脚本家・須田剛史の観る、読む、聴くブログ
  • 22Mar
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      ドラマ『相棒』を熱く語ってみた

      ドラマ「相棒season18」が最終回を迎えたのだが、実に驚いた。隠し撮りされたベッドシーンやハッカーからのトラップとしてアダルト風な映像が流れるなど、まるでシリーズ初期の土曜ワイド劇場時代を彷彿とさせたのだ。思えば島流しにされた亀山くんが初めて特命係を訪れた時、右京さんは証拠物件と称して大人のビデオを何食わぬ顔で観ていたっけ……思えば今は何でも隠す時代になっている。昔のドラマでは当たり前に映っていたものが今のドラマには極めて少ない。先ほどのお色気に関するものなど、すっかり見ない。何とか頑張っていたのが特命係長や湯けむりスナイパーあたり。隠すといえばもうひとつ。某刑事ドラマでの事件の発生シーン。加害者が凶器を持ったところで暗転し、次のシーンで被害者が倒れている。その間に何をしたのかを見せない。世知辛い時代とはいえ、もうそういう演出をしないといけなくなったとは……揉み合った末に頭をぶつけて亡くなることがやたら多いのもそれらの影響なのか。相棒はやはりこのロゴ。嗚呼、亀山くん。私はこの「相棒」がきっかけで物書きを始めた。正確に言うと、season2第6話「殺してくれとアイツは言った」をリアルタイムで観たとき。ラスト数分。前代未聞の衝撃のオチを観て、思わず大声を上げてしまった!「日本にはこんなにすごいドラマがあるんだ!」と興奮し、物書きになる決意をした。脚本は砂本量さん。メインゲストは大杉漣さん。残念ながらおふたりとも鬼籍に入られてしまった。実はそれより前に「相棒」は観ていた。いちばん最初に観たのはseason1の最終回。そう、あの長門閣下の回だ。2002年12月25日のクリスマスに放送されていた。それまで水曜夜9時の刑事ドラマは「はぐれ刑事純情派」のイメージしかなく、当時高校生の自分には敷居が高く感じていた。なので、親が観ているのでついでに見る感じだった。それをめちゃくちゃ後悔した。相棒season2の開始に先立ってseason1の再放送をしていたとき、その質の高さになんで去年のリアルタイム最終回を気を抜いて観ていたんだと自分を責めた。さらに土曜ワイド劇場から連ドラになったと知り、どうして土ワイ時代にチェックしていなかったのかと放送当時観ていなかった自分を責めに責めた。その後、season2の放送期間中に土曜ワイド劇場の第2作が夕方再放送され(きっと浅倉禄郎絡みによるもの)、連ドラの作風や撮影セットに劇中の曲などの違いを見つけて興奮したのは言うまでもない。※さらにその後DVD化され、念願の土曜ワイド劇場第1作と第3作を観られたときは心から涙が出た(´;ω;`)どうしてこんなにも「相棒」を好きになったのか?それは観終わったときに何ともいえない余韻が残るからだ。何でも説明してすべてはっきりさせてしまう流行りもののドラマと違い、「相棒」はいわゆるグレーなオチが多かった。事件が終わっても、決して完全には解決せず後を引くような何かがあった。10歳の少年が殺人犯だったり、犯人が超法規的措置で逮捕されなかったり、事件の凶器が冷凍イカだったり、同性愛という題材を扱ったり、はたまた時効成立後に犯人が自首したり、と本当に衝撃的なラインナップが目白押しだった。なので、インパクトが強くて記憶に残る。脚本家について深く知るきっかけにもなった。やはり初期のメインライター3名(輿水泰弘さん、櫻井武晴さん、砂本量さん)は偉大過ぎる。さらに劇中で流れるクラシック音楽や洋楽。DVDでは差し替えられているものの、再放送時は本放送と同じなので雰囲気を思う存分味わった。season1の劇中曲リストhttp://web.archive.org/web/20030416220602/http://www.toei.co.jp:80/tv/programs/aibou/だんだんシーズンが進むにつれていろいろあるのは仕方ないにせよ、コアなファンにとって忘れてはならない大切な人がいる。他ならぬ、須藤泰司さんである。東映の社員さんで、現在は企画制作部長。「相棒」では土曜ワイド劇場からseason4までプロデューサー、season5では協力プロデューサーをされていた伝説の人だ。(実は脚本も書かれている)わかる人にはわかるが、木曜ミステリー「オヤジ探偵」や映画「探偵はBARにいる」の制作にも携わっている方である。HogaHolic インタビュー記事http://www.holic-mag.com/hogaholic/int/int33.html私が大学生のころ、東映の相棒公式サイトに掲載されていた"銀座NOW"というコラムを好き好んでよく拝読していた。テレ朝の公式サイトとはテイストがあまりに違うのだ(笑)このコラムはマニアックなファンには垂涎もので、そこからいろんな知識を学んだ。相棒season2 放送時http://web.archive.org/web/20121119050646/http://tvarc.toei.co.jp/tv/programs/2aib/2aib-ginzanow.html相棒season3 放送時http://web.archive.org/web/20131221102946/http://tvarc.toei.co.jp:80/tv/programs/3aib/3aib-ginzanow.html相棒season4 放送時http://web.archive.org/web/20131222035047/http://tvarc.toei.co.jp:80/tv/programs/4aib/4aib-ginzanow.htmlまず読んでいただきたい。とにかく中身が濃いのだ。まるでコサキンのラジオのように、わかる人にはわかるネタがふんだんに盛り込まれていて楽しい。あと何といっても、須藤さんが携わっていたころの初期「相棒」には劇団出身者や味のある役者さんが多い。川原和久さん、大谷亮介さん、山西惇さん、篠井英介さん、深沢敦さんなどなど、このドラマのおかげでたくさんの役者さんの名前を覚えた。現場の役者さんたちは間の取り方、表情、佇まいすべてがすごい。役者さんの世界はとてつもなく深いことを知った。須藤さんの功績はとてつもなくすごい。思えば私の物書きとしてのスタイルはこの方の影響を強く受けており、これからもこういう生き方をしていきたいと心の底から強く思っている。

  • 10Mar
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      観てるとつい音を立てたくなる映画『クワイエット・プレイス』

      本作を約三行で言うと……音を立てたら得体の知れない化け物に殺されるという環境下で、とある家族が生き残りをかけて厳しい試練に立ち向かうホラーサスペンス。あらすじ荒廃した街のとあるお店。ある一組の家族がやってくる。他には人っ子ひとりいない。食糧などを手に入れる彼らだが、なぜか音を立てないように注意を払う。理由はひとつ。音を立てた瞬間、命を失うからだ。89日前、何気ない日常は一変した。この世のものとは思えない化け物が突如、生きとし生けるものすべてを襲い始めた。共通しているのは生き物が出す音に反応するということ。そのために一家は様々な策を講じ、ひっそりと生き延びてきたのだ。果たして一家は化け物からの追手を逃れて無事、生き延びることが出来るのか?思わず唸ったところレンタルする際、パッケージの裏に吹き替え声優の名前があった。だがよくよく考えてみると、声を出す機会はわずかでは?基本、本作は手話で進行する。それは音が出せないという設定があるが、この家族に耳の聞こえない長女がいるのだ。ここが本作の重要なキーポイント。(両親や兄弟となぜか似ていないのは秘密)ある意味この長女がいたことで、家族はこれまで生還できたのかもしれない。それ以外、たとえば母と息子が手話でやりとりする際は微かだが吹き替えの声が聞こえる。そのさし加減が実に素晴らしい。さらにのちに声よりも大きい音がする場所では声が出せるという場面があり、スタジオの役者さんもやっと声が出せた!と思ったのではないだろうか。人は禁じられるとそれをしたくなる。これを観てるとつい、音を出したくなってしまう。脚本のアイデアってすごい大事なんだと思った。さらに悪玉である化け物(バイオハザード風)はビジュアルこそ出るものの、素性も説明も何もないまま視聴者の想像に委ねられている。(※wikipediaには宇宙からやってきた怪物と書かれている)実際、世界中を巻き込んだ大きな悲劇が起きたら我々はきっとその詳細を簡単には突き止められないだろう。情報は錯綜し、試行錯誤しながら事の真相を探していかなければならない。なんだか今日性を感じさせるようでゾッとした。賛否両論が起きそうな箇所実は気になったことがいくつかあった。1 幼い末っ子の行動を確認しない家族実はオープニングで4歳の末っ子がおもちゃの音を鳴らしたばかりに死んでしまう。親切なまでにフラグを何度も立ててくれている。家族そろって家へ向かう途中の橋を歩いているのだが、前から父、母と長男、長女、末っ子の順。まさにがら空き。そもそも両親がそろって先頭を歩いてる時点で危ない。いや、意外と現実に親ってそういうものなのかも。"音を立てたら死ぬ"のだから、一家の誰かがそうなってしまうというのは見当がつく。でもまずそのポジションの命から狙うのかぁとゾッとした。2 音を出すことが禁じられている状況下で子作りをした夫婦末っ子の衝撃的な死から約1年。次のシーンで母親が妊娠している。この状況下でよくそれをしようと思ったなぁ、と思わずにいられなかった。もしかしたら、新しい子孫を残すことで敵に屈しない!という意図なのかもしれない。それでもベッドの軋む音や最中の喘ぎ声がよく敵に聞かれなかったなぁとか、そっちのほうが気になって集中できなかった。しかも出産のときに声が出ちゃうだろうし、赤ん坊も泣き出すだろうし(汗)3 放置された階段のクギ破水した母親が地下室へ向かう際、階段から出ていたクギに気づかず踏んでしまう。これによって声が出てしまい、化け物に気づかれる。そのとき母親は化け物を撒くことに必死になっていたため、クギはそのまま。緊急時だから仕方ないにしても、ラストシーンで子どもたちが地下室へ向かうときよく刺さらなかったなぁと思わずにいられなかった。これらは映画を盛り上げるためのカセなのだろうが、こちらは別のところや別の意味で90分ずっとハラハラしていた。本作で最も驚いたこと実はこの物語には驚くべき事実があった!なんとそれは…5月にまさかの続編公開。えええええええええええ?!(しまった! 大声を出してしまった!)グルルルルルルゥ(ここに隠れていれば大丈夫だろう。)ネタバレ感満載のポスタービジュアル。母親が何を抱えているかとか、誰が写っていないかとか絶対気にしてはいけない。(もちろん、前作で命を落とした父親役の俳優が制作者だということも)正直、本編よりもこっちで驚いたことは言うまでもない。どうやら外の世界では主人公家族以外に生き残りがいたことがわかり、これまでの謎が明らかになる様子。果たして化け物の発生した経緯は明かされるのか?いなくなったかな。よし、行こう……って、うわあぁあ!!!グルルルルルルゥ

  • 05Mar
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      ライトなタイトル、ヘビーなディテール 映画『家へ帰ろう』

      この作品との出会いは去年の1月。大阪へ一人旅したときに立ち寄った梅田スカイビルでのこと。その中にシネリーブル梅田というシアターがある。そこで上映されていたのが本作だった。パブロ・ソラルスによるオリジナル脚本。ようやく観ることができた。シナリオの恩師譲りの三行ストーリーでいえば、アルゼンチンに住む肩身の狭いおじいちゃんが故郷のポーランドにいる親友のもとへ自らが仕立てたスーツを持っていくというロードムービーになっている。あらすじはじまりは何気ない日常の風景。アルゼンチン。主人公の老人・アブラハムは家族と写真を撮ろうとしている。理由は自身の誕生日といったお祝いごとではない。行き先は老人ホーム。今まさに長年住んだ家は売りに出され、家族からも追い出されようとしている。そう、お別れの集合写真なのだ。ここは現代日本にも通ずるところがあって怖い。そんな現実に嫌気が差したアブラハムは状態の悪い右足を引き連れて家出を決意。向かう場所はポーランド。そこは彼の故郷であり、かつて自分をある出来事から救ってくれた親友に恩返しがしたいと仕立てたスーツを持っていくのが目的だ。彼はアルゼンチンからスペインやパリを経由し、ポーランドを目指す。ただしドイツを通らずに、という条件を付けて。果たして彼は故郷に帰り、親友に再会することができるのか?思わず唸ったところ出だしからやられてしまった。それはアブラハムと孫娘のセリフの応酬。集合写真を撮ろうとするも、ひとり足りない。孫娘だ。どうやら写真が嫌いらしいのだ。アブラハムが説得しに行くと、彼女には欲しいものがあるという。それはiphone6。なんと1000ドルもするという。アブラハム:200を提示孫娘:写真は嫌いと固辞アブラハム:今度は400孫娘:意に介さずだんまりアブラハム:800だ、残りは親に出してもらえ孫娘:おじいちゃん大好き!と思いきや、「諦めが早いぞ」とアブラハム。本当は1000出すつもりだったと孫娘を一蹴するのだ。しかし、孫娘は驚かずニヤリ。「本当の値段は600だったの。200、儲かっちゃったわね」アブラハムはタジタジ。この祖父にしてこの孫娘ありだ。続いて、自分の家族よりも旅先で出会う人たちが優しいという皮肉が良い。飛行機で隣り合わせた青年のレオナルド。ホテルの女主人・ゴンザレス。人類学者のイングリッド。看護師のゴーシャ。最初は尖っていた典型的老人のアブラハムも、彼らと関わっていくことで徐々に柔らかくなっていくのだ。とくにゴンザレスとの下ネタのセリフのやりとりは最高だ(笑)そして明らかになっていくアブラハムの過去。何より避けて通れない本作のテーマ、ポーランド侵攻やホロコーストだ。ゆえに、ドイツの地に一歩も足をつけないという条件を己に課したのだ。軽妙なコメディだったはずがどんどん重厚なシリアスへと舵を切っていく。「聞いた話ではない。この目で見たんだ」ドイツ人の女性人類学者・イングリッドに向かって話すアブラハムのセリフ。何があったかのくわしい描写はない。あるにしても当時の服装をした者が出てくるくらい。しかし、そのセリフひとつひとつにおぞましい光景を見たのは伝わってくる。激動の時代を知らない我々は、その時代を生きた人たちの証言を聞く必要がある。先人たちはどのような時代を生きてきたかを理解せずしてこれからの未来は生きられないと思うからだ。しかし、目や耳に流れてきた情報は精査する必要がある。だからまずはそっくりそのまま受け取らず、いったん保留にしておく。そしてそこから事実を自分から調べて掴みに行く必要がある。それを私は本作から学んだ。おまけちなみにアブラハムの故郷の名はウッチ。で、本作は「家(うち)へ帰ろう」。え?もしかして、ウッチへ帰ろうと引っかけたのか?と思ってしまったことはどうか忘れてほしい。

  • 02Mar
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      KIRINJI『cherish』で「あの娘は誰?」とか言わせたい

      たまたまラジオから流れてきた曲を聴いて、思わずボリュームを上げた。この曲を演奏しているのは……KIRINJI!※KIRINJIとは?もとはキリンジといって、兄・堀込高樹さんと弟・堀込泰行さんのふたりで結成されたバンド。2013年に弟がソロ活動のため脱退し、兄が5人のアーティストを呼んでバンドを結成。その際、KIRINJIという英語表記になる。2020年で現体制のバンド活動を終了し、その後は変動的な音楽集団として活動予定。カタカナ→英語→???まさか漢字?ひらがな?いったいどんな表記になることやら。天才のみで構成され名曲しか生まないアーティストで、一度聴いたらその音色の虜になる。キリンジ時代の曲はアルバムをいくつも借りて、聴きこんだ。なので、KIRINJIになってからは少し距離を置いていた。だがたまたま、そういえば今どんな曲があるのか?とYouTubeを調べていると、「時間がない」これを聴いたときに、新体制のほうも聴きこまなければ!と思った。歌詞が文学的で普段聞きなれないフレーズが多く出てくるのでとても強く印象に残り、今では辞書を引いて意味を覚えることが楽しみになっている。そしてメロディーラインもすごい。とにかく病みつきになるのだ。どうやったらそんなアレンジを思いつくの?と質問したくなる。おそらく本人たちは楽しみながら演奏しているので自覚はないだろうが。あとは切り口。後述の「cherish」の中にハンバーガーかピザのどっちにするかという歌がある。それを題材にするという発想がすごい。天才ってホントにうらやましい。ちなみに冒頭で書いた、流れてきた曲の名は……「あの娘は誰?」とか言わせたいすごいタイトルだ。ニューアルバム「cherish」の1曲目で、とても軽快なリズムなリードトラックだ。ダイジェスト映像とあるCEOが所有する水素燃料の垂直離着陸機で夜間飛行して非日常を味わう女性の曲。普段見上げているタワーマンションも、きょうは上空から見下ろして優越感に浸っている。が、実際はすべて彼女の妄想だったというオチ。よく聴くと社会風刺のフレーズがところどころにあり、ニヤリとしてしまう。他の人に書かれてしまったが、この曲はパートごとに高樹さんが声のトーンを変えている。高い声、低い声、語るような声。つまり主人公の女性、相手の男性、語り手をそれぞれ表している。初心者向け 「エイリアンズ(live)」上級者向け 「癇癪と色気」「乳房の勾配」

  • 29Feb
    • 大杉漣さん最後の主演映画『教誨師』の画像

      大杉漣さん最後の主演映画『教誨師』

      我々はとても惜しい俳優を亡くした。大杉漣さんである。その最初のプロデュース作品にして、最後の主演作となった映画「教誨師」。ようやく観ることが出来た。個人的に映画館やレンタルで観る作品は9割が洋画。残り1割の邦画はどうしてもミニシアター系に限られる。その理由は……察して頂きたい。ミニシアターとは?ポレポレ東中野やユーロスペースやシネリーブル梅田など、ひっそりとしているが上質な映画を取り扱っているとても素敵な場所。それらミニシアターには共通点がある。あまり世間で知られていないデリケートな職業や独特な環境が題材で、どこで見つけたと思うほどの実力派ぞろい、そしてこれでもかというくらいにテーマを訴えかけてくるのだ。本作はそのすべてを持っていて、私の心をこれでもかと揺さぶってくる。が、題材が題材だけにとてもデリケートなので明るい表現はできない。なので淡々と書き記すことにした。あらすじ大杉漣さん演じる主人公の佐伯保は教誨師。彼は独特な空気を持った6人の死刑囚たちと対話をしていくなかで、自分の訳ありな過去や仕事との矛盾に葛藤しながらも罪とは何か、生きるとは何かと向き合っていく。思わず唸った箇所高宮真司:玉置玲央さん若者役で本作のキーパーソン。博識で世の中の矛盾を佐伯に投げかける。佐伯と彼の会話がこの物語の主軸になっていて、一線を超えてしまった者と間一髪越えなかった者のやり取りになっている。「牛や豚の命はいただくのに、人やイルカはなぜいけないのか?」と問うセリフはきっと誰もが答えられない永遠のテーマ。吉田睦夫:光石研さん任侠者の親分役。相手に対して出す声の使い分けがうますぎる。佐伯に対しては優しいが、刑務官には急にドスを利かせる。業界の現状を心から嘆いたり、実は誰よりも刑の執行におびえていたりと見かけとは最も違う面を見せる。進藤正一:五頭岳夫さんホームレスの老人役。スウェットの首元あたりに沁みがにじむ。これがすごい。さらに第六感が鋭く、雨が来るのを感じ取る。言葉は話せても文字が読めない設定は博学の高宮と対比になっている。グラビアアイドルが載っているページを切り抜いて大切にしているのだが……野口今日子:烏丸せつこさんおしゃべりな関西のおばちゃん役。思い込みが激しい性格を見事なまでに表現されている。使えない刑務官の愚痴を言っているが実はデタラメ。鈴木貴裕:古舘寛治さん無口な男役。事件とは見方によってどうとても言い表せてしまうことにゾッとした。実は被害者の霊が見える。以降、その方向に視線を向けるのが何ともいえない。小川一:小川登さんおとなしい人ほどスイッチが入ったときの衝動は計り知れない。終始ゆっくりと語っているが、ふと垣間見えるのがすごい。構成について対面するセリフのやり取りでそれぞれが起こした事件の背景や人物像が徐々に明らかになっていくのがすごい。さらに何気ない言葉ひとつがすべて伏線になっていて驚いた。たとえば、無口だった男・鈴木が突然声をあげて泣きだす。その次のシーンで高宮が「壁を叩いて泣き声をあげているのがうるさい」という。きっとさっきの鈴木のことを言っているんだろう、と我々に思わせておいてのちに本当は別の人物だったことがわかる。他にも後半で、ある死刑囚に執行の命令が下る。その人物が誰なのかを観ている側は探っていくことになる。「次会ったときに洗礼をしましょう」「クリスマスはまだなのに、ケーキが出たんだよ」「メリークリスマスを言うには早すぎる」これらのセリフひとつひとつに、匂わせるフラグが立っていてすごい。おまけ刑務官役の皆様がリアルすぎる。きっと実際もあんな感じなんだろうなぁと思えるほど。こういう細かいほどのディテールが本当に味わい深い。なお、チラッと信太昌之さんが出ていた。(※相棒season3「ありふれた殺人」で、時効成立後に自首する犯人役)余談だが、机の上のカレンダーがパタンと何度か倒れる。その原因がわかったときはもう震えが止まらなかった。

  • 28Feb
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      オリジナルボイスドラマ 第2弾『コンパのサクラ』

      脚本家・須田剛史の新プロジェクト「オリジナルボイスドラマ」おかげさまで第2弾を制作しました!舞台などでご活躍されている素敵な声を持つ実力派の役者さんと須田剛史のシナリオが織りなす、オリジナルにこだわった物語。第1弾に出演してくださった友人・難波なうさんが出演された舞台を通じて、篠田美沙子さんと梅田洋輔さんという素敵な役者のおふたりにオファーいたしました☆おかげさまで公開日から1か月にも関わらず再生回数が100回を超えました!これも制作に協力してくださった皆さま、そしてご覧くださった皆さまのおかげです(*^-^*)今作はオーディオドラマをベースに、シーンに合わせて動画や静止画が切り替わります!なお、本編には出演者おふたりにちなんだ小ネタの数々はもちろんのこと、私が尊敬している女性アーティストの名前もチラッと登場します。何気ないモノローグやセリフが中盤以降の伏線になってますので、どうぞご覧ください♪<あらすじ>《 サクラ 》公演主催者や販売店に雇われて客や行列の中に紛れ込み、特定の場面や公演全体を盛り上げたり、商品の売れ行きが良い雰囲気を作り出したりする者を指す隠語。(wikipediaより)さくらは春に咲く、まるで季節の始まりを象徴するきれいな花。サクラは誰かを騙す、まるで諸悪の根源を象徴するきたない者。同じ読みのはずなのに表記が違うだけでこんなにも意味合いは大きく異なる。しかし、サクラをしている者はすべて悪い心を持った人物なのだろうか?ここにひとりの女性がいる。彼女の名は『しの』。わけあってそう名乗っている。日夜東京都内で行われる街コン会場へ参加者に扮して、陰ながら現場の雰囲気を盛り上げたり相性の良い男女がカップリングするお手伝いをしたりしている。そう、彼女はコンパのサクラなのだ。普段から良いイメージのない《サクラ》だが、彼女は純粋に街コンへ参加する男女たちの幸せを願いながらこのサクラという仕事に誇りを持っていた。2020年は1月10日の金曜日。夜の渋谷で行われる街コンにて、『しの』はいつものように参加者の男性と向かい合って話をしていた。そこへ順番で巡ってきたひとりの男が彼女の目の前に座る。彼の名は『リュウ』。爽やかな好青年に見えるが、彼がこの街コンへ参加したのにはある理由があった……『しの』と『リュウ』。ふたりが向かい合ったとき、ひとつの物語が始まりを告げる。オリジナルシナリオが持つ無限の可能性をあなたに。脚本家 須田剛史 公式サイト物書き・スダのシナリオ>> ホームページの入口はこちら <<

  • 27Feb
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      オリジナルボイスドラマ 第1弾『収差~時の流れ~』

      脚本家・須田剛史の新プロジェクト「オリジナルボイスドラマ」。記念すべき第1弾がYouTubeで公開中!オリジナルボイスドラマとは?舞台などでご活躍されている素敵な声を持つ実力派の役者さんたちと須田剛史のシナリオが織りなす、オリジナルにこだわった物語です。出演者はかつて朗読劇で関わって以来友人である実力派の女優・難波なうさんと、かつてプロの声優をされていた美しい声の持ち主・須田博光さんです。いつもお世話になっているおふたりに感謝の気持ちと日ごろの恩返しの気持ちを込めて、本作を制作しました☆なお、本編にはおふたりにちなんだ小ネタがところどころに登場します。また実際に福井県鯖江市にメガネの取材へ伺い、BGMは現地で録音しております。本作はオーディオドラマのテイストでおふたりの声を心ゆくまで味わっていただくため、静止画でお楽しみください♪<あらすじ>"メガネ"それは今や人の目を快適にする、日常生活に無くてはならないもの。かつてはなかなか手が届かない高価なものであったが、時の流れによって気軽にそして手軽に買えるようになった代表的なもののひとつでもある。しかし、時の流れとともに消えゆくものがある。古き伝統や技術の腕を振るう職人の存在だ。福井県鯖江市。1905年に増永五左衛門が農家の副業としてメガネ製造の技術を持ち込んだことで急速に発展した地で、現在は日本におけるメガネの生産地として名高い場所だ。2019年10月某日、昼前のJR北陸本線・鯖江駅。東京からやってきたひとりの女性がホームに降り立ったところから物語は始まる。彼女の名は光野瞳(こうのひとみ)。表参道にある路面店のメガネ屋で店長をしている瞳は、常連客から他店で買ったというセルフレームのバブがけ(※表面磨きのこと)を依頼された。しかし出来る限り自分たちで修理に対応するという昔のメガネ屋の方針と違い、最近は他店からの持ち込みフレームの修理は保証面から極力控えるようになっていた。そのため瞳はとある場所へ修理をお願いすべくわざわざここへと足を運んだ。鯖江駅を出て少し歩いた路地裏に、ひっそりとたたずむ小さな工房がある。その名は”光野工房”。そう、瞳はその工房の娘なのだ。数年ぶりに見る父・光野鏡輔(こうのきょうすけ)は相も変わらず、路面に背を向けて研磨機でメガネを黙々と磨いていた。瞳は職人の娘として生まれメガネに関する仕事に携わってはいるが、作る側の父とは違って売る側の人生を選んで日々の生活を送っていたのだ。販売員の瞳と職人の鏡輔。ふたりが出会ったとき明るみになる、作る者の信念と売る者の使命との間にある価値観の違い。それはまるでレンズごしに物がボヤけて見える”収差”のようだ。これは、ある親子のメガネにまつわる物語。オリジナルシナリオが持つ無限の可能性をあなたに。脚本家 須田剛史 公式サイト物書き・スダのシナリオ>> ホームページの入口はこちら <<

  • 25Feb
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      声と音のみでイメージする映画「THE GUILTY ギルティ」

      ずっと前から観たかった作品。シーンはオペレーターである主人公の警察官・アスガーがいる部屋のみで、あとは耳から聞こえてくる音と声のみでシーンを想像するというもの。つまり、主人公と同僚以外は全員声のみで出演。顔出しはない。何でも映像で説明してしまうこの時代に音声だけで挑むというなかなか実験的な映画。まるでテレビとラジオが融合したかのような作り方でおもしろい。この物語はある一本の電話から始まる。声の主は女性。主人公のアスガーへ涙ながらに語り掛けてくる。まるで大切なわが子をあやすように……と、その声の後ろで男性の声が聞こえてくる。「はやく電話をよこせ!」どうやら女性は母親らしく、何者かに車に無理やり乗せられているらしい。"これは誘拐事件かもしれない"そう思ったアスガーは、犯人の男に気づかれないよう子どものふりをしてコミュニケーションを取りながら、その女性がいる現在地を割り出そうとする。やがて高速道路に乗っていることがわかり、現場の警察に確保を要請。しかしパトカーが捕まえたのは別の車だった。危機感を覚えたアスガーは電話を駆使して、捜査員や元相棒の刑事に協力を求める。まずはその女性の家にいる子どもに事情を聞こうと捜査官に指示を要請する。果たして彼は犯人の男を捕まえることができるのか?ちなみに題名"ギルティ"の意味は有罪。何をしてギルティなのか?この映画にはいくつかの有罪がある。※ネタバレのため、以下は文字反転➀犯行による有罪この事件の犯人、それは電話をかけてきた女性だった。彼女の家に警察官が踏み込むと、部屋には子供の亡骸が。実は女性は精神的に病んでおり、子供のお腹になかにいる怪物を取り除いたことをアスガーに告げる。つまり手にかけてしまったのだ。有罪。一見犯人と思われていた男は夫で、彼女を病院に送り届けようとしていたのだった。➁誤解による有罪アスガーが声と音から想像し、現場へ指示したことはすべて誤解だった。犯人と思っていた父親はシロ。誤解によって真相がごちゃごちゃしてしまった。有罪。➂自身の有罪この物語はアスガーが裁判を翌日に控えた出来事である。彼はコールセンターに異動する前は現場で捜査官をしており、職務中に銃で素行の悪い者を撃ってしまったのだ。彼は罪を犯した。その時の相棒だった刑事は口裏を合わせようとしてくれたが、今回の事件を機に真相を話すことを決めたアスガーの姿で物語は終わる。音と声の絶妙なバランスによって、電話の向こうの人物が何をしているのかをミスリードしていく構成がすごかった。とくに最後のシーン。犯人が橋の上から飛び降りようとするが、パトカーが近づいてくる。アスガーが説得するも、直後に電話の向こうで落下していく音が聞こえる。このあたりはもう脱帽級。

  • 21May
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      ココナラでシナリオの執筆サービスを出品しております

      こんにちは、脚本家の須田剛史です。現在、ココナラにてシナリオの執筆サービスを出品しております。出品サービスはこちらこの世にはたくさんの会社が存在します。が、紋切り型いわゆるステレオタイプの会社は一つとしてありません。そこでオリジナルシナリオライターが現地の方々を取材して、御社のイメージアップにつながるような物語を描き、御社のホームページで紹介するというのがコンセプトです。ターゲットは顧客、取引先、これから就職・転職を考えている方です。ご参考までに下記のシナリオをどうぞ。<掲載例>文房具会社・短編形式の場合第1話「再会」〇株式会社××文房具本社・試験会場室内には筆記具の唸る音がひたすら響く。スーツに身を包む就活生の芯一(21)、固唾を飲む。周囲には同じ身なりの若きリクルートたちが真剣な面持ちで目の前の用紙に自らの努力と思いの丈をぶつけている。芯一の声「何としてでも突破しなきゃ」芯一のペンの握る手は強く、その顔には焦りが見られる。と、試験監督を務める男性社員(35)が巡回している。〇小学校の教室・芯一の少年時代(回想)芯一(10)、シャーペンを手にしている。ノックするたび出て来る芯。首を傾げる芯一、シャーペンを太陽に透かして見たりしている。〇文房具工場轟く作業音。大きく開いた入口から中の様子が見える。芯一はじっと中を見ている。作業着姿のお兄さんが一生懸命、働いている。胸元に『株式会社××文房具』の文字。お兄さんが芯一に気づいて、お兄さん「文房具、好きなのかい?」芯一「はい! 文房具のためならご飯もガマンできます」お兄さん「なかなかおもしろい子だな」芯一「あの、シャーペンがどうやって作られてるのか、知りたくて」お兄さん「……そっか。ちょっと待ってて」お兄さんが重役らしき人と話している。お兄さん「大丈夫だって」芯一「ありがとうございます」お兄さん「それとはい、これ」お兄さんが芯一にシャーペンを渡す。その手には黒鉛のような跡が見える。お兄さん「よかったら使って」芯一「ありがとうございます!」お兄さん「どういたしまして」工場を見学し始める芯一。(回想終わり)〇もとの試験会場芯一「あ!」芯一、熱が入ってついシャーペンを落としてしまう。落下音が室内に響き渡る。と、男性社員が駆け寄って来てそのペンを拾う。芯一「すいませ―」芯一、拾ったその社員の手の跡に見覚えがある。見上げると、そこいたのは―芯一「あ……」男性社員はあのときのお兄さんだ。まるで時が止まったかのような一瞬の出来事。お兄さん「はい、これ」ペンを受け取る芯一。そのペンもあの時、お兄さんからもらったものだ。芯一「……ありがとうございます」お兄さん「どういたしまして」芯一が一礼する。ほおを緩める男性社員、再び室内を巡回していく。芯一は肩の力が抜けたように、リラックスして用紙に思いの丈を書いていく。芯一の声「落ち着いて、必ず突破しよう」<おわり>なお、上記の仕事以外でもかまいません。執筆に関することでしたら承ります♪お願いです、僕になにかお仕事をください(笑)よろしくお願いしますm(_ _)m

  • 20May
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      書籍「経営者の教科書」

      経営者の教科書成功するリーダーになるための考え方と行動著:小宮 一慶経営とは実践。つまり、結果を出すことがすべて。口だけならば誰にでもできる。「学んだことを実践しなければ何の意味もない」。これは「論語」で孔子が弟子・子路からの質問に対して言ったことだ。「経営」とは何か?「経営者」とは何なのか?それを知るべく読んだのがこの本だ。経営者としての心得はもちろん、いろんな大企業(ソニー・松下電器)の経営手腕、企業の方向付け、マーケティングの仕組みなどが事細かに書かれている。だが今回、僕が注目したのは「成功と努力」について。成功とは「正しい努力を知って、それをどれだけコツコツと続けられるか」。本の序盤にそう書かれている。この「正しい努力」というのが大事なのだ。以前「ざんねんな努力」という本を読んで、何事も自分の力だけでやろうとするとなぜか失敗することを知った。それは自分が幼い頃から実感してきたことで、ずっと疑問に思っていたからだ。得意なことならたとえ失敗しても改善しようと意識が働くので問題ないが、不得意なことはどんどん苦手意識を持つようになって経験するのも考えるのもイヤになっていく。失敗体験から、苦手なものに関わろうとすると条件反射でなぜか拒否反応を示す。これは人間の脳に固定観念として刻み込まれていくメンタルブロックというものらしい。これまでたとえ苦手なことでも自分さえ努力すれば何とかできると思ってきた。だが、この本で努力には「正しいもの」と「間違ったもの」があることを教えられた。正しい努力とは、良い結果や物事の本質・事実を知っている人や物に触れて、素直にその通り動きながら自分の頭で仕組みを考えながら学んでいくことだと思う。自分ではどうしても太刀打ちできないことなら、わかる・できる人や物にアドバイスをもらう。それだけで凝り固まった思い込みから抜け出し、新たなステップへと向かうことができる。自分の力だけでなんとかしようとするから行き詰まり、成功が遠のく。この本を読んだのち、会社についてもう一度考えてみた。たしかに経営者はひとりだけで会社を運営してるわけではない。それぞれ部門ごとに得意分野を持つ部下たちがいて成り立っているのだ。もしこれらをぜんぶ社長ひとりだけでやろうとしたら疲労は溜まるし、時間はないし、顧客に迷惑はかけるし、成功はどんどん遠のく。誰もが全知全能ではなく、不完全だからこそ良い。身近なものでも同じようなことを発見した。名著を生む作家の本の巻末には数多くの参考文献が載っている。名曲を作る大物アーティストのCDの歌詞カードにはサポートミュージシャンたちの名前がたくさん載っている。テレビドラマや映画のエンドクレジットにもたくさんの役者と制作スタッフが載っている。経営者とはあくまで先頭に立ってはいるものの、本当はいちばんたくさんの人に頼っている存在なんだと気づいた。最後になるが、本文中に「ビジョナリー・カンパニー」、「論語と算盤」など名著な参考文献もたくさん紹介されているので一読してみることをおすすめする。

  • 02May
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      テレビドラマ「振り返れば奴がいる」テレ玉再放送

      まずは一言。テレ玉の再放送ドラマのチョイスのセンスがすごい。必殺シリーズ、太陽にほえろ、あぶない刑事、新・座頭市、世にも奇妙な物語、教師びんびん物語、29歳のクリスマス、ドラマ好きの僕には垂涎なラインナップだ!そして今回の「振り返れば奴がいる」もそう。小学校低学年の時にリアルタイムで観たのを断片的に覚えている。当時はまだ世間を何も知らない子どもだったからか、石黒賢さんが演じる石川先生のほうに味方して観ていた。しかし三十路を越えた今、見返してみると織田裕二さんが演じる司馬先生のほうの言い分にも確かな筋が通っていてとても説得力がある。信頼している先輩医師・石川の病名がわかり、ショックで落ちこんでいる女性研修医・峰(演じるのは松下由樹さん)に優しい声をかけず、医療現場で働く人間としてやってくる患者を診るようにと叱咤する司馬。表では悪い医師を演じてはいるが、実は人間味のある一面をさりげなく見せる。何もかも正義だけが正解ではない。時には残酷な選択が正しいときもある。今回たまたま観たのが第7話。医者の不養生ということわざをテーマに、若き正義の医師・石川先生がスキルス性の胃がんに侵されていることが判明する。これを機に石川先生の顔色がどんどん悪く変化していく。それはまるで白がどんどん黒に変わっていくようなもの。司馬先生を追い出すために躍起になって、どんどん性格が変わっていく。最終回にむけて、メインふたりのポジションの変化がまたおもしろい。最後にこの話のあるシーンで、末期がんの患者が病室で楽器を演奏している。しかし、看護師や患者たちは何度も聴かされてうんざりしている様子。そこへ司馬の腰巾着をしている医師が病室にやってきて、「演奏をやめろ。これは司馬先生の命令だ」と口にする。しかしそれは司馬本人が言ったのではない。(近いニュアンスを腰巾着に伝えてはいるが、一言一句は同じではない)伝言ゲームで内容を他人へ伝わるごとに中身が変わっていく恐ろしさ。これはホントにゾッとした。

  • 26Apr
    • 手段と目的の履き違え ~〇〇になりたいという落とし穴~

      「手段と目的を履き違えてはいけない」と、ある人生の先輩が仰った。きっと誰もが子供のころ、「大きくなったら〇〇になりたい」という夢を口にしたはず。大人になったらどれだけの人がその夢を叶えたのか、〇〇の中にどんな実現不可能なものが入ってたのか、僕の子どものころの夢がいったい何か、などはさておいて、、、この「なりたい」というフレーズが非常に厄介だ。これは"目的"になる。つまり「なる」という夢だけを叶えてしまう。もし目的を達成した瞬間、そのヒトはどうなるか?きっとそこから先を何も考えなくなる。なるまでのことはたくさん考えられていたのに、いざなってみたら何も思いつかなくなる怖いケースだ。なので「もしなったら、そこから何をどうしていきたいのか」を考える必要がある。そうすればなるための手段も、なってからの手段もいろいろイメージが浮かぶはずだ。役職や肩書はあくまでも手段なのだ。そのポジションになったら、いったい何をしていきたいのかを目的にすればまずそのヒトが落ちぶれることはない。ちなみに自分の場合は「脚本家として、いろんなジャンルの人たちと一緒に素敵なシナリオや斬新なプロモーションを作り上げて、読む人たちへ楽しく届けていきたい」と思っている。人の夢が決して儚いものにならないように、注意しながらこの夢を実現させていく。

  • 24Apr
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      書籍「好き」を「お金」に変える心理学

      「好き」を「お金」に変える心理学 メンタリストDaiGo (著) この本を手にしたのは幼い頃から抱いていたある疑問だった。それは、周りの人はなぜ「お金」のことについて明るいイメージを持っていないのか?むしろ「お金」の話をすると、なぜかこぞって顔をしかめる。かく言う自分も"お金を稼ぐ"というフレーズを聞くと、あまり良い気持ちにならなかった。こう思ってしまう理由はいったい何なのか?そもそも学校では「お金」についての授業はなかった。なんのために使って、なんのために貯めて、どういうふうに運用するのか。社会人になってもよくわからない。だって、これまで教わってこなかったから。だけどそれで済まされるのは未成年の間だけ。仕事、恋愛、お金……この世に疑問はたくさんある。大人になったらそれらを直視し、自分で勉強していかなければならなくなる。自律し、自立していくことが求められる。そんななか、この本に出会った。そして書かれていたことに衝撃を受けた。「お金」は、自分の好きなことをして自分を磨くために正しく使うこと。お金を好きなことに使い、それを仕事に結びつけながら、さらにその仕事のスキルに磨きをかけていくためお金を使っていく。とても斬新だった。なぜなら、今まで「お金」との付き合い方を意識してこなかったから。これは仕事も恋も、同じなのだろう。どちらも学ぼうとする意識がないと先へは進めない。背を向けていてはいつまでも解決できない。ゆえに何度もトライ&エラーしていく必要がある。早く動くほうが失敗こそするが、そこから得るものも多くなる。実は以前、ブログに書いた「影響力の武器」の紹介がこの本に載っている。なんと「影響力の武器」を読み終えて、次に読んだのがこの本だったのだ。僕にとって読書は、今日まで自分が常識だと思ってきたことがホントかどうかを見極めるための確認作業だと思っている。周りの生活環境によって植え付けられてきたものや、実体験から勝手な解釈をして自分の心に誤って信じ込ませてきたものを改めていくためだ。本には著者の思いが込められている。だが決してそれらをすべて信じて飲み込むわけではなく、自分には無い新たな視点に立つために一度実践をしている。そして「他にもこういう視点や意見があるのか!」と理解し、心に余裕ができるのだ。実質、この本のおかげでするようになったことがある。・専門分野の本を読むようになった普通に生活しているだけでは決して学ぶ機会がない知識を手に入れようと、大型書店でいろんな専門書を買って読むようになった。おかげで、これまで知ろうと意識してこなかったことがどれだけ怖いのかを知った。・誘惑に屈しないようになった遠い将来の実現よりも近くの誘惑に人は屈しやすいという深層心理があることを知った。・目的を持って貯金するようになった何か目的を設定して、その額を満たすために貯金しようと思ったら仕事への意識が変わった。・自分ひとりだけで頑張らなくなった役者さんにモノローグの仕事をお願いしたり、スタジオに収録をお願いしたり、新作シナリオの予告編動画を業者に依頼したりと、その仕事のプロにお金を使うようになった。これらの作業をもし周りに頼らず全部自分でやっていたらと思うとゾッとする。・お金を払った分、リターンを意識するようになったおもにシナリオのプロモーションに対して行っている。投資をしたらそれ以上の知識や経験を得て、必ず結果を出すためだ。現に公式サイトのリニューアル、動画制作、プレスリリースへの投資によって集客率は格段に上がった。実はこれ、本の購入にも言える。不思議なのだが、自分で読みたいと思ってお金を払った本は最後まで読もうと意識が向く。しかしなぜか人から勧められたり、タダでもらったものはあまり読もうと思わない。それもこの心理が働いているからなのだろう。さらに答え合わせのように、知らぬ間に自分のしていたことが間違ってなかったこともあった。・フロー状態(没頭状態)に入っていたこと書いている間はあっという間に時間が過ぎている。これまで執筆やプロモーションは自分から企画提案してスケジュールを組んで動いているので、まったく苦とは思わなかった。・無意味なものにお金を使わなかったこと昔から自分にとって無意味なものへの浪費はしなかった。お金を使っても自分の人生に意味をもたらさない、ためにならないものは除外してきた。もちろん、自分の人生の足を引っ張ると思われる者へ対しても。本はいろんなことを教えてくれる。それは決して受け身ではなく、自分から探す者へ対して与えられるご褒美だ。何より本書からの最大の収穫は「誰かのためにお金を使い、与える」ということだろう。自分の仕事が誰かの役に立つこと。僕であれば、誰かのために文章を書くこと。その文章を読んで楽しんでもらうこと。人生の意味を与えられるようになること。自分にできることをホームページや作品を通じて、発信しているのも実はこの本から学んだことなのだから。

  • 18Apr
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      CDアルバム「具島直子 Magic Wave」

      具島直子さんの曲を初めて知ったのは土曜深夜の「チューボーですよ」でのこと。スポンサー紹介の部分とエンディングで流れていた「Candy」だった。山下達郎さんの「あまく危険な香り」やカーティス・メイフィールドの「Tripping out」のようなイントロのメロディラインが当時小学生だった僕の心をつかんだ。最近になってふとあの曲を聴いてみたいと思い、Amazonで買ったのがこのアルバム。本作はベストアルバムで、1st「miss.G」から4th「Mystic Spice」までのアルバムから厳選された16曲から構成されている。1. Candy2. Tell me oh mama3. no.no.no4. モノクローム5. Love song6. so high so high7. まどろみ8. Melody9. 9月の海10. mellow medicine11. 生活12. Sunday13. 台風の夜14. 12月の街15. 196916. I Love You聴けば聴くほど癖になるメロディラインで、どこか音楽の方向が古内東子さんに似ていることもあり、僕の好きなミュージックエリアをこれでもかと突いてくる。とくにおすすめなのが、「12月の街」。今書いている新作を思いつくきっかけとなった数曲のうちのひとつだ。なんと去年、鹿児島のローカルコマーシャルに使われたという。99年のリリースから約20年ぶりのこと。これぞ色褪せない名曲という何よりの証しだ。泣ける。とにかく泣けるのだ。幸せそうな人たちを見送る主人公の気持ちを考えると、もう涙腺が緩んでしまう。上質な音楽を味わいたい人に聴いてほしい1枚だ。

  • 16Apr
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      新作シナリオ電子書籍 無料試し読みキャンペーン中

      新作オリジナルシナリオ電子書籍「メンズメイクのミガキさん」4月20日(土曜)の16時59分まで、Amazonで第1巻が無料ダウンロードできます!残り4日ですので、お早めにどうぞ♪⇒Amazon 無料ダウンロードページ・シナリオ(脚本)を読んでみたい!・どんなストーリーか気になる~・そもそもスダって誰?気になるあなた、ぜひ読んでみてください!予告編動画第1巻表紙おかげさまでたくさんの人たちに読んで頂き、とてもうれしいです(*^_^*)第2巻のリリースもお楽しみに☆

  • 15Apr
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      テレビドラマ「傷だらけの天使」再放送

      主人公・木暮修役の萩原健一さん逝去に伴い、第1話と最終話の再放送が先週の月曜深夜に日テレで行われた。やたら規制の多い現代なのに、オリジナルのまま放送してくれたことが実にありがたい。時代は変わるし、人の生き方も言葉遣いも変わる。だけど確かにその時代に存在していたものがある。先人たちの築いてきた歴史を振り返って学ぶものだと僕は思っているので、こういう貴重な機会は逃せない。放送されていたのは1974年。今から何と45年も前だ。オープニングは井上堯之バンドが奏でる軽快なテーマ曲「傷だらけの天使」に乗せて、修がペントハウスで食事をするというもの。シナリオ学校時代の恩師や当時リアルタイムで観ていた知り合いがマネをして、コンビーフを買って食べたというほど影響力が強かった。そしていよいよ胸躍らせて観始めた第1話。脚本は柴英三郎さん。疾走感にあふれていて実にエネルギッシュだ。主人公が依頼されて悪事を働き、バイクはぐわんぐわん走り、ケンカがあり、激しいお色気シーンがあり、ド派手なドンパチがあり、車が8の字にグルグル回る。今の時代では考えられないほど攻めの姿勢。これがアウトロー路線の刺激か。そしてシナリオの構成がすごい。たとえば冒頭のシーン。(※BGM「天使の享楽」が心地いい)代々木のペントハウスにて。修が年下の相棒・乾亨(演じるのは水谷豊さん)におもちゃの銃で撃たれて死んだフリをする。(※なお、音は本物の銃声を使用)その後、亨が階段上で芝居を始める。修はラグビーボールを転がして、階段を下りてきた亨を転ばせる。ふたりの師弟関係を一瞬でわからせるものだ。その後、修が依頼を受けて宝石強盗を働いた後に渋谷駅付近を逃走するシーン。その手にはラグビーボールが!(※背景に今は無き、東急東横線の駅舎が!)何とそのラグビーボールには切り込みがあり、それが宝石を隠すためのものになっているのだ。そして亨がいる階段下のバス停へ投げる。キャッチした亨がバスに乗り込み、追っ手を撒く。ラグビーボールが伏線および小道具として見事に使われている。さらにクライマックスシーン。敵のボスが修と亨を銃で狙う。銃声の後、撃たれた(フリの)修が痛そうに地面をのたうち回る。と、相手がスキを見せた瞬間に銃を持つ手を蹴り上げて形成を逆転させる。冒頭では「しまらねえな、アニキ」とバカにしていた亨が、このクライマックスシーンでは修の芝居の上手さに騙されるという逆転の構図もおもしろい(笑)実に鳥肌が立った。「傷だらけの天使」との出会いは10年前。脚本スクールに通い始めた頃、事務所横の本棚にこの作品のシナリオ本があった。恩師から本作のおもしろさについて聞いていた僕はすぐに上下巻を購入。まだシナリオを勉強しはじめて間もなかった当時の僕は読むことで精いっぱいだった。著者はあの市川森一先生。今回再放送された最終話「祭りのあとにさすらいの日々を」を担当。冒頭から崩壊を案じさせるハチャメチャなシーンをダイナミックに描くパワフルさ。メインキャラたちのこれまで行ってきたことへの因果応報と言うべき、皮肉で救いのないラストへ向かって行くスピード感。伏線の張り方、キャラの動き、シーンの構成、どれも刺激的なものばかりだ。とくに岸田今日子さん演じる綾部貴子のBGMなんてピッタリすぎて(^_^;)決してまとまらず、むしろはみ出すことがどれくらい凄いかを分析して理解できる幸せ。そう考えると、10年というシナリオに費やしてきた月日は決してムダではないと誇れるのだ。改めて大人の世界ってすごいなあと思い、奥深さに酔いしれた。余談だが、相棒season1の第10話「最後の灯り」冒頭のシーン。海岸沿い(「傷だらけの天使」最終話で、修が病死した亨の遺体が入ったドラム缶を置いた夢の島へのオマージュ)で右京さんに「傷だらけですねえ」と言わせた櫻井武晴さんの脚本は実にニクい(笑)

  • 14Apr
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      書籍「ざんねんな努力」

      ざんねんな努力 川下和彦 (著), たむらようこ (著) 努力には程度がある。適度で最低限な努力ならば問題はない。だが、それが行き過ぎると大変なことになる。この本は僕にそう教えてくれた。思えば僕はこれまで頑張りすぎてきた。幼い頃から人の目を気にする性格ゆえに何とかしなければ!と思って生きてきた。しかし、頑張ってもどうしても手に入らないものがたくさんある。周りはいつも自分が欲しいものを簡単に手に入れるので羨ましかった。俗に言う、隣の芝生は何とやらだ。大人になってもそれは変わらなかった。その謎がどうしても解けない。苦しい。悔しい。それでも何とかしなければ!そう思って一念発起、仕事も恋も上手くいかせようとがむしゃらに努力した。一度きりの人生、明日は何が起こるかわからない。だからこそ成功できるようにと猛スピードで駆け抜けた。・うまくいく仕事のやり方は?・女性から好かれる男のあり方は?今の自分にはまだわからないこと。わからないから知りたくなる。知りたいから自分のものにしたくなる。でも、頑張れば頑張るほど上手く行かない。ぜんぜん思った通りの結果にならない。気持ちだけがどんどん焦っていく。……なぜだ?周りのせいになどしていないのに。自分の努力不足のせいだろう。甘えた自分を変えようとさらに必死になる。だけど心から満足できない。そんなある日、とうとうパンクしてしまった(笑)まるで燃え尽き症候群のよう。ピンと張った緊張の糸がプッツリ切れてしまった。感情が頭の中で四方八方大渋滞を起こしてまったく集中できない。どうしよう。これはさすがにまずい。そんなピンチの中、この本に出会った。amazonのレビューに好評な意見が多かったので、果たしてどんなことが書かれているのか?と思ったときはすでに足が書店へと向いていた。まるで絵本のようなストーリーで、文章も読みやすい。何より書き方がおもしろい。スミスじゃなくてスミ子とか、陽水っぽい歌とか、小ネタを知ってる自分からするといちいちクスクス笑ってしまう。あぁ、こういう文章の書き方があるんだなぁと勉強になった。約250ページもあるのに、1日で読めてしまうほどのスラスラぶり。本の構成は、ざんねんな努力をしてざんねんな私生活を送る元大学時代のゼミ仲間たちが恩師からとある王国の話を教えられるというもの。ガンバール国に住むミサキは周囲にいる頑張る人たちとの生活に嫌気が差し、ガンバラン王国へと旅に出る。ミサキはガンバラン王国の奇妙な住人たちと出会い、彼らの不思議な生き様に驚きその理由を知っていくことになる。・同じ服ばかり着てる人・ゲームばかりしてる人・美人とすれ違うと腕立て伏せをする男・歯の白いヨットマン・いきなり寝る男そして物語は終わり、ラストにそれぞれのキャラが言いたかったことを恩師がゼミ生たちに解説していくという流れとなる。読み終えて僕はハッと気づいた。これまですべて自分の力だけで何事もやろうとしていたんだ、と。自分が不得意なことは、得意な人に任せていい。不得意な人が不得意なことで努力しても結局人並みにしかなれない。そう知った時、ふっと肩の荷が下りた。人生も仕事も恋もぜんぶ自分で何とかしていなきゃと思っていた。でも頑張ろうとムリに自分を動かしている時点でもう間違っていた。頑張るということは無理をすること。それはもう自然体な自分ではない。別の誰かを演じている自分だ。他人はそういうところを瞬時に見抜く。そして遠ざかっていく……思えば遠慮しすぎていたのも、本来の僕の状態ではなかった。評価されたい・好かれたいとムリをしていた自分が取っていた行動だった。だからこそこれからは自然な自分でいたい。そしてもうひとつ知って驚いたのは、意志には限界があること。気持ちでどうにかしようとしても、いきなり難しいことに取り組めばその分労力を消費する。だから難しい最終目標を小さく割り振っていき、まずは簡単なことからコツコツ取り組んでどんどん大きくしていく。そう、塵も積もれば山となる方式だ。物書きで例えれば文章を毎日書くように、習慣化することが大事。習慣化すれば人はそれを苦と思わずにスムーズにこなせる。まるで補助輪を外した自転車に乗るように。これは何度も読んで頭に叩き込みたいと思った一冊だ。

  • 11Apr
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      書籍「科捜研の女 コンプリートBOOK」

      第7シリーズのDVD、2枚のサントラ、コミックと来て次は公式ブック!まさかこんなにシリーズが続くとは思わなかった!来週から、木曜ミステリー「科捜研の女」がこの春から1年間放送だ。通年放送は「暴れん坊将軍」以来らしく、徳田新之助こと上様もさぞかし喜んでいるだろう。今回で第19シリーズ。あの「はぐれ刑事純情派」の18シリーズを抜いたことになる。大好きな「京都迷宮案内」「おみやさん」「京都地検の女」が大事なポジションにいた役者さんの訃報によって継続できないという深い悲しみの中、この作品だけが続いている。「科捜研の女」を初めてリアルタイムで見たのが2002年の第4シリーズ。その前宣伝として再放送で第3シリーズを見ていたのが懐かしい。僕がシナリオライターになるきっかけとなったドラマ「相棒」を観るよりも少し前のことだ。本作を観始めたきっかけは主題歌をaikoさんが歌っていたから。ちょうどオールナイトニッポン水曜日(通称:ぬるコム)のパーソナリティを務めていたaikoさんがこのドラマのことを話していたのだ。それで観始めたのだが、その第4シリーズは木場刑事(小林稔侍さん)が殉職するというまさかの展開。観始めて間もなくメインキャラが死ぬのか!とショックを隠せなかった。※その後、第13シリーズ第7話で殉職者たちの石碑にさりげなく木場さんの名が載っていて、制作スタッフ陣は初期のファンを大事にしているんだなと心から思った。翌2003年に「京都地検の女」が始まって、もう「科捜研の女」は完結したと思っていた。が、まさかその翌年「新・科捜研の女」として復活を遂げるとは!しかも武藤要だった内藤剛志さんが土門刑事に変身するとは!ちゃっかり木場刑事が前後編のゲストで復活するとは!そのうち新が取れて、もとのタイトルに戻ってるとは!今回コンプリートBOOKの中に制作陣の手探りと苦悩が色濃く書かれていて、生みの苦しみとクオリティを上げるための壮絶な苦労を垣間見た。脚本家は安定と安心の戸田山雅司さんと櫻井武晴さんをはじめとしたプロメンバー。各話のエンドクレジット画面で脚本家が誰かを当てるのは物書きだけがする楽しみ☆初期は故・砂本量さんも担当されていて、「相棒」の脚本家が勢ぞろい。そういえば「オヤジ探偵」も木曜ミステリーだった。ところで第18シリーズスタート直前スペシャルに小堺一機さんがゲスト出演されていた。沢口さんと小堺さんはTBSドラマ「痛快!OL通り」で共演していた。小堺さんといえば関根勤さんとのユニット・コサキンで有名だ。ラジオ番組「コサキンDEワァオ!」には大変お世話になった。思春期にこの番組と出会えたおかげで、今の自分の9割が形成されたと誇れるほど(笑)実は沢口靖子さんはコサキンの番組にゲスト出演した際、ふたりのやり取りについていけず、近くにあった雑誌・ぴあを読み始めたという逸話がある。そう、このコンプリートBOOKの出版社はその「ぴあ」なのだ!何の因果か知らないが、偶然にしては出来すぎている気が(-_-;)木曜ミステリーの記念すべき第1作目「京都迷宮案内」を観始めたのも、コサキンのリスナーが主演・橋爪功さんのネタを言ったことからだったし、ラジオのチカラってホントにスゴイ。話がズレてしまったが、これからも「科捜研の女」を観続ける。どこまでシリーズを継続していくのか、楽しみだ。

  • 10Apr
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      オリジナルシナリオ電子書籍「メンズメイクのミガキさん」発売

      この度、新作オリジナルシナリオ電子書籍「メンズメイクのミガキさん」がamazonからリリースする運びとなりました!予告編動画制作協力:フラッグシップオーケストラ様https://www.fragor.co.jp/これはある男の、仕事と恋と人生にまつわる物語である。三垣 明久 (みがき あきひさ) 34歳。彼は広告会社の営業部にいるサラリーマン。業績が良く、一見清潔感に溢れて身だしなみはバッチリとしている。だが彼は美とは無縁な顔をしている。……そう、すっぴんのときだけは。彼の持っている秘密それは……メイク。つまりビジネス向けに男性がするメンズメイクだ。実は三垣は素顔にあるコンプレックスを抱えていた。もちろん、彼は会社の人間にその秘密を誰一人話していない。そんな彼をフォローするのは化粧部員の家辺 波瑠(いえべ はる)とネイリストの天川 夏芽(あまかわ なつめ)の女性ふたり。波瑠は三垣の顔にビジネスメイクを施し、夏芽は三垣の爪を磨き、陰ながら彼のビジネスの成功を手助けしていたのだ。しかし、そんな彼に対する嫉妬や疑心から周りの者たちがメイクという秘密を探り始める。メイクで得た強い自分を失いたくない三垣はどう立ち向かっていくのか?そして化粧部員・波瑠やネイリスト・夏芽との恋の行方とその結末は?企業の戦士・三垣がメイクを武器に、平成から令和へと駆け抜けていく。はじまりの第1巻はamazonから 4月10日にリリース!タイトル:「メンズメイクのミガキさん」リリース巻数:全5巻予定価格:各500円※4月15日から19日の5日間は第1巻の無料キャンペーンを実施!脚本家 須田剛史 公式サイト|物書き・スダのシナリオhttps://monokaki-ts.com/amazon 書籍販売ページhttps://www.amazon.co.jp/dp/B07QK2TW3G/ref=sr_1_fkmrnull_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%81%AE%E3%83%9F%E3%82%AC%E3%82%AD%E3%81%95%E3%82%93&qid=1554876477&s=gateway&sr=8-1-fkmrnull「メンズメイクのミガキさん」作品紹介特設ページhttps://monokaki-ts.com/%e3%82%aa%e3%83%aa%e3%82%b8%e3%83%8a%e3%83%ab%e3%82%b7%e3%83%8a%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%80%8e%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%82%ba%e3%83%a1%e3%82%a4%e3%82%af%e3%81%ae%e3%83%9f%e3%82%ac%e3%82%ad%e3%81%95%e3%82%93/amazon 著者セントラルページhttps://www.amazon.co.jp/l/B07L9392VL?_encoding=UTF8&redirectedFromKindleDbs=true&rfkd=1&shoppingPortalEnabled=true

  • 08Apr
    • CDアルバム「古内東子 After The Rain」の画像

      CDアルバム「古内東子 After The Rain」

      僕は古内東子さんの曲が大好きだ。ライブがあればルンルン気分で会場へ足を運ぶ。最新アルバムが出れば必ず買う。(ただ限定シングル「特別な街」は入手できなかった(´;ω;`))彼女を知ったのは小学生のとき。土曜の深夜に夜更かしして、CDTVのエンディングテーマで「宝物」のPVを観たのだ。変わった名前の女性アーティストだなぁとは思っていて、強く印象に残っていた。やがて大学生のとき、ラジオドラマ「あ、安部礼司season2」の挿入歌で「誰より好きなのに」が流れたときにツボってしまいこれまでのアルバムを順々にレンタルしていって本格的なファンとして目覚めた。そしてどんどんその世界観にどっぷりと浸かって行った。なぜかというと、まず男性目線の曲があること。そのどれもに共感してしまう。・逢いたいから・「そばにいて」・僕の宇宙・10%・笑顔恋愛ポジションとしてはいつも損してばかりで(どうでも)いい人の僕は「逢いたいから」を当時聴いたときに不覚にも涙が出た。この人はなぜ男性の気持ちがこれほどまでわかるのか?!その時にはもうすでに曲たちの魅力に取り付かれていた。なお「逢いたいから」は1993年のMBS(毎日放送)深夜ドラマ「デザートはあなた」の挿入歌として使われ、古内さんも第10話にレストランのピアニストとしてカメオ出演している。ちなみに、このとき劇中で演奏していたのは「友達」。(※2ndアルバム「Distance」収録曲)ドラマ本編は主人公の大西俊介が毎週気になるヒロインのために自慢の料理の腕を振るって口説くも、最後は一線を越えられずに友達で終わるという内容だったので、「友達」という皮肉を込めた選曲にしたのかといつも勘ぐってしまう。上記の5曲の登場人物の立場は皆違えど、どうやら男は女から相手にされない損な役回りのほうが名曲になるようだ。(※ただし「僕の宇宙」を除く)実は最近、曲に惹かれたもうひとつの理由を知った。それは"女性目線の曲に登場する男性になりたい"という己の心の奥深くにあるとてつもない願望があることに気づいたのだ。彼女の歌う女性目線の曲に出て来る男性はみんな魅力的だ。彼らはみんな"女性から追いかけられて、想われている"。そう!すべてが僕とは正反対の男性像なのだ(笑)僕はどうしても気になる女性に緊張するため遠慮してしまい、その立ち振る舞いに物足りなさを感じた相手の女性がどんどん離れていってしまうパターンに陥る。ゆえにこれまで数多くの苦い経験をしてきた。まるで刺激の抜けた炭酸飲料のよう(^_^;)男という生き物は清涼飲料水だけではダメなんだと気づく。上記の5曲に共感したのも自分が曲の主人公の男そのものだったから。・本音を言いたいのに相手のことを想って言えない・相手の性格を必死に分析し、関係を悪化させないように先を読んで立ち振る舞うまさにいい人の典型例だ。逆を言えば、女性から追いかけられて、愛しいと想われる男性はどういう人物なのかを分析していけば成長できるわけだ。話がかなりズレてしまったが、最新アルバムのことをここから。オリジナルアルバムとしては前作「夢の続き」から約6年半ぶりのリリース。待ちに待った最新作で、すべての曲が聴けば聴くほどハマっていく。1. Enough is Enough2. After the Rain3. Bye-bye Bluebird4. Away from You5. Lost in the Wind6. Answer in the Seashell7. Shade and Shadow8. Empty Room9. Just Because I Know10. Sunday Monologue11. KIRIKO -bonus track-「Bye-bye Bluebird」「Lost in the Wind」「Shade and Shadow」この3曲がとくに素晴らしい。理由は"別れ"と"逢えない"がテーマ。まさに物書きの自分には持ってこいの題材である。「Bye-bye Bluebird」明るいAメロからどんどん悲しいサビへと進行していくメロディラインでもう泣けそうになってくる。そして間奏のギターソロから最後のサビでノックアウト、涙腺のダムはもう崩壊していた。「Lost in the Wind」アルバム・IN LOVE AGAINの「カサノバ」を彷彿とさせる妖艶テイストで、疾走感にあふれていて心地がいい。どちらの曲にも共通するのは"女性を虜にする魔性の男が出て来る"こと。「Shade and Shadow」実際、歌詞に出て来る女性の気持ちになろうと東京駅の丸の内口まで行って信号待ちしてみた。歌詞と体験の唯一の違いは吸い込んだのが秋の匂いではなく、冬の匂いだったこと。ちなみに僕は「心を全部くれるまで」が一番好きだ。(※5thアルバム「Hourglass」収録曲)とくにサビの部分のサブコーラスラインの心地よさ、さらに2番のサビの「隠している寂しさ」の「寂しさ」の入りをあえてワンテンポ遅らせて歌うテクニックが痺れる。他に「月明かり」、「somewhere in TOKYO」、「何も言わずにさよならを」も非常に捨てがたい。やっぱり"別れ"や"逢えない"テーマの歌が好きなんだな、オレは。After The Rainが指し示すように、人生の雨上がりには良いことがありますように。