2018年お遍路の旅備忘録③です。

③にして、まだお遍路1日目。笑

長いので、お遍路に

ご興味ある方だけ読んでください。

 

 

金曜に到着して

日曜は台風直撃と分かり、

土曜の遍路1日目に、

2日目の分まで、

たくさん歩くことにしたのでした。

 

 

朝早くから

68番札所 神恵院

69番札所 観音寺へ。

旅館の女将さんに送っていただき

70番札所 本山寺へ。

電車に乗って移動して、

山道と階段をたくさん上って

71番札所 弥谷寺へ行きました。

 

そしてこれから、

72番札所   曼荼羅寺

73番札所 出釈迦寺

目指すのです。

 

お昼はとうに過ぎてましたけど、

食べてしまうと緩んでしまう、

「もう少し歩いてしまおう」と、

弥谷寺から、曼荼羅寺を目指します。

 

 

すでにへばっています。

杖頼り。

 

 

 

延々と続く古道。

 

 

ところどころに仏像。

 

立派な竹藪も。

 

 

誰もいない。

 

 

なんか左側が気になってたら。

 

 

こんな風景がひらける。

 

 

 

不思議な感覚。

ここは、涅槃か?

 

こういう場所を観たくて、

旅をしているのかもしれない。

しばらく佇む。

 

 

たくさんの植物の美しさに

見惚れながら、歩く。

 

 

もう夏は終わり。

 

 

歩き続けたら、道へ出た。

アスファルト久しぶり。

 

 

 

おおお、道間違ってなかった。

ほっとする。

 

 

きれいな葉や実がたくさんで、

しゃがみこんで写してばかりで、

夫に怒られる。

ぜんぜん、すすまないでしょ。

すいません。


 

平地だ!

 

近くに立看板があって知ったのだけど、

弥谷寺からここまでの古道は、

古い歴史の風景を残す場所で

国指定の「讃岐遍路道」だったようです。

なるほど、

今がいつなのか、

わからなくなるような、

すてきな道でした。

 

そして、こんどは住宅地を歩く。

 

 

今思うと、このへんで、

迷ってしまってたみたい。

 

目印がないので、右往左往、

同じところを歩いていた気がする。

歩いて行ってみないと、

「そっち」か「ちがう」かわからない。

Googleさんもお手上げ。

 

トボトボ歩き、

疲れがピークになってた時、

大きな交差点の近くで、

公営休憩所のプレハブを見つける。

 

 

誰もいなくて、

畳と椅子席がある小さな休憩室。

 

靴を脱いで畳に上がり、

コンビニで購入しておいた

お弁当を食べさせてもらう。

ありがたかったです。

 

 

畳で英気を養って、

さて、もう少しで曼荼羅寺。

また歩きます。

 

 

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どこが門なのかわからなくて、

裏門から入ってしまった。

 

けど

曼荼羅寺ついた。

 

 

72番札所   曼荼羅寺

このお寺は、

とても小さいけれど端正というのか、、

キリリとして品の良いというか、

エネルギーが、隙なく整っている感じ。

みんなが大事にしてきたのが、わかるお寺。

 

 

それもそのはず。

建立は、四国霊場で最も古い

推古4年(596)というから、驚く。

あの、推古天皇の時代、、ってことだよね。

 

後に弘法大師が大日如来を祀り、

金剛界と胎蔵界の曼荼羅を安置して、

曼荼羅寺と改名したんだとか。

 

 

 

 

西行法師も、

この近くに庵を結び、

この寺を訪れたのだそう。

静かで落ち着いて、凛とした小さなお寺。

近くにあったら、度々訪れたい感じ。

 

後でもう一度寄ることになるとは知らず、

ここからまた、

山の上の出釈迦寺に向かいます。

 

 

次の73番札所 出釈迦寺は、

夫が一番行きたいと言っていたところ。

本道裏の山を登って

たどり着く奥の院の崖の行場は、

「捨身ケ嶽禅定」と呼ばれ、

空海幼少期の伝説が残る場所なのです。

 

=====

 

四国八十八カ所霊場案内HPより

「出釈迦寺は、

弘法大師幼少期の数ある伝説のひとつ、

『捨身ヶ嶽』縁起にゆかりがあります。

弘法大師が“真魚”と呼ばれていた7歳の時。

 

「私は将来仏門に入り、

仏の教えを広めて多くの人を救いたい。

私の願いが叶うなら釈迦如来よ、

姿を現したまえ。もし叶わぬのなら

一命を捨ててこの身を諸仏に捧げる」と、

断崖絶壁から身を投じました。

 

すると、紫色の雲が湧き、

釈迦如来と羽衣をまとった天女が舞い降り、

雲の中で弘法大師を抱きとめました。」

 

 

=====

 

 

曼荼羅時からは平坦な道が続き、

少し穏やかな坂道が始まったところに、

出釈迦寺がありました。

雨が大降りになっていて、写真がない。

 

本堂では、

ちょうど女性住職さんの

勤行の声が聞こえていて、

ありがたい気持ちでお参り。

 

御朱印をもらいながら、

住職さんに、山の上にある

奥の院まで登ろうと思うと話すと、

「わからなくなったら電線の先を目印に」と

教えてくれました。

 

そして、

奥の院の裏にある

崖の鎖場は、雨だと滑るから、

絶対に行かないでくださいねと

念を押されました。

 

奥の院までは小一時間と聞いています。

日没を考えると、往復時間ギリギリ。

少し緊張して本堂裏手の坂道を

奥の院に向かって、歩き出しました。

 

と。そのとき、気が付きました。

あれ?

頼みの綱の、金剛杖がない!!

 

先ほどの曼荼羅寺の杖置き場に

忘れてしまったのでした。

嗚呼!!!

近いとはいえ、

取りに往復したらもう、

体力も時間も、もたない。

 

出釈迦寺の納経所に

杖が売っていたのを見ていたので、

もったいないけど、それ買おう、、と

もう一度、本堂に降りました。

訳を話すと、

住職さんが杖を貸してくれるとのこと。

とても、ありがたかったです。

 

後から考えると、

杖がなかったら登りきれなかったし、

降りれなかった。それほどの坂道でした。

ほんとうに助かりました。

 

細めの杖をつきながら、再度裏手山へ。

電線を目印に、、ね、

聞いておいてよかった。

 

 

裏山に向かう道は、

草だらけクモの巣だらけで、

人が歩いた気配がないのです。

 

行く方向がわからないとき、

空の電線が走る方向を見ました。

奥の院にへ電気を運ぶ線。

 

かなり上まで、

車でも行けるそうなので

みんな歩かず、車で行くのかな?

 

あまりの坂の傾斜角度に、

「人数が多いと登れない」と

帰りのタクシーの運転士さんから聞きました。

 

 

この時点で、雨の中、

朝6時から10時間歩いています。

(休憩所でお昼の30分以外)

軟弱な私は、限界が近い感じ。

 

しゃべれないくらい坂がきつく、

息も絶え絶え。

ぜーぜー、はーはー。

 

 

でも、とにかく登る。

粛々と。

ただ歩く、のぼる。

 

 

雨ということもあり、

ほとんど人に会わないのですが、

途中で、

降りてくる美しい老女と、

その夫さんにらしい人とすれ違い、

言葉を交わし、

「もう少し」と励まされました。

 

実はそのあともずっと急な坂道で、

「あの方たち、ほんとにこの道をきたの!?」

と不思議になるほどで、。

 

「あれはもしかして

空海さんと天女だったのでは?」

と夫と話したりしました。

そういうことがホントに起こりそうな、

気配が十分だったのです。

 

 

と思ってたら、

やっぱり、。

ここで天女に会ったという、

西村夫妻の立てた碑が。

 

何度も何度もカーブを曲がり、

「まだ?まだ?」とくじけながら、

ひらけた山の上に出ました。

 

霧がすごい。

 

 

「霊場」です。空気が違う。

 

 

誰だ?と、確かめられてるような気がしました。

 

 

こんにちは!きました。

よろしくおねがいします。

 

 


 

 

へばりすぎて、

魂抜けた。笑

 

裏の行場に、出る通路。

少し怖い。

 

 

出ると、

ゴツゴツした高く険しい崖が見える。

断崖絶壁の鎖場、行場。

 

 

あの、

 

 

雨で岩が滑るから

絶対登らないようにって、

言ってましたけど、、住職。

 

 

一応止めたけど、

やると思ってたから、

死ぬならどうぞ、と。

冥王星旅ですから。

私はベンチに座って待ってました。

 

霧でよく見えないけど、

岩場の上の方で足をかけては、

ツルツル滑ってる様子。

ほどなく、あきらめて戻ってきました。

 

はい、生還。笑

 

天気が悪かったけれど、

そのおかげで誰にも会わず、

存分に、死と再生体験。

 

 

奥の院にお参りして、

鐘をついて、下界へ戻ろう。

急がないと、日が暮れてしまう。

 

帰り、急傾斜の下り坂は、

ものすごく膝に堪えました。

 

少し降りたところで、

膝が悲鳴を上げて、着地のたびの激痛。

右手に杖、左に夫の手、

そこに体重をかけて、

1歩1歩、膝の痛みを逃す。

 

気の遠くなるくらい長い道に感じました。

 

 

どんどん霧が深くなり、

日も暮れ始めたところで、

一瞬道に迷い、

パニックになりそうに。

 

私は、

「わかるところまで戻ろう」と言い、

夫は「きっとこっちで大丈夫」と、

破れかぶれに、進もうとする。

 

その時、

私のサブバックの中の

鈴が鳴りました。

私は確信して、

元の道に戻ることを強行しました。

 

鈴は、金剛杖にくくり付けるために

付いてきたものなのだけど、

付けて歩くとうるさいため、

外してバッグに入れていたもの。

 

それが、

急に鳴ったのです。

同じ歩調で歩いていたのに、

急に聴こえた。


この後も

何度かそんな場面がありました。

ここぞというところで、

急に、鈴が鳴る。

「鈴が聞こえたから、

空海さんがそう言ってる」と言って、

決めたり強行したことがあります。

 

最初は訝しがってた夫も、

「ホントだ、急に聞こえるね」と

後半は、素直に従ってくれてました。笑

 

 

そんなこんなで、膝をかばいつつ

日が暮れるまでに、下山。

下界近くの道には、

もう登れないようにと、鎖が張られていた。

 

上がるときに、

自分でガールスカウトしてみたつもりの印。

そなえよつねに。帰ってきたよ。

 

 

杖を返そうとしたら、

もう鍵がかかっていて、

住職にお礼が言えなかった。

ありがとうございました。

 

 

18時半。

出釈迦時の山門を降りたところまで、

タクシーを呼ぶ。ズル歩き遍路。

きょうは結局、12時間歩いた勘定。

 

タクシーでは、

忘れた杖を取りに

曼荼羅寺を経由していただき、

今日の宿まで。

 

泥だらけで

弥谷温泉ふれあいパークみのへ。

とにかく、

お風呂に入って、ごはんごはん。


 

ビールビール。

 

 

さて。

明日は台風直撃予定。

朝10時から、電車は計画運休とのこと。

行程会議を続けます。

 

 

お遍路の旅④へ続く。

長々個人的な備忘録を

よんでくださってありがとう。

 

 

お遍路の旅④

 

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〇お遍路旅のはじめに

占星術的 四国お遍路の旅

~同行三人with冥王星~

お遍路の旅①

お遍路の旅②

お遍路番外編 携行品と服装

お遍路の旅③

お遍路の旅④

お遍路の旅⑤

お遍路の旅⑥

〇お遍路の旅⑦まとめ


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