めぞん一刻館は今建てられるのか?3 | 建築エコノミスト 森山のブログ

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めぞん一刻館は今建てられるのか?6 最終章



1、2の検討によって一刻館のような外壁板張り建築にできることはわかりました。

防火地域指定がないところでも、防火のための厳しさ3番目である、「22条地域」に指定されていれば、
住宅の場合、屋根を不燃材料、外壁のうち延焼の恐れのある範囲を準防火構造にせよ。
木造の特殊建築物では、延焼の恐れのある範囲の外壁と軒裏は防火構造にせよ。
ということで、
2で検討した大臣認定防火構造でなんとかなります。

実際、少し郊外になればこの防火地域無指定、しかし「22条地域」になっていることが多いので、
一刻館が建っていたであろう東久留米の氷川台周辺を軽く調べてみました。

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東京都都市計画図東久留米市駅周辺

図の緑色のところ、第一種低層住居専用地域内で防火無指定みたいです。
ちなみにピンクの濃いところは商業地域、薄ピンクが近隣商業地域で、おそらくコンクリートなどの耐火建築しか建てられません。黄緑が第一種中高層住居、クリームが第二種中高層地域で、準耐火建築で対応可能なところです。
以上のように、都心の繁華街や駅前の商業地域などでは、昔ながらの板張りの洋館建築の建設は、もう難しいのです。

で、一刻館の内装についてなんですが、簡単に平面図を作成しているところです。

図面を作成してみると、玄関靴脱ぎから1階廊下が連続して全体としてホール状になった空間であることがわかります。
しかも巾が広い。
この廊下ホールの床はフローリング、内装壁は真壁といって柱や梁が露出するタイプに構造ですね。
日本の木造建築としては意外と天井高が高い、これはこの建物を建てた大工さんが昔の和風建築における鴨居や長押の存在を意識しているからでしょうね。
この内部の壁なんですが、四谷さんがいとも簡単に五代君の部屋との境をぶちやぶって来ることから、合板のたぐいは使われておらず、筋交いで補強した壁に小舞竹を組んだ土壁塗りに漆喰仕上げではないでしょうか。
これを四谷さんは、表面の漆喰を削り取り、内部の土壁を崩して五代君の部屋に通じる穴を開けたんだと思います。
天井は和風の竿縁天井です。
各室にミニキッチンがあるようですが、これもメーカー製のキッチンというものではなく、昔の住宅シンクや今では地下鉄の水飲み場などでしか見られなくなった人造大理石テラゾー(小石と着色白セメントを混ぜて型抜きし研ぎ出したもの)のシンクを指物屋さんで準備したような箱型家具に載せてありますね。
照明器具は、五代君の部屋は今では懐かしい和風角型蛍光灯ペンダントライト、玄関庇下はガラスグローブのシーリングライト、廊下は意外と明るいみたいで蛍光灯角型シーリングが何個も付いています。

一刻館を特徴づけているものに、扉や窓の意匠というものがあります。
特に各室の入り口の飾りガラス抜きや玄関にもありますけれどステンドグラス風の格子とかですね。
ここで使われているのは昔懐かしい型板ガラスというものです。
特に各室の部屋番号を貼ったガラスは、昭和42年製造の日本板硝子製造の「つた」、「まさご」というタイプです。現在はデッドストック。
あと、気になるのは扉の取っ手です。
特に玄関扉に取っ手がないんです。
ドアチェックも付いてそうもないし、兆番にバネ式の自動締り装置か重力式の自動締りタイプを使っているのではないでしょうか。
各個室の取っ手は真鍮の握り玉ノブだと思われるのですが、おそらく明治23年創業の老舗メーカー掘商店 製でしょう。
そういった小物が使い古されてきて風格を帯びていることが予想されます。

これらの備品の仕様は今まとめています。


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