呉智英の劣化(最終回)

テーマ:

 呉の批判は、書こうと思えばいくらでも書くことができますが、さすがにこれで最後にします。


 呉はSAPIOでの同記事で、従軍慰安婦の強制性否定の根拠があまりに弱いことをわかっているせいか、「倭寇」にさっさと話題を切り替えている。

 ところがその前に、さらに驚く発言をしている。「マンガ嫌韓流」に言及し、「売れているのはよいこと」と評価しているのだ。

 さらにネットで調べてみると、どうやら呉は産経新聞のコラムでも、これを評価しているようだ。いわく、「マンガとしては未熟な点も多いし、小さな異論もあるが大筋では間違っていない」。


 いわゆる保守系、右派と呼ばれる言論人でも、さすがにこのデタラメ漫画を評価するという人をほかには知らない。

 作者の意見を代弁する日本人はすべて美男美女、彼らにやり込められる韓国人はホームベースのような輪郭に吊り目で出っ歯。こんなマンガの描き方こそ、漫画評論家でもある呉が真っ先に批判するはずなのだが。


 このマンガのデタラメについての指摘は、「『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ」(出版:コモンズ 著者:太田修 朴一 他)に委ねるとして、ここでは過去の呉の著作との明らかな相違を指摘する。


 呉はその著書、「サルの正義」の第4章「オカルトバカにつける薬」において、UFOなどの存在とともに、非科学的な占い(血液型、星座など)を徹底否定している。確かに、血液型占いなど何の科学的根拠もないし、星座占いなどなおさらだ。

 そして呉は、「呉智英式占い」というのを自ら紹介している。人間(特に若者)の将来は、出自・偏差値(学力)・家庭環境(経済力)によって占えるというもの。

 呉が最もわかりやすい典型的な例として挙げるのは、在日韓国人の子弟である。「在日韓国人の少年、学業優秀で実家は焼肉屋の経営がうまくいっており、経済的に富裕である」、呉式占いでは、「彼は医者になる可能性が非常に高い」ということになるそうだ。

 その根拠として、呉は在日韓国人への就職差別を挙げている。「在日韓国人は公務員への就職に制限があるし、一般企業への就職にも差別があり、手に職をつける(いわゆる専門職になる)場合が多い。学業優秀で実家が富裕ならば医学部に進学し、医者になる可能性が高い。」というわけだ。

 「サルの正義」が出版されたのは、今から約20年前、1990年代前半である。今よりはるかに日本の企業が元気だった時代である。在日韓国人はたとえ学業優秀で一流大学を卒業しても、その時代の花形である大手企業、都市銀行にも証券会社にも自動車メーカーにも総合商社にも電機メーカーにも就職することは考えにくい、それを言わば「社会の常識」としているのである。

 一方、マンガ嫌韓流では、就職差別を否定している。さらに以前の時代でさえ、「高度経済成長期で、どこも人手不足だった。就職希望者は企業から引く手あまたという時代だったんだ。だからもちろん在日も普通に企業に採用されていたんだ( P94)」としている。

 これは、同マンガの日立就職差別裁判について取り上げた場面で出てくる登場人物のセリフだが、その裁判では、就職差別の現実を認めた判決が下されている。

 以下は、これを取り上げたQ太郎さんのブログです

http://ameblo.jp/qtaro9blog/theme25-10076516504.html

 

 つまりマンガ嫌韓流の内容は、これまで呉自身が「社会の常識」としてきた例や裁判において認定された事実とまったく相反するものである。

 これを呉は「小さな異論もあるが、大筋で間違っていない」と言っているのである。狂気の沙汰である。


 「思考の転向は恥ずべきこと」と唱えたのは、ほかならぬ呉自身である。確かに、変節漢という言葉には、侮蔑の意味が込められている。

 ネトウヨ御用評論家と化した呉ほど醜悪かつ恥知らずな変節漢をほかに知らない。

 呉よ、恥よ。私はオマエを心底軽蔑する。

 マンガ嫌韓流は、その後も版を重ねるが、その都度デタラメ度と妄想を肥大化させ、ついに第4版では、「在日による日本乗っ取りは最終段階」というオカルトの世界にまで突入している。まるで「UFOに乗った宇宙人による地球侵略」なみの荒唐無稽さであるが、こういうオカルトバカを徹底して嫌い、批判してきたのは、ほかならぬ呉である。

 呉に最後に訊いてみたい。「マンガ嫌韓流4が売れているのもいいことなのか。いや、4はさすがにあまり売れなかったようだから、これはよくないことか。どちらなのか?」

 評論家が社会のあらゆる事象についてコメントするのは無理である。しかし、マンガ嫌韓流を称賛した呉、マンガ嫌韓流4についてコメントしないのは卑怯というものである。

 現在の呉は、卑怯というより発狂状態ではあるが。









AD