5月29日18時10分配信のNNNニュースより。実際には戦闘機って、飛び去るのは一瞬ですよね…。だから、29日のニュース映像を見てみると、各社が総力をあげて、「しし座流星群」を撮る以上の気合いで撮影に臨んだということが、よくわかります。渋谷とか青山あたりで待機するカメラマン、安倍総理をとらえようと首相官邸に張りつくカメラマン、そして 「医療従事者」たちと一緒に病院屋上にあがって コメントをもらうカメラマン…、こういうことは前日の打ち合わせだけではなく、それ以前から進めてないと「絵」にならないものだと思います。…ものすごく周到に準備されたデモンストレーション映像…。こわいぐらい…。
例の…ブルーインパルスの曲芸飛行、「6機で編隊を組み」などとニュースでは伝えていますが、少し引いた映像では、さらにもう1機、戦闘機が並走(?)して、“編隊”飛行を撮影しているのがわかります。
でも、考えてもみてください。歩道で高校生が6人、チャリで編隊走行をして、その様子を、もう一人(7人目)も自転車で走りながらスマホで撮影していたらどうですか…、やっぱり危ないでしょ?確率は低いとしても、1万分の1ぐらいの確率でガードレールにぶつかったりしますから…。
だから、今回の件も、同じ費用をかけるなら、
もっと別の形での「エール」でもよかったですよね…。
それから、前回( ⇒ 5月29日ブログ)、
「ある自衛隊員が『感謝の気持ちをあらわそう』と個人的に思いついて、命令されてもいないのに皇居の上空で曲芸飛行したら、どうなるのだろう…」 と書きました。
う~ん、サラリーマンが仕事のあとに、ある病院の前でブレイクダンスを踊って「感謝の気持ち」をあらわすのならいいのでしょうけど、勤務時間中はたぶんダメですよ…。
と 言 う か … で す よ
消防士が勤務時間中に、上司から「はしご車で隊列を組んで、病院の前で『感謝の気持ち』をあらわして来い」って、職務命令…されますか
あのブルーインパルスによる “変態”飛行って…、そういうことですよね…。
土建業者の人たちが、ブルドーザーで編隊走行、
警察官らが、パトカーで 〈感謝の気持ち〉走行…、
消防車が、はしご車で…
こういうのって、たぶん…違和感があるし、ありえない
でも、今回の「戦闘機の曲芸飛行」には、町の人たちはあまり違和感を持たなかった様子がうかがえます(→正確には「『違和感を持っている人たちのことは映像にはしない』という編集方針のもと、人々が曲芸飛行に感激しているふうの映像がまとめられた」と言うべきか…)。
「ある自衛隊員が『感謝の気持ちをあらわそう』と個人的に思いついて、命令されてもいないのに皇居の上空で曲芸飛行したら、どうなるのだろう…」
この話に戻しますが…、
河野太郎防衛大臣が、
戦 闘 機 を〈感謝の気持ち〉というキーワードで、
都心の空に飛ばしてみたらオモシロイんじゃね…?
と(個人的に)思いついて、今回の変態飛行になったとします…。
それならいいのでしょうか? ←野党もそこは突っ込まない、それが怖い…。
まぁ、いいとしましょう。
その時に、編隊飛行に参加するパイロットの心情は、考慮されません。
パイロットたちが、〈感謝の気持ち〉を持っていようといまいと…、河野太郎防衛大臣の個人的な思いつきで「自衛隊として、組織として医療従事者に〈感謝の気持ち〉をあらわそう」というのが、今回のおもて向きのねらいですから(注)。
(注)その裏に隠れた「ホントウのねらい」については後述シマス…。
組織の…そういう崇高な目的のためには、
いちいち だれがどういう考え方、感じ方でいるか…なんて関係ないのです。
組織としての〈感謝の気持ち〉をあらわすのに、
一人ひとりの〈感謝の気持ち〉は考えなくてよいのです…。
↑これ…よくよく考えると、ものすごいことですよ…。
上官:「きみ…、ここはお国のために、ひとつ…、
きみに行ってもらえんか?」
隊員:「お国のためなら、喜んで行って参ります」
…と言って隊員は操縦かんを握って飛び立つわけです。
でも、よくよく考えてみると…〈感謝の気持ち〉って、
もともとは個人的なものです。
もちろん、中国が日本に、パンダをプレゼントした、それに対して、日本(の大使)が組織(=国)として相手国に謝意をあらわす…ということは、もちろんあります。
けれども、今回の場合は、そういう図式ではありません…、医療従事者(←変な日本語)が自衛隊員(軍事従事者)に「マフラー」か何かを編んであげて(⇒空の上は寒いでしょうから)、それにパイロットたちが曲芸飛行で〈感謝の気持ち〉をあらわすというのなら、まだ わかります。
でも、今回は、そういう…「マフラー」等のプレゼントはあったのでしょうか。
そうやって考えていくと、
5月15日ブログ でわたしが書いた、いくつかの疑問と、
それに対する答えがさらに深められるように思います。
あの時は「電飾(イルミネーション)」について、こうわたしは問いかけました。
「いま、医療従事者に向けて言われている(はずの…)電飾も、当の医療従事者が見なければ意味がない。…とすると、あの電飾(「ありがとう」の文字)は、だれに向けてのものなのか…、あの電飾(イルミネーション)を点灯した人物は、自分の家族が入院していない…全国すべての医療従事者に メッセージを送っているのか…?」
それに対して…その時ははっきりとした結論は出ませんでしたが、その同じブログ内で わたしは次のようにも考えました。
「『アリガトウ』のメッセージを点灯させる人(電飾管理人)というのは、『ありがとう』 の文字を、わたしたちに いちばんに見せたいのではないだろうか? ←考えていくと、そうとしか考えられない」
「なるほど。わたしたち宛てに『ありがとう』を言っているのではないのだが、それでも そういう『ありがとう』のイルミネーションの文字は、忙しい医療従事者は見なくてもいい…、わたしたちに見せたい…」
これって、
今回の「ブルーインパルスによる編隊飛行」にも言えますよね…。
もちろん、ごく一部の医療関係者は(編隊飛行を)見られたでしょうけど…ほとんどの関係者は「見られなかった/見ている時間的余裕がなかった」はずです(病院屋上にあがっていたひとだって、せいぜい見られて2、3秒ではないでしょうか…。しし座流星群の比ではありません…)。
都心で、空を見上げて編隊飛行をスマホで撮影している人の様子も映像で流れましたが、そんなことができたのは、都心の中ではごく一部だし、大空を飛ぶ戦闘機なんて、それこそ1、2秒ではないでしょうか。
〈感謝の気持ち〉をあらわすのなら、ほかにいくらでも方法はあるはずです。ほかに方法はあるから、土建業者の人は、わざわざブルドーザーの隊列走行なんてしようとは思わないし、警察の人もパトカーや白バイの編隊走行をしようとは考えないのです。
でも、河野太郎さんたちは、編隊飛行をしたいのです。
なぜか ―― それはこういうことではないでしょうか。
つまり…「医療従事者への〈感謝の気持ち〉をあらわす空軍の編隊飛行」を、国民に見せたかった。「医療従事者への〈感謝の気持ち〉をあらわす戦闘機…への《感謝の気持ち》に類する思い」を国民のあいだに醸成すること …に(今回の飛行の)目的があったのではないか…ということです。
なるほどね~~~~。
そう考えると…
「『アリガトウ』のメッセージを点灯させる人(電飾管理人)というのは、『ありがとう』 の文字を、わたしたちに いちばんに見せたいのではないだろうか? ←考えていくと、そうとしか考えられない」
という疑問も、氷解するのです。
え…?
証拠 見せろ…ですか、
いいですよ、わたしは下のニュース映像を見て…「ははぁ~ん、そういうことね」と納得がいきました。最後の…母親の指さす方向の戦闘機を見て、小さい女の子がつぶやくコトバです…。
大空を舞って医療従事者に「力」を与える…ジェット戦闘機!
その戦闘機を母親とともに目で追いながら…女の子は何とつぶやいたか…?
(以上4枚、5月29日18時10分配信のNNNニュースより)
( 続 く ⇒ コチラ )
◆ 戦争って、気持ちいい!〔前〕( 2019年1月15日ブログ )