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さっき、TVのチャンネルを変えていたら「世界の車窓」という番組が。
ちらりと見た映像が一枚の絵を思い出させた。
エドワード・ホッパーの「ナイトホーク」。

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誰かの本の表紙にもなっていたな。

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僕は長年飲み歩いてきたが、夜の世界が大嫌いだ。
そして、起きたまま迎える朝も。
どこからともなく聞こえる早朝の自転車のブレーキの音も嫌いだ。
すえた匂いもきらいだ。
路上に出されたポリバケツやゴミ袋も嫌いだ。
朝、人の流れと逆向きに歩いていくことも。

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「ナイトホーク」はそんな過去をイロイロと思い出させる。

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もう新しい本を読むことをやめて、新しい絵を見ることをやめて、今まで読んだ本を丁寧に読み返し、今まで見た絵を丁寧に見続ける。
そんな選択もあるのかもね。
これ以上新しいものに出会ってどうするのって話。
人に対しても言えるのかもね。

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これ以上、いろんな人に出会いたくないね。
これ以上、いろんな街に出会いたくないね。

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そんなことを思う。

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でも、昔から知っている人にも会いたくない。
八方塞がりってこんな感じ?

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ホッパーの絵は、アメリカのいつまでもその名前を覚えられない女性の小説家の本にも使われていたね。
あの女性の小説家の作品はすごく好きだよ。

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まあ、いいや、もう寝よう。
明日はウォーキング。