなり、作業時間短縮や施工の合理化が出来るという。

以下のような資料をJSCが公開しています。




応募者は「設計+施工+施工監理」でチーム作るか、「設計施工」を一社でやれること、というものです。


そのときの応募者資格としては以下です。


重要な部分を抜き出すと、ここです。


観客席数15000以上のスポーツ観戦施設の実績か、観客席数1000人以上のホール等(映画館や劇場含む)1万㎡以上の施設。

この条件設定だと、たとえば素晴らしい住宅デザインをおこなっているような建築家、ホスピタリティ溢れる病院建築の実績のある建築家、下記の表にある建築学会受賞建築家でも、この施設経験はちょっと厳しいんです。



が、この設計実務経験については設計JVを組めばなんとかなる感じなんです。というのも、大型商業モール施設の設計等をガンガンやってるような建築事務所もけっこうありますから、そういった先輩、後輩、友人、仕事仲間でチーム組めばいいわけです。

なので、今回の応募条件は前回のような「プリッツッカー賞受賞者」みたいな、世界でも十数人しかいないような縛りはなくなってオープンに近いと思っていた。
今度はもっとたくさんの提案が集まるのではないか?と期待していたと思うんです。
しかも、この二年間で世の中の人も建築に感心が沸いているところですから、新国立競技場の新応募案はどんなのが来るんだろう、と前回以上に国民の耳目を集めています。

施工会社の候補として考えられるのは、
ヘビー級の大手ゼネコンとして次の5社。

大林組
鹿島建設
清水建設
大成建設
竹中工務店

続いて準大手ゼネコン12社

安藤・間
奥村組
熊谷組
鴻池組
五洋建設
東急建設

戸田建設
西松建設
長谷工コーポレーション
フジタ
前田建設工業
三井住友建設

そしてジュニアヘビー級の中堅ゼネコン24社

青木あすなろ建設
淺沼組
イチケン
大本組
北野建設
新日本建設
錢高組
大豊建設
大和小田急建設
鉄建建設
東亜建設工業
東鉄工業
東洋建設
飛島建設
ナカノフドー建設
ピーエス三菱
福田組
不動テトラ
松井建設
村本建設
名工建設
矢作建設工業 
ライト工業
若築建設

「果たして!これらの施工会社がどのように合従連衡してくるのか!本命と言われる大成建設に対し!鹿島、清水、大林がどの建築家と組み!どんな提案をしてくるのか!一方準大手同士でタッグを組んでくることも考えられます!山本さん、これは楽しみな一戦になって来ましたねえ、、」

と脳内で古館伊知郎をやっておりましたが、

なんと!大変なことになってきました!

どうせ大成建設がどうせ取るんだろ?と他のゼネコンが応募を辞退しまくりで、設計デザイン会社は多々あれど誰も応募出来ない事態に。

間接的な談合状態で大成建設オンリーに事実上決定か?

大成ありきコンペに噛ませ犬を演じる余裕はない!とのこと。

JSCデザインビルドコンペ方式が裏目。

競争力の働かないコンペにより事実上談合状態、新国立競技場見直し失敗へ!

なんだよ、建築のオリンピック前哨戦が見られると思っていたのに、、、
始めから負けると決まってるものに応募したくないっていうその根性はどうなんだろう。

もしくは、昔からの習慣で
「大成のオジキが出るんでしたら、あっしらは遠慮しときますさかいに、、、」

といまだに、深作欣二ワールドなんでしょうか





東京新聞でも記事が上がっています。

「新国立」建築家ら不満 条件厳しく応募に壁
2015年9月13日 朝刊

二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の事業者の公募で、建築家の間で「応募したくてもできない」という不満が広がっている。今回は設計と施工を一体で募る方式で、ゼネコンと組まなければ応募できないからだ。施工できるゼネコンも限られており、関係者の間では「このままでは二、三の案しか出ないのでは」と公募を危ぶむ声が漏れる。(森本智之、山口哲人)

 「組む相手が見つからない。他にも困っている建築家は多いと思う」
 二〇一四年に「建築界のノーベル賞」と言われるプリツカー賞を受けた坂茂(ばんしげる)さんは憤る。強度を高めた紙の管を用いた「紙の建築」で国際的な評価が高い建築家だが、今回の公募には参加できそうもない。

 旧計画のデザインコンペに参加した建築家の遠藤秀平・神戸大教授も「ゼネコンにラブレターを書いているが『難しい』と。案はできているのに、今のままでは99%無理」と嘆く。

 事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が今月一日に始めた公募では、二〇年一月の完成を目指し、設計からデザイン、施工まで一体で応募することを条件とした。旧計画のコンペで条件とした、著名な賞の受賞実績などは見送られたものの、建築家からは「前回以上に条件が厳しくなった」と言われる。今回は工事の難易度から、施工できるのは大手ゼネコン五社(大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店)と準大手の数社だけとみられている。

 その上、ゼネコン側には模様眺めの空気も漂う。大手のある幹部は「工費上限の千五百五十億円を守るのは厳しい。うちも本気で取りにいくことはない」と吐露。応募するゼネコンが少なければ、マッチングの可能性はさらに減る。

 ゼネコン一社で何案も応募できるなら、いろいろな建築家と組めるが、一社当たり一案しか応募できない仕組み。公募は十一月十六日までだが、前段階として、参加資格者を確定するための申請があり、今月十八日に期限が迫っている。

 日本建築家協会の芦原太郎会長は「『困った』という声は(坂さんら以外にも)何件かきている」と説明。「ゼネコンと組めたかどうかだけで、審査の前段階でいくつもの可能性がつぶれることになる。数が出ないと競争にならず、公平でオープンなコンペにならない」と懸念する。

 JSC広報室は、今回の公募方式を見直す可能性について「ルールとして決定された入札条件。既に公募も始まっている」と否定している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015091302000135.html



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