先日、久々に実家の父から手紙をもらった。
父は1月で78歳になるが、今も通勤1時間をかけて、自分のオフィスに通い、現役の弁護士として仕事をしている。

幼少期は軍人だった父の父とともに、13年間を満州で生きた。
そして父の父は戦死した。

敗戦後日本に戻り16歳から自活し、大学も働きながら夜間に通った。

卒業後は地方公務員をしながら司法試験の勉強をしたという。

試験に通ったのは33歳。典型的な苦学生で遅咲きと言えるだろう。

その後は、司法研修所の教官、横浜弁護士会の会長を歴任し、数年前には長年の法曹界への貢献により勲四等を授与された。

その父の手紙の一部はこんな内容だった。

「今の若いすぐれた修習生は、大企業や渉外関係の事務所に入所希望者が多く、中小企業、市民のために身体を動かす弁護士を低く見る傾向があります。
私の若い頃は、『汗をかけ、恥をかけ、物を書け』と言われたものです。
弁護士大増員時代、方向性が定まらない時こそ、この原点にかえり温故知新が必要だと思い、一文をしたためました。」



冷水を浴びさせられたようだ。

正月気分も吹っ飛んだ。



結果を焦ってはならない。

原点を忘れてはならない。

仕事への誇りと尊厳を失ってはならない。



現在、司法研修所の教官だった頃の父の教え子は、全国で活躍している。

教官時代にはよく「頭のない奴は足で稼げ」と説いたという。

現在ではその同期会に呼ばれることもあるそうだが、そのとき、教え子に「足で稼いでいます」と言われると大変嬉しくなるとともに、こみあげてくるものがあるという。

そしていつもこう語る。

「若い人と酒を飲むのは大好き。教えることは学ぶことだから」


私はいつの日か、この父の人生と仕事観を一冊の本にまとめられたら、と切に思う。


#本日の5つのよいこと。

1.久々にオフィスでじっくり仕事ができた。

2.オフィスの大家さんからサプライズな提案があった。

3.顧問税理士さんからおいしいミカンをいただいた。

4.本日のTo Doリストをすべてクリアできた♪

5.夫が明るい顔をしていた。