品川区の税理士のブログ

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品川区の税理士です。
https://www.warakaikei.com

最近、「2027年4月から食料品の消費税が8%から1%になる」というニュースが大きく報じられています。

確かに、これは大きな変更です。

政府は2027年4月1日から2年間、現在軽減税率8%の対象となっている飲食料品について、税率を1%にする基本方針を決めています。

ただ、経営者や経理担当者の方には、その前に覚えておいていただきたい日があります。

2026年10月1日です。

この日から、インボイス未登録事業者から仕入れた場合の経過措置が変わります。

現在は、消費税相当額の80%を仕入税額控除できますが、10月1日からは70%になります。

たとえば、インボイス未登録の外注先へ税込11万円を支払ったケースを単純化して考えると、消費税相当額1万円について、

9月までは8,000円相当、
10月からは7,000円相当

の控除となります。

同じ金額を支払っても、会社側の負担が少し増えるわけです。

ただし、ここで「すべての会社が10月から大変になる」と考える必要もありません。

簡易課税を使っている会社は、実際の仕入税額を積み上げて納税額を計算するわけではありません。

2割特例を使っている事業者についても同様です。

また、一定規模以下の事業者には税込1万円未満の課税仕入れについて「少額特例」もあります。

ですから、会社によって対応が違います。

もう一つ大切なのが「2割特例」です。

「2割特例は9月30日で終了」と聞くと、10月1日から全法人が使えなくなるように感じますが、そうではありません。

たとえば3月決算法人なら、2026年4月1日から2027年3月31日の事業年度には9月30日が含まれています。

要件を満たしていれば、2027年3月期まで2割特例を利用できます。

その後は一般課税か簡易課税を検討します。

しかも今回の税制改正では、2割特例から簡易課税へ移る場合の届出期限について特例が設けられました。

3月決算法人が2027年3月期まで2割特例を使い、次の2028年3月期から簡易課税に移るのであれば、原則として2028年5月31日までに届出をすれば間に合います。

つまり、実際の数字を確認してから一般課税と簡易課税を比較できるケースがあります。

消費税1%という大きなニュースは気になります。

ただ、実務では「将来予定されている制度」と「来月から確実に変わる制度」を分けることが重要です。

まずは10月1日。

一般課税なのか、簡易課税なのか、2割特例なのか。

インボイス未登録の継続取引先がどのくらいあるのか。

一度確認してみてください。

詳しい制度内容と、会社側で確認していただきたいポイントは公式ブログにまとめました。

東京・品川区の税理士
藁総合会計事務所

 

 

「うちは固定残業代を払っているから大丈夫」
「部長だから残業代はいらない」
「この人は業務委託契約だから従業員ではない」

経営者の方との話の中で、ときどき出てくる言葉です。

ところが、この3つ、どれもそれだけでは判断できません。

働き方改革というと、「残業を減らしましょう」「有給休暇を取りましょう」という話になりがちですが、経営者の立場から見ると、もう少し広く考える必要があります。

なぜなら、労務管理を間違えると、その影響が税金や社会保険まで広がるからです。

たとえば、過去の残業代に計算漏れがあり、3年分をまとめて払うことになったとします。

国税庁の取扱いでは、本来それぞれの年に支給すべきだった残業代なら、原則として本来の各年分の給与所得として考えます。

単に「今年まとめて給与として払えば終わり」とは限らないのです。

源泉所得税や源泉徴収票なども確認する必要が出てきます。

もう一つ注意したいのが「業務委託」です。

契約書に「業務委託契約」と書いてあるからといって、それだけで業務委託になるわけではありません。

毎日決まった時間に出社し、会社から細かな仕事の指示を受け、仕事を断ることも難しく、本人以外には仕事を任せられない。

こうした働き方であれば、本当に独立した事業者なのかを確認する必要があります。

そして税務上も違いがあります。

外注費なら一定の条件のもと消費税の仕入税額控除の対象になりますが、給与は仕入税額控除の対象になりません。

つまり、

「外注費だと思っていたものが、実は給与だった」

となると、労務だけでなく、源泉所得税、社会保険、消費税まで影響する可能性があります。

固定残業代も同じです。

固定残業代は「何時間残業しても同じ給与でよい」という制度ではありません。

基本給と固定残業代を区分し、何時間分なのかを明らかにしたうえで、それを超えれば追加の残業代を支払う必要があります。

管理職についても、「部長」という肩書だけでは労働基準法上の管理監督者にはなりません。

権限、勤務時間の裁量、待遇など、実態から判断します。

私が経営者の方におすすめしたいのは、一度、

・雇用契約書
・業務委託契約書
・給与台帳
・勤怠データ
・36協定

を並べてみることです。

書類同士が合っているでしょうか。

そして何より、「書類」と「実際の働き方」が一致しているでしょうか。

労務管理は、単に法律を守るためだけのものではありません。

社員が本当は何時間働いているのかが分からなければ、その仕事に本当はいくら人件費がかかっているのかも分かりません。

働き方を正しく把握することは、会社の利益を正しく把握することでもあります。

詳しくは公式ブログで、残業代、固定残業代、管理監督者、業務委託、源泉所得税、消費税、社会保険までまとめて解説しました。

ぜひ公式ブログをご覧ください。

 

 

東京・品川区の税理士
藁総合会計事務所

2026年8月17日、日本弁護士連合会が「不法滞在者ゼロプラン~強力推進パッケージ~」に反対する会長声明を公表しました。

この声明を読んで、あらためて考えたことがあります。

日本に住みたいと希望する外国人を、私たちはどのように考えるべきなのでしょうか。

国家が国境を管理し、誰を、どの条件で入国させるかを決めること自体は必要です。

治安、雇用、住宅、医療、教育、社会保障などを考えれば、希望者を無条件に全員受け入れることは現実的ではありません。

ただし、外国人政策では、次の三つを分けて考える必要があります。

1.誰を、どの条件で入国させるのか
2.日本で生活している外国人に、どのような権利を保障するのか
3.在留資格を失った人を、どのような手続で収容・送還するのか

この三つは、同じ問題ではありません。

初めて日本への入国を希望する人については、国が就労、留学、家族、人道上の必要性などを審査します。

しかし、適法に入国し、何年も働き、税金や社会保険料を負担し、日本に家族や生活基盤を持つ人を、入国時と同じ「外部者」として扱い続けてよいのでしょうか。

さらに、在留資格がないことと、人としての権利がないことも同じではありません。

送還の対象となり得る場合でも、身体の自由、医療、家族生活、子どもの利益、迫害される国へ戻されない権利などは、別に保障されなければなりません。

先進国も、希望者全員を受け入れているわけではありません。

カナダやオーストラリアは、経済、家族、人道などの目的別に、受入人数を計画しています。アメリカの永住制度は、意外にも家族関係が中心です。EUでは、合法的に5年間暮らした外国人に、安定した長期居住資格と市民に近い権利を認める制度があります。

各国の考え方をまとめると、次のようになります。

「入国時には条件を決めて選ぶ。しかし、受け入れた後は、在留期間や家族、仕事、地域との関係に応じて、社会の構成員として扱う」

そして、収容や送還については、入管当局とは別の審判所や裁判所が判断を見直す仕組みを置いています。

日本にも、裁判、難民不認定に対する審査請求、入国者収容所等視察委員会などがあります。2024年には、収容の必要性を3か月ごとに見直す制度も始まりました。

ただ、その見直しは基本的に入管行政の内部で行われます。

日本の入管庁は、在留資格の審査だけでなく、違反調査、収容、退去強制、送還までを担います。

人を収容する機関が、収容を続けるかどうかも判断する。その外側に、迅速に判断を止められる独立機関が十分にない。

私は、ここに制度上の怖さを感じます。

税務署も、調査、更正、徴収、差押えという強い権限を持っています。

それでも税務行政には、処分理由の提示、税理士による代理、再調査の請求、国税不服審判所への審査請求があります。

国税不服審判所も行政組織の一部ですが、処分した税務署・国税局とは分けられ、双方の主張と証拠を検討します。

身体の自由を直接奪う可能性がある入管行政には、税務行政以上に強い外部チェックが必要なのではないでしょうか。

必要なのは、入管を弱くすることでも、在留希望者を全員受け入れることでもありません。

強い国境管理権限を維持するのであれば、それと同じ強さの説明責任と独立審査を設けることです。

管理された入国。
在留に伴う社会的構成員性の承認。
収容・送還に対する独立した外部審査。

この三つを分けて考えることが、感情的な排除にも、無条件の受入論にも流されないために必要だと思います。

行政手続法、マクリーン判決、国税行政との比較、カナダ・オーストラリア・アメリカ・イギリス・EUの制度について、公式ブログで詳しく整理しました。

詳しくは、藁総合会計事務所の公式ブログをご覧ください。

 

 

東京・品川区の税理士
藁総合会計事務所
代表税理士 藁 信博

【「良いものをつくれば売れる」から脱却する】

「うちの商品は、使ってもらえれば良さが分かる」

中小企業の経営者から、こうした言葉を聞くことがあります。

実際に、良い商品やサービスを提供している会社はたくさんあります。

しかし、難しいのは、使ってもらう前のお客様には、その良さがまだ分からないことです。

良いものが不足していた時代には、品質の高い商品をつくれば、比較的売れやすい環境がありました。

現在は、良いものがあふれています。

お客様には、すべての商品を比較する時間もありません。

そのため、良いものをつくるだけでなく、「選びやすい状態」にする必要があります。

中小企業が取り組めることは、大きく5つあります。

1つ目は、誰のための商品かを明確にすることです。

「幅広いニーズに対応します」では、自分に関係する商品かどうか分かりません。

どのような人の、どのような場面で役立つのかを具体的にします。

2つ目は、お客様が探す言葉で伝えることです。

会社は商品名や専門用語で説明しがちです。

しかし、お客様が検索するのは、商品名ではなく「今困っていること」かもしれません。

商品から説明するのではなく、解決できる悩みから説明します。

3つ目は、比較の基準を示すことです。

誰に向いているのか。

他の方法と何が違うのか。

料金には何が含まれているのか。

導入後のサポートはどうなっているのか。

お客様が比較するための「ものさし」を、会社側から示します。

4つ目は、信頼できる証拠を用意することです。

「高品質です」「丁寧に対応します」と自社で言うだけでは、会社側の主張にすぎません。

お客様の声、導入事例、取引実績、仕事の流れ、担当者の考え方など、購入前でも確認できる情報を積み重ねます。

5つ目は、最初の一歩を小さくすることです。

サンプル、見積り、初回相談、小ロット、短期間の試用など、お客様が負う失敗のリスクを小さくします。

必ずしも無料にする必要はありません。

大切なのは、安くすることではなく、安心して試せるようにすることです。

売上を増やそうとすると、すぐに広告を考える会社もあります。

しかし、その前に、ホームページや説明資料という「受け皿」を整える必要があります。

誰のための商品か。

何が変わるのか。

違いは何か。

なぜ信頼できるのか。

次に何をすればよいのか。

これらが分からなければ、広告で人を集めても、問い合わせにはつながりません。

変化するということは、これまでの経験や技術を捨てることではありません。

品質、信用、技術、誠実さ。

守るべきものを守るために、伝え方と選んでもらう方法を変えるのです。

品質は、経営の土台です。

選びやすさは、その品質とお客様を結ぶ橋です。

「良いものをつくれば売れる」から、

「良いものをつくり、必要な人に見つけてもらい、理解してもらい、安心して選んでもらう」へ。

これまで積み重ねてきた価値を、現在のお客様の選び方に合わせて届け直すことが必要なのだと思います。

詳しい内容は、藁総合会計事務所の公式ブログでご覧いただけます。

https://www.warakaikei.com/ja/column

【良いものがあふれる時代に、なぜ売れ筋がさらに売れるのか】

前回は、人も会社も、環境に合わせて変わり続けているという話を書きました。

今回は、お客様の「選び方」の変化について考えてみます。

かつては、良いものをつくれば売れる時代がありました。

商品が不足していたからです。

テレビがない家庭にテレビを売る。エアコンがない家庭にエアコンを売る。

必要なものをつくれば、市場は自然と広がっていきました。

しかし、現在は違います。

内閣府の2026年3月の調査では、二人以上の世帯におけるスマートフォンの普及率は93.5%、薄型テレビは94.1%、ルームエアコンは92.2%です。

多くの人は、生活に必要な基本的なものをすでに持っています。

新しい商品を買う理由は、「持っていないから」ではなくなりました。

今より便利になる。時間を節約できる。不満や不安を解消できる。

そうした「わざわざ買い替える理由」が必要です。

一方で、人は忙しくなっています。

仕事、家事、育児、介護。そのうえ、毎日大量の情報に触れています。

不足しているのは商品ではありません。

商品を比較し、理解し、判断するための時間と注意力です。

Amazonで買い物をするとき、私たちは売れ筋ランキングやレビュー、星の数を見ます。

多くの人が選んでいる商品なら、大きく失敗することはないだろうと考えるからです。

売れた商品がランキングで目立つ。

目立った商品が、さらに選ばれる。

選ばれることでレビューが増え、もっと安心して選ばれる。

「売れるから目立ち、目立つからさらに売れる」という循環です。

人は、必ずしも最高の商品を探しているわけではありません。

限られた時間の中で、後悔しない商品を選びたいのです。

だから、良い商品をつくるだけでは足りなくなりました。

誰のための商品なのか。

何が解決するのか。

ほかの商品と何が違うのか。

なぜ、この会社を信頼してよいのか。

これらを短い時間で理解できるようにする必要があります。

ただし、売れ筋の商品しか売れないわけではありません。

インターネットには、ニッチな商品と、それを本当に必要としている人を結び付ける力があります。

中小企業にも十分な機会があります。

重要なのは、必要としている人に見つけてもらい、価値を理解してもらい、安心して選んでもらうことです。

良いものがあふれる時代に求められているのは、「良いもの」から「選びやすい良いもの」への変化なのだと思います。

次回は、そのために中小企業が具体的に何をすればよいのかを考えます。

 

 

変わり続ける人、変われない会社

人は、環境や役割によって変化し続けています。

子供の頃は、世界の中心は家族です。

幼稚園に通えば友達や先生が加わり、学校では競争や評価を経験します。

社会人になれば、上司、先輩、後輩、取引先との関係が生まれます。

結婚し、子供が生まれれば、夫や妻、親という役割を担うことになります。

関わる人が変わり、期待される役割が変わるたびに、私たちの考え方や行動も変わっていきます。

人は、完成された状態で生きているのではありません。常に変化の途中にいます。

人は、生きるためにベストを尽くす

元気なときには「延命治療までは必要ない」と話していた人が、死を身近に感じたときには、少しでも長く生きるための治療を選ぶことがあります。

もちろん、すべての人が延命治療を選ぶわけではありません。

それでも、死が遠くにあるときと、目の前に迫ったときとでは、判断が変わることがあります。

人は、生きるために生きています。

生きることが本能だからです。

そして、生きるためにベストを尽くします。

会社も同じです。

資金繰りが本当に厳しくなれば、経営者は金融機関を回り、支出を削減し、新しい顧客を探します。

問題は、会社の存続が危ぶまれるところまで、変われないことです。

資金も人材も信用も残っているうちなら、多くの選択肢があります。

だからこそ、まだ余裕があるうちに変わる必要があります。

働く人は、1995年から減っています

日本の生産年齢人口は、1995年の約8,716万人をピークに減少しています。

一方で高齢者人口が増えたため、その後もしばらく総人口はおおむね横ばいでした。

さらに、女性の社会参加、定年延長、高齢者雇用などによって、働き手の減少を補ってきました。

しかし、生産年齢人口が回復したわけではありません。

人口以外にも、会社を取り巻く環境は変わっています。

・インターネット、クラウド、生成AIの普及
・顧客の商品選びの変化
・働く人の価値観の多様化
・物価や金利の変化
・企業に求められる責任の拡大

会社は、これまでと同じ前提では経営できなくなっています。

二つの成功体験

日本企業には、二つの成功体験が残っているように思います。

一つは、バブル期までの「成長の成功体験」です。

人を増やし、設備を増やし、営業量を増やせば売上が伸びました。

もう一つは、バブル崩壊後の「生き残りの成功体験」です。

借入金を減らし、現金を蓄え、投資を抑え、人を増やさず、固定費を削減してきました。

どちらも、その時代には合理的な判断でした。

問題は、環境が変わった後も同じ判断を続けていることです。

必要なのは、過去の成功を否定することではありません。

「成功した方法」と「成功した理由」を分けて考えることです。

長寿企業は、変わらなかった会社ではない

日本には、創業100年を超える企業が4万社以上あります。

世界最古の企業として知られる金剛組は、西暦578年創業とされています。

ただし、578年から同じ法人が続いているわけではありません。現在の会社の設立は2006年です。

法人や資本関係の形を変えながら、宮大工の技術と精神を引き継いできました。

長寿企業が守ってきたのは、昔の仕事のやり方ではありません。

技術、信用、理念、顧客に提供する価値を守るために、組織や技術、販売方法などを変えてきたのです。

長く続く会社とは、変わらない会社ではありません。

守るべきものを守るために、変わり続けることのできる会社なのだと思います。

今回は3回連載の第1回です。

第2回では、「良い商品があふれる時代に、なぜ売れ筋がさらに売れるのか」を考えます。

詳しい統計や参考資料を含む全文は、藁総合会計事務所の公式ブログに掲載します。

▼代表税理士の公式コラム
https://www.warakaikei.com/ja/column

「今期は忙しいから、きっと利益も出ているだろう」

そう思っていたところ、決算直前になって予想以上の納税額が分かり、慌てた経験はないでしょうか。

反対に、売上は増えているのに、試算表を確認すると利益があまり残っていないこともあります。

そこでおすすめしたいのが、8月に行う「利益の中間確認」です。

8月に特別な税務制度があるわけではありません。しかし、夏季休暇などで仕事が一度区切られ、年末までの見通しも立ち始めるため、数字を確認するにはよい時期です。

特に3月決算の会社は、8月末で5か月が経過します。9月末の半期決算を待つ前に、一度着地を予測してみる価値があります。

決算シミュレーションは節税策探しではありません

決算シミュレーションというと、

「利益を減らすために何を買えばよいか」

と考える方がいます。

しかし、本来の目的は違います。

確認するのは、主に次の内容です。

  • 年度末の売上と利益
  • 法人税や消費税の納税額
  • 納税後に残る現預金
  • 設備投資や採用に使える資金
  • 借入金返済後の資金繰り
  • 来期に残すべき利益

帳簿上で2,000万円の利益が出る予測でも、その2,000万円を自由に使えるとは限りません。

売掛金が増えていれば、利益は計上されても現金は入っていません。借入金の元本返済は現金を減らしますが、原則として費用にはなりません。

そのため、利益と現金は分けて確認する必要があります。

100万円使っても、税金が100万円減るわけではありません

決算前になると、「税金を払うくらいなら何か買おう」という話が出ることがあります。

しかし、100万円を費用として使っても、税金が100万円減るわけではありません。

仮に税負担が約30万円減ったとしても、100万円の現金は会社から出ていきます。差し引きでは、約70万円の手元資金が減ります。

必要な設備、修繕、採用、教育などに使うのであれば、将来に向けた投資になります。

一方、必要のないものを節税目的だけで買うのは、単に会社のお金を減らすことになりかねません。

利益が予想より少ない場合も早めの確認が大切です

利益が計画を下回っていたら、単純に経費を削減する前に、原因を分解します。

  • 売上数量が減ったのか
  • 客単価が下がったのか
  • 仕入価格が上がったのか
  • 外注費が増えたのか
  • 採算の低い仕事が増えたのか
  • 固定費が増えすぎていないか

売上をつくるために必要な広告費や人材育成費まで削ってしまうと、来期の収益力を弱める可能性があります。

大切なのは、「必要な投資」と「成果につながっていない支出」を分けることです。

よい決算は、決算前につくるものです

決算書は、税務署に申告するだけのものではありません。

金融機関に会社の信用力を示し、経営者が今後の方針を考えるための資料でもあります。

利益を残せば税金は発生します。しかし、利益の蓄積は自己資本を増やし、会社の財務基盤を強くします。

8月の利益確認は、税金を減らすためだけではなく、残りの期間をどう経営するかを決めるために行うものです。

詳しいチェック項目や、利益が上振れ・下振れした場合の対応は、藁総合会計事務所の公式ブログで解説しています。

詳しくは公式ブログをご覧ください。

 

 

東京・品川区の税理士
藁総合会計事務所

2026年7月28日、熊本県で最大震度7を観測する大きな地震が発生しました。

テレビや新聞で被災地の様子を見て、

「何かできることはないだろうか」

と思っている方も多いのではないでしょうか。

今回の地震では、東日本大震災を経験した宮城県からブルーシートや簡易トイレが届けられ、職員や給水車も派遣されています。

能登半島地震で被害を受けた地域でも、熊本を支援するための募金活動などが始まりました。

台湾からも政府、企業、市民による支援が表明されています。

災害を経験した地域が、今度は別の被災地を支える。

こうした支援の輪には、金額だけでは表せない意味があると思います。

今すぐできるのは公式窓口への寄附

被災地を支援する方法には、いくつかあります。

  • 被災した方に配分される「義援金」
  • 現地で活動する団体を支える「支援金」
  • 自治体の復旧・復興を支える「寄附金・ふるさと納税」
  • 支援物資
  • 災害ボランティア

今すぐ参加しやすく、現地の負担も少ないのは、熊本県や日本赤十字社などの公式窓口を通じた寄附です。

「義援金」は、義援金配分委員会を通じて被災した方へ届けられます。

一方、「支援金」は、NPOやNGOなどが行う食料提供、避難所支援、家屋の片付けなどに使われます。

どちらも大切な支援ですが、お金の届け先と使われ方が違います。

物資は、確認せずに送らない

「食料や衣類を送りたい」と考える方もいるでしょう。

しかし、募集されていない物資が大量に届くと、受取場所、保管場所、仕分け作業が必要になり、現地の負担になることがあります。

支援物資は、自治体や支援団体が正式に募集している品目だけを、指定された方法で送りましょう。

ボランティアは募集状況を確認してから

熊本県内では、市町村ごとに災害ボランティアセンターの開設や募集が進められています。

ただし、募集開始日や対象地域、事前登録の方法などは市町村ごとに異なります。

「すぐに手伝いに行きたい」という気持ちは大切ですが、募集を確認せず現地へ行くと、交通や宿泊場所に新たな負担を生むことがあります。

必ず、全国社会福祉協議会や現地の災害ボランティアセンターの情報を確認してください。

寄附をしたら記録を残しましょう

個人が熊本県などへ寄附した場合、要件を満たせば所得税の寄附金控除や、ふるさと納税による住民税の控除を受けられます。

会社が熊本県などへ支出した義援金は、寄附先や仕組みを確認したうえで、全額を損金算入できる場合があります。

ただし、災害募金であれば、どこへの寄附でも同じ扱いになるわけではありません。

受領証、振込明細、インターネットバンキングの記録、募金要綱などを保存しておきましょう。

支援は「送りたいもの」より「必要とされているもの」

支援で大切なのは、善意の大きさだけではありません。

被災地で何が必要とされているのかを確認し、受け取る側の負担にならない方法を選ぶことです。

義援金を送る、支援団体へ寄附する、時間がたってから熊本の商品を購入する。

無理のない範囲でできることは、いくつもあります。

支援方法ごとの違いや、個人・法人の税務上の取扱いについては、公式ブログで詳しく解説しています。

詳しくは、藁総合会計事務所の公式ブログをご覧ください。

 

 

東京・品川区の税理士
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相続対策というと、「親が高齢になってから」「財産の多い人だけ」と思われがちです。

でも40代は、親の相続を考え始める一方で、自分にも配偶者や子ども、住宅ローン、生命保険、預貯金があります。経営者であれば、自社株や会社への貸付金、個人保証もあります。

もし突然の病気や事故があったとき、家族は次のことが分かるでしょうか。

  • どの銀行や証券会社に口座があるか

  • 生命保険の受取人は誰か

  • 借入金や保証はどれだけあるか

  • 重要書類はどこにあるか

  • 会社は誰が動かすのか

40代の相続準備は、いきなり贈与や不動産購入から始める必要はありません。

まずは、財産と負債を一枚に書き出すこと。そして、「誰に何を引き継ぎたいか」「自分が判断できなくなったら誰に何を任せるか」を考えることです。

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。ただし、相続税がかからなくても、自宅の分け方、未成年の子どもの生活、口座や契約の名義変更などは残ります。

また、「毎年110万円を贈与すれば安心」とも限りません。相続前贈与の加算期間は段階的に最長7年へ延長されました。贈与者の老後資金、贈与の記録、受け取った人による管理も大切です。

40代の強みは、時間があることです。最初から完璧な計画をつくるのではなく、年に一度見直せる仕組みをつくりましょう。

制度の詳細と、40代から整えたい7つの準備、経営者の具体例は公式ブログで詳しく解説しています。ぜひ公式ブログをご覧ください。

 

 

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個人向け国債について、相続税を軽減する案や、NISAの対象に加える案が浮上しています。

これを聞くと、

「政府は国債が売れなくて困っているのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、もう少し長い時間軸で考える必要があります。

日本銀行は、デフレからの脱却や金利の低位安定を目的として、長年にわたり大量の国債を購入してきました。

2013年には約11%だった日銀の国債保有割合は、2023年には53%を超える水準まで上昇しました。

その後、金融政策が正常化へ向かい、日銀は国債の買入れを段階的に減らしています。

問題は、その代わりに誰が国債を持つのかです。

足元では海外投資家の保有が増えています。しかし、海外投資家は金利や為替、市場環境に応じて売買するため、国内の長期保有者より国債市場が変動しやすくなる可能性があります。

国債金利が急上昇すれば、将来の国の利払い費も増えていきます。

そこで、政府が注目しているのが「個人」です。

個人による国債保有は2%程度にとどまっています。一方、家計は多額の現預金を持っています。

相続税を軽減したり、国債をNISAへ入れたりすれば、預貯金の一部が国債へ動く可能性があります。

現在は、次のような案が出ています。

  • 国債をNISAの対象にする
  • NISAで保有する国債の相続税を非課税にする
  • 20年・30年などの超長期商品をつくる
  • 物価連動型などの商品を増やす
  • 一部の法人にも販売する

つまり、相続税軽減は単独の相続対策ではなく、個人を国債の長期保有者にするための政策の一つなのです。

ただし、問題もあります。

相続税がかからない世帯には、相続税非課税のメリットはありません。現金を国債へ移しただけで税負担が変わるなら、富裕層優遇との批判も避けられません。

また、NISAはもともと、預貯金から株式や投資信託へ資金を移すことを目的とした制度です。預金に近い性格を持つ個人向け国債を入れることが、NISAの目的に合うのかという問題もあります。

そして大切なのは、2026年8月3日時点で、相続税非課税もNISAへの組入れも決まっていないことです。

現行制度では、個人向け国債も相続税の課税対象です。

今回の政策は、「日銀頼みをやめる」という単純な話ではありません。

長期金融緩和によって日銀に集中した国債保有を、家計を含む幅広い保有者へ徐々に分散し、金利のある時代でも安定して国債を発行できる構造をつくる政策と考えるべきでしょう。

詳しい制度と私の見解は、藁総合会計事務所の公式ブログで解説しています。

 

 

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