2019参議院選挙 | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

今回の選挙、大方の予想通りの結果となったのではないでしょうか。

野党がやや押し返した感はありますが、全体的には自民・公明の与党の勝利。

 

しかも、消費税増税を掲げての勝利です。

 

自民党総裁の安倍総理大臣はNHKの開票速報番組で、10月の消費税率の引き上げについて、「『増税を掲げて与党で過半数を取るのは至難の業だ』とみなに言われたが、今回、国民の皆さんのご理解をいただけたと思っている」と述べ、予定どおり引き上げる考えを示しました。そのうえで、「しっかりと経済状況、世界経済を注視しながら、必要とあれば、躊躇(ちゅうちょ)することなく対応していきたい」と述べました。

 

消費税率引き上げ「国民の ご理解いただけた」安倍首相 NHK政治マガジン

 

2014年、日本経済に東日本大震災以上の災厄をもたらした、消費税増税が決定したのです。

 

これにより、内需はさらに冷え込み、内需を糧にしている企業はさらに困窮、もしくは倒産に追い込まれ、日本の供給能力はさらに棄損されていくことでしょう。

 

<参考>

2017年版中小企業白書 概要 - 中小企業庁

中小企業・小規模事業者の数(2016年6月時点)の集計結果

 

1999年から2016年にかけて、486万者から359万者実に1/4を上回る127万者が姿を消しました

 

バブル崩壊、そして消費税増税によるデフレ不況からようやく立ち直りかけた日本経済を、2008年のリーマンショック、東日本大震災に引き続き、2014年に実施された消費税増税が如何に台無しにしたのかがよく解ります。

 

にも拘らず、この先の見えないデフレ不況のどん底で、消費税増税を強行しようとする政党が、選挙によって勝利してしまいました。

 

もはや、悲劇を通り越して喜劇としか言いようのない異常事態です。

 

これは国民の責任でもありますが、元凶はもちろん長年に渡りデフレマインドにつけ込み、消費増税が既定路線であるかのように洗脳した政治家であり、財界であり、マスコミであり、財務省です。

 

かつて、バブル崩壊、そして消費税増税のダメージから立ち直りかけるところまで、日本経済は10年かかりました。

 

最低でも今後10年は、日本国民は不況と増税という二重苦に耐えねばならないのです。

 

しかしながら、前回の衆議院選挙の時には無かった、希望の光も見えてきました。

 

1.れいわ新選組の躍進

 

日本唯一の反緊縮政党、れいわ新選組が比例代表で2議席を獲得した上で、政党要件を獲得しました

 

れいわ、N国が政党要件獲得 社民も土壇場で踏みとどまる 産経ニュース

 

惜しくも山本太郎氏の議席獲得には届きませんでしたが、今後山本氏は党首として党首討論などメディア露出が増えることになります。

 

次回の選挙では、ネットやツイッターでは大変な話題になり、街宣でも大観衆が集まるほどの規模になったにもかかわらず、マスコミの露骨なスルーによってメディア露出が極端に制限された今回の選挙とは、全く違った展開を期待することができるでしょう。

 

2.反緊縮派政治家の萌芽

 

また、残念ながら今回は議席には届きませんでしたが、新たな反緊縮派の期待の星として、社民党・相原りんこ氏の名前を知ることができました。

 

彼女は中野剛志著・奇跡の経済教室を読み、反緊縮的な経済政策の基礎を学んだ期待の星。

安全保障に関しても、かなりバランスの取れた考え方をお持ちの方であり、次回の選挙での活躍が期待できそうです。

 

なお、社民党内の若手で、反緊縮的な政策の勉強会も開かれるという話も聞いていますので、今後の社民党の変革には要チェックです。

 

次回は、憲法9条や辺野古移設問題ではなく、れいわと同じく反緊縮政策を前面に持って来れれば、「今までの社民党とは違う」という印象を全国民に与え、流れを変えることができるのではないでしょうか。

 

正直、

 

正直、N国に負けるというのは屈辱以外の何ものでもありません

政党要件に何とか踏みとどまったなんて安心していないで、社民党は今後の政策アピールなど選挙戦略を根本から考え直す必要があると思います。

憲法問題などのスタンスに関しては国民皆知ってるんだから、それ以外のインパクトのある政策(反緊縮)でアピールしないと、ホントにヤバいと思いますよ?

 

もっとも、江戸城再建を掲げる政治家を当選させるような土地柄ですから、神奈川は一般常識は通用しない魔界なのかもしれませんけど・・・。

3.石垣のりこ氏当選

立憲民主党で唯一消費税廃止を訴えて立候補した新人の石垣のりこ氏が、現職で防衛庁長官政務官、財務副大臣を務めた自民党の愛知治郎氏を破り、当選を果たしました。

この勝利は、反緊縮的な政治の流れが大きくなっている予兆とみてよいのではないでしょうか。

 

当初の下馬評では、不利が囁かれていた石垣氏ですが、

 

 

7/1の公開討論を経て、

選挙の10日前にはこんなファックスをスッパ抜かれ、愛知陣営は狼狽ぶりを露呈した挙句、接戦の末、石垣のりこ氏の勝利に。

 

開票は深夜まで及び、抜きつ抜かれつの大接戦。

 

途中から5,000票ほどの差が付いた状態が続き、この時はぽっと出のN国候補を本気で恨みましたが、突然の大逆転当選確定

 

いやぁ、本気で手に汗握りましたよ、マジで。

 

ガッツポーズ取ったの久しぶりでした。

 

そして、石垣のりこ氏の勝利の言葉がコチラ。

 

にゃんラブ

 

・・・コホン。

 

いや、何というか大物ですわ。この人。

 

何しろ、山本太郎氏が応援演説に来てくれた時、「二枚目(比例区)は、れいわに!」とか言っちゃってますからね。

 

それを知った立憲警察が大激怒。

 

支持政党の立候補者に投票するなと呼びかけるとか、もはや正気の沙汰とは思えません。

 

当然、このツイートには、立憲支持者の皆様から批判・非難リプが殺到する始末です。

 

ちなみに、拡散したのはコイツ↓

他にも、

などと、如何にも正論っぽい説教臭い偉そうなこと宣ってやがりますが、

テメェら

このツイートを皮切りに、党の方針と違うとか言う下らねぇ理由で、さんざっぱら石垣氏を攻撃しまくってたじゃねぇか。

 

仲間を思いやる気持ちが無いのはどっちだバカヤロウ。

 

とまぁそういう怒りも湧いてきますが、所属政党支持者から後方支援どころか攻撃され続けるような状況下の中で、接戦の末当選。

 

いやはや、痛快極まりないですね。

 

実際、トウノホウシンとやらに従って選挙を戦ってたら、間違いなく負けてましたね。間違いなく。

 

立憲民主党内において、消費税廃止のような反緊縮的な主張を続けるのは困難を極めるかもしれませんが、この選挙戦を勝ち抜いた精神力を持って、己の信条を貫いて欲しい所です。

 

 

 

今回の選挙戦、確かに今後10年に渡る国民の受難を決定づける選挙という極めて遺憾なものとなってしまいましたが、

同時に、今後10年間のうちに、反緊縮の声が日本に広がっていくことを予感させるような、希望を見出せる選挙であったのではないか、と思います。