魁!!クロマティ高校という漫画があります。
作者は野中英次。
作品タイトルのインパクト、物々しさ、賑やかさに比べてちょっと地味なお名前ですが、
「ドリーム職人」、「課長バカ一代」とか、「未来商店街」とか「ハタキ!」とか、
この野中作品はいずれも精鋭、つわものぞろいというか、
寡作にしてそのすべてが名作いや迷作というすごい作家です。

そもそも、私が初めてこの「魁!!クロマティ高校」を目にしたのは、今を去ること数年前
現場帰りの場末のラーメン屋さんで、カウンター下にあった油垢を吸って脂ぎった
表紙の少年マガジンをつい手にとってしまったことによります。

普段は入らないなんの変哲もないラーメン屋、そして普段はやらないカウンター下の雑誌を手に取り、
普段は読まない「少年マガジン」をふらふらっとめくってしまったとき、
目に飛び込んできた「魁!!」の文字と「クロマティ高校」という得体の知れない学校名の取り合わせに、
大衝撃を受けました。このタイトルだけでこの作者が天才であることが一発でわかったのです。

最初期ダウンタウンのギャグ「妖精さんだ!」を見たときと同じくらいの衝撃でした。
思わず「はうあっ?!!」っと、
押さえきれないほどの激しい笑いがこみ上げてきて、
読んでいいのかどうかすらまよったのですが、中身を見て再度びっくり!

建築エコノミスト 森山のブログ

池上遼一ななんです。
絵が。
表情が。
下からバストアップの構図が。

その全てが池上遼一、そしてクロマティ、そして魁!!

もう、ラーメンなんてどうでもよくなりました。
正直今でもそのときに一体自分は何を注文したのかも覚えていないんです。
普段は初めての中華店では、相当熟考し、たいがいはあれば塩ラーメンを頼み、
そして餃子の出来をチェックする私が、です。

いや、ひょっとすると偶然と思って入った店で、偶然手に取ったという雑誌の、偶然のページが
むしろ注文だったのかも、、

私がその店で無意識で注文したのが、「魁!!クロマティ高校」だったのかも、
「魁!!クロマティ高校」に読者としてそのラーメン屋さんに誘い込まれてしまったのかもしれません。

むしろそうであって欲しい。
私が自分の意思で「魁!!クロマティ高校」のファンになったのではなく、
「魁!!クロマティ高校」が私をファンとして選んでくれたんだと思いたい!

そんな作品なんですよ。


つづく