個人的な人に宛てた応援メッセージです
今は大越先生の言葉を少しずつ書いていきます



「カラ元気」でない元気な子どもは、十年後の明るい未来が語れます。


お母さん方も私たちも「元気がない」「元気づける」などと「元気」という言葉を頻繁に使いますが、「元気」とは一体どのような状態を指すのでしょうか。


こんなことを言うお母さんがいました。
「うちの子は、人一倍ご飯も食べますし、映画にも行きますし、ライブに行ったら一晩帰ってこないほどですし、買い物にも行ってくれますし、元気は元気なんですが・・・・」
私はこういうお母さんには「じゃ、何も心配ないのでは・・・ご相談されることもないのでは・・・」と面談を打ち切ろうとします。すると、どのお母さんもあわてて
「だからわからないんです。あんなに元気なのになぜ学校へ行けないのか・・・」と付け足します。

お子さんが、本当にお母さんが言われるように元気であるなら、学校へ行くでしょう。でも現実には、お子さんは学校へ行けない。だったらその元気の中身を疑ってみる必要があるのです。


確かに世のお母さん方は、ご飯をたくさん食べ、すぐ遊びに行ってしまうような子を元気だと思っています。しかし、私たちはそれだけの状態を「元気」とは言いません。
私の言葉では、極端に言えば、「ただ、動いているだけ」、まさに「妄動」であり、そういう子ほど、肝心な話になるとすっと逃げてしまうのです。これは「元気」なのではなく、「カラ元気」なだけです。
実は親はこれに騙されやすいのです。


子どもが学校へ行ってさえいたら元気、友達がたくさんいるようだから元気というのは、親の希望的観測にすぎません。いくら見てくれが元気でも、このような場合はたいてい「カラ元気」です。そして、「カラ元気」とは、所詮空っぽで中身の無い元気なのですから、いずれ消え去ってしまいます。

師友塾では、「元気」ということを、具体的に次の3つの条件によって定義づけています。
1.自分の将来を見通すエネルギーがあること。
2.その夢の現実のために具体的な案を考え出すエネルギーがあること。
3.その具体案を達成するために、小さな努力を継続できるエネルギーがあること。


つまり、本当の意味での元気な子どもは、若者として将来を展望します。そして、その夢を実現させるための具体的な方法を考え出します。元気な子は、お父さんやお母さんに「あなたは何がしたいの」と問われればそれについて本音でかつ具体的に話ができます。
そして当然ながら、夢の現実のためには、二年や三年、あるいは四年、五年、毎日努力を続けるはずです。

言うまでもなく、自分の5年後、十年後、二十年後の将来を見通すには、大変なエネルギーが必要です。
だからこそ、本当の元気とは、これらの「3つのエネルギー」があることなのです。
そして、そのエネルギーを元にして、子どもは将来のためになるさまざまなことを学んで行くのです。
反対に、自分の将来に関して、自分で考えず、何でも「親から言われたから」するのでは、とても「元気」だとはいえません。
お母さんたちにとっては、第三の「努力を継続する」というところが一番聞こえが良く、また理解しやすいようです。しかし、その一歩手前の「具体的な案をその子どもが考え出す」という点に、なかなか気づきません。

私は折に触れ、よく塾生たちに「君は、本当は何がしたいんだ?」と聞きます。表面的には元気な子でも、その時に「うーん、わかんない」と答えるようでは、本当に元気ではないのです。
「わからない」と言うのは一種のぼかしであり、ごまかしです。ぼかしやごまかしこそ、「カラ元気」の最たるものと言わなくてはなりません。
そして、このような「カラ元気」に騙されて、現実をごまかしているうちに、手遅れになりかねないのです。子どもが自分のしたいことをはっきり自覚できるよう、何度も折に触れ、意識させていくことが大切でしょう。

子どもが活動的に見えても、将来の夢を持っていなければ元気とは言えません

「自然に勉強する気になる子の育て方」P32~36より


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今回はすべて抜書きしました。

この部分は不登校だけにかかわらず、また子供の問題でなく

親の、または今元気の出ない大人全体にとって、大切なお話であると思いました。