ちょっと専門外ーがんの治療 | 脳卒中(脳幹出血)医師 moonkikicocoのブログ

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約72歳。12年ほど前に脳幹出血で倒れました。合併症はたくさんありますが、何とか生きています。つまらないと思うかもしれませんが、愚痴っぽいブログですが、よろしく。

 もはや日本人の二人に一人が、生涯でガンになります。ある報告によると、担癌患者さんの経済効果は2兆円を遥かに越えるとされています。ということは新薬などが開発されると、直ぐに経済効果が表れるということ。

そこでその治療がポピュラーになってきました。

 常識として治療には三通りあります。

 1 外科的切除術

 2 放射線治療

 3 化学的治療(細胞障害性)

 です。はじめ癌腫が特定され、ステージが決まると、それらのうち、1つあるいは複数を使います。それが「標準治療」です。

 これが効きにくいとか無効の時に、「癌遺伝子パネル検査」または「バイオマーカー検査」をします。

 着目しているのは、細胞分裂(に必要な蛋白)です。採取した癌組織より多くの検体を取り、遺伝子の異常がないか調べます。高価ですが、標準治療の後では保険適応です。ただし時間がかかります(一か月くらい)。基本的に第二弾の化学療法が効くかを見るわけです。

 勿論異常が見つからない場合や対応する薬がないとか、状態が悪い時もあります。

 結果実際に治療の恩恵にあずかる人は10%強らしい。この時に使われるのは「分子標的薬」が多い。細胞増殖に関係する比較的低分子の蛋白をターゲットにしている。

 更に免疫に作用する、「抗体薬」があります(○○マブ」という名前が多い)。最近話題になった免疫チェックポイント薬なんかもその一つです。

 ここいら辺はまだまだ開発されていくでしょう。細胞障害性から分子標的薬まで、化学療法を駆使しても、生存期間は数か月 数年の延長。果たして人はその人生において、耐えられるものでしょうか。