2008-06-12 22:33:32

一夜 (その2)

テーマ:エロとグロ

そこで今回も奮闘を重ねて、


途中諦めかけたのだが生来の幸運性とも言うべき奇跡が起きて昨夜の表彰式は


薫と同じ神戸のホテルに宿泊し本日は観光で異人館にやって来ている。

季節は未だ梅雨入りしたばかりなのに初夏の様に暑い日で、


普段はオフィス機器や事務用品でしかない女性達も今日ばかりは女に戻っていた。



勿論、京子は常に片時も女である事を忘れた事は無いのだが今日は特別にウキウキとした気分だった。



昨夜のパーティー会場の出来事だ、他県の上司に胸を掴まれると言うセクハラにあった為だった。



勿論嫌がったし、


同僚達は上司を糾弾し、大事にはしなかったものの会社からは謝罪もあり、



京子が昨夜セクハラにあった事は本日の特ダネとして粗全国の社員が知っていたので


思っていた以上の話題は京子を本日の主役としたからだ。



京子はそのスレンダーな身体には不釣り合いなほど豊かな胸をしていた。



そして常に人目につくようにアピールする服装にも心がけていた。



対し薫と言えば女性達の間でも「洗濯板に干し葡萄」と言われるほどで、


思えばセクハラのしようも無いではないか。



京子は久しぶりに女王である気分に浸る事が出来たのだから、


些細な事である自覚はあったにせよ、異人館の坂道を降る脚は軽かった。




心が晴れていれば他人に対しても素直になれるものだ、


京子は通りすがりの老人が杖を突きながら歩いているのを見て声をかけ、


もし良かったら肩を貸す事を申し出た。



かつて京子が男性にもてはやされたのは何も容姿の美しさばかりでは無い、


こんな風に元々心根の優しい人間だからこそである。



老人は感謝し京子に礼を言い、


互いに気持の良い気分で会話を楽しみながら急勾配をゆっくりと降っていくと


京子の目の前に、土産をしこたま買いこんだのか、


細い体には無理があるのでは無いかと思うほどの荷物を抱えた薫が歩いていた。




「薫ちゃん」


老人が薫に声を掛けたので京子はこの老人が薫の母親だと察した、



この会社では旅行に家族を連れて来る文化があるからだ。




その瞬間、京子は薫に対して絶対的優越感を覚えた。



自分は昨夜、女として薫に勝ち、そして今は人間として薫に勝ったのだ。


こんな足腰の弱った母親の手も引かずに土産を買いあさって先に歩く娘… それが京子から見た今の薫だ。


「あら母さん…あっ!七瀬(京子)さん…」



いよいよだ、いよいよ入社以来初めて薫が京子に対して感謝の意思を示し、


自分は薫と肩を並べて手を取り合い、


尊敬の念をもって互いに微笑み合う時が いよいよやって来たのだ。




「七瀬さん…」




薫の手が荷物から離れ、京子の前に差し出された。


握手は大袈裟だなと京子は思ったが、


薫の手は人差し指だけを京子の豊満な胸元に突きつけて子供の様な声で


「垂れてるよ」と一言。



「垂れてるよ」



「垂れてるよ」



「垂れてるよ」


京子の目の前が真っ白になった。



「垂れられるものなら垂れてご覧なさい!」


美しい声が叫びとなって異人館に轟いた。








京子のブラウスの胸元には昼食でついたトマトソースが垂れていた。



終わり

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2008-06-11 01:17:41

一夜

テーマ:エロとグロ


京子にとって薫が入社してくるまで、職場の女性はオフィス機器か事務用品に過ぎなかった。




京子はいわゆるオツボネ様ではあったが、


他のオフィス機器や事務用品達が仕事に没頭して女を捨てて行く中では常に身綺麗にしていたし、


それこそ若い頃には蝶よ花よの扱いを男性教員に受けていたので、



今や最年長女子社員ではあったが、


彼女は自分の容姿や物腰には絶大な自信があった。



しかし、


二年前、


薫が入社してきた時から彼女の世界は少しづつ、




そして確実に崩れ始めた。


薫は、京子よりは若いと言っても子供は高校生と中学生だ。



ただ、よほど生活に苦労しなかったのか、



上の息子と並んで歩いていても歳上の恋人か姉くらいにしか見えない不自然なまでの若々しさで、



逆に彼女を入社させた女性社員とは幾つかしか違わないのに、親子程も歳が離れているように見える。


特に若々しいのは、その声で電話口から聞こえる彼女の声は少女の様にしか聞こえない。


京子は容姿もそうだが、なによりも自信をもっていたのが、その美しい声だった。



しかし、平均年齢が年々上がって行くこの職場では、


完成された大人の美しさよりも、


あどけないとまで言える薫の声や容姿の方が遥かに目立つのは仕方の無い事だろう、


京子とて、そんな事は十分承知しているのだが「綺麗な声ですね」と誉められる事がめっきり減ってしまったことには根本的な喪失感を感じ無い訳にはいかないのだ。




何故なら、通常において薫タイプの女性は兎角仕事が出来ない事が多い(京子もそうだ)にも関わらず、


薫は入社一月目にして会社の新人営業ギネス記録を大きく更新した。



この記録は社長曰く10年は破られる事は無いとされた大記録だった。



更に二年経った今。


薫は来年こそは全営業チャンピオン間違い無しとされるトップ街道独占状態でさえある。


少なくとも京子は、仕事面で薫と張り合うつもりは無い。しかし時に最低限ついて行かねばならないこともあった。


それは社員旅行なのだが、会社のシステムで上位と下位での扱いは極端に違った。



場合によっては惨めに留守番になることさえあり得るのだ。


仕事面には大した価値観を持たない京子だったが、


オフィス機器や事務用品達が頻繁に内外の旅行に無料で行けると言うのに、


自分だけが留守番になる事だけは今回も避けたかった。




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