マンガ好きの部屋 -684ページ目

電波的な彼女

電波的な彼女 (集英社スーパーダッシュ文庫) 片山憲太郎

電波的な彼女 (集英社スーパーダッシュ文庫)/片山 憲太郎
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[内容(裏表紙の紹介文引用)]

見知らぬ少女のいきなり忠誠を誓われた、不良少年の柔沢(じゅうざわ)ジュウ。堕花雨(おちばな・あめ)と名乗る彼女の奇妙な言動に振り回されながらも、ジュウは徐々にその存在を受け入れていく。気がつけば、何かとちょっかいを出してくる同級生・紗月美夜(さつき・みや)との3人の、不思議な関係が構築されていた。、しかし巷を騒がす連続殺人に巻き込まれてから、ジュウは雨に不審感を抱くようになり・・・・・・。


[感想]

片山氏の作品がいかに自分のツボなのかを再確認させられた。


以前ご紹介した「紅」の作者・片山憲太郎氏のデビュー作。「紅」と世界観を共有する本作。私は「紅」シリーズを全巻読んだあとにこの作品を手に取りました。が、どちらを先に読んだ方が良いかはよくわかりません。(どちらでも良いかな?)


序盤は、雨の”電波”っぷりが爆発。凄いよ、この子。はっきり言って、”電波”に萌えはない!ってことをまざまざと見せつけられる。・・・あれっ? これって私だけ? みんなあの雨に萌えるのか?

確かに、目もとを隠した前髪をあげると、そこには可愛いというより綺麗と評すべき美しさがあるそうで。そのシーンのイラストも可愛かったよ。でもそれは、設定とイラストが可愛いんであって、電波が可愛い訳では断じてない!!!


「わたしは、ジュウ様の下僕です。」、「その輝きこそが、ジュウ様が王である証なのです。」、「ジュウ様が、わたしをお呼びになったように感じたのですが。」


それ、どんな電波だよ!!!


夜中に、作業用の足場を登ってマンション9階のジュウの部屋に窓から侵入。


ストーカーか!!!


妹曰く、「お、お姉ちゃん! 家では気配を消さないでって、いつも言ってるでしょ!」


お前、忍者か!!!


(ジュウから側にいてもいいと言われ) 雨は出会ってから初めて微笑んでいた。心底嬉しそうに。


・・・・・・ちょっと可愛いじゃねえか、このヤロウ!!!(汗



雨がそんなだからか、ジュウは金髪・不良少年ながら、至極まっとう。主人公としては、ちょっとキャラが薄いか、と心配になるくらい。その心配は杞憂に終わるわけですが。



そんなジュウたちの日常の裏で、巷では連続殺人が行われていく。そして”一枚の画像”をきっかけに、ジュウは犯人を捕まえることを決意する。

この前後からストーリーは一気に重く、暗くなっていく。序盤の展開がウソのように・・・。

いや、はじめから殺人が行われていることを示唆する描写はあった。しかしながら、この”一枚の画像”に込められた異常性は常軌を逸している。ああ、作者の片山氏はこういうことを思いついてしまうのか、という感覚はこれ以降の本シリーズにも、「紅」シリーズにも通じる。


それは、とても読んでいて心地よいものではない。


・・・・・・しかし、ジュウの存在によって、救われる。


「誓ってもいい! お前が助けを求めたら、俺はお前を助けた!」




途中、目を覆いたくなるシーンがある。必ずしも何かが解決するわけでもない。

それでも私は、読んで良かった、と感じました。そんな作品です。