巡礼 | 物語の森

物語の森

立っているのは、森の入口
迷い込むように導かれて
出逢う
あなただけのrecord
光の糸で聴く
そこは、モノガタリの森



頭ではわかってるんだけど、

ぜんぜん重い腰があがりません(汗)
きみトモの絵を描いてくださった人たちに

連絡を取らないといけないのだけど、

ぐずぐずしています(汗)
本から飛び出したり、

モビールで揺れたりしているあの子たちを思うと、

わくわくするのに。


朗読だって、きみトモ展示をするのだから、

聴く人がダレないくらいの時間に

リライトして読めばいいと、わかっているんです。

簡易製本すればいいこともわかってるんです。

どこかの場面をジオラマみたいにしたら

素敵だということもわかってるんです。

わかってるんだけどなーーーーーーーっ(えみな)


***


こうして、個展に向けて、ユウコさんと「てんけん」しながらも、えみなさんは、なにかこう、スイッチの入らない自分を感じていました。


手をのばせば届くところに、ほしいものがあるのに。
やることがいっぱいあるのに。


あれれ?
やること? 


「やること」ってなんでしょう?
「やらなければいけないこと」? 
「やったほうがいいこと」?


それは、「やりたい」こととは、ちがうのでしょうか?


えみなさんは、何か隠しています。

でも、それはまだ、表には出て来たがらないようです。
いくら、ぼくがダイレクトにささやいたとしても、えみなさんは認めないのです。
そこでぼくは、えみなさんの心に働きかけました。


巡礼の旅です。


えみなさんは、この旅を自分で思いついたと感じているでしょうが、ぼくの仕業です(笑)
こうして、えみなさんを悩ませている「スイッチの入らなさ」の答を知るために、えみなさんは巡礼に出ることにしたのです。


カードによる巡礼の旅です。

去年の春も、えみなさんはこの旅をしています。

林ゆう子さんと、くれや萌絵さんが制作したENMAカードという36枚の言葉のカードを引いて、感じたことを書きとめていくのです。

ほら、ここにも「ゆうこさん」が登場しましたよ(笑)


えみなさんが、この巡礼の旅によせて書いた文章があるので、転載します。

なぜなら、これが『きみのトモダチ』を思い出すキッカケになった出来事だからです。
もちろん、ぼくの仕業です。


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◆巡礼の始まり◆   


一組のカードに出逢いました。
裏を向けて重ねた山から、一日に一枚ずつ、引いていくことにしました。


シンプルなフォントで浮かびあがる言葉は、圧倒的な存在のオーラを放ちつつ、こんなもんじゃないと、本来の姿をひそめていて、まるで、抜きたての根菜か、掘り出したばかりの鉱物のようでした。


みずみずしさ。生命力。輝き。真理。


そろそろと土をはらって、あらゆる角度から光をあてるような自問自答を、何度も繰り返すうちに、ふいに飛びだしてくる新しいベクトル。

着地点に用意されていたのは、思いもかけない感情や情景でした。


何日目かに、ふと、


「導かれている」


とわかったのです。
これは、カードを巡る旅だと。

札所を巡るお遍路さんの姿が思い浮かびました。
だとすれば、すべてのカードを引き終えた日に、いったい何が起こるのでしょう。


こうして、巡礼が始まったのです。


2014年 春 浜田えみな


◆猫たち◆


旅を続けながら、御朱印帳がわりに、浮かんだ言葉や想いを綴っていました。
いつしか、一日一枚という枠はとれ、一日に何枚も巡ることもあれば、二日間、先に進めないこともありました。

そのうち、ベクトルが向かった着地点には、フラッシュバックのように、もしくはデジャブのように、猫の姿が浮かびはじめました。


(なぜ、猫なのか?)


見たこともない景色の中で、会ったこともない猫たちが、毅然と、飄々と、どこ吹く風で、好きなことをして、ありのままに生きていました。


「探して」


と、猫たちは言うのです。


「わたしを見つけて」


と。


(だって、どこにいるの?)


猫たちは、しなやかで美しくて、気ままで知らんぷりでした。


「探して」
「見つけて」
「ここにいる」


どこだかわからない場所に、猫たちは確かにいたのです。



◆猫さがし◆


「探して」とか「見つけて」とか「早く」とか、好き勝手なことを、てんでにしゃべっている猫たちを、いったいどうやって見つければいいのでしょう。

ためしに、インターネットで猫の画像を呼び出し、探そうとしてみました。


(…………)


あまりの膨大さに、すぐに作業を投げ出しました。頭に浮かんだのは、


〈小林あっこさん〉


でした。
あっこさんに誘われて、猫の写真展を観に行ったことがあったからです。


展覧会場のパネルをみつめるまなざしや、無意識にこぼれる猫たちへの言葉かけにふれ、自分が持ちえないものを持つ人への感動で、胸がいっぱいになりました。

とはいえ、どこにいるのかもわからない猫たちを、「探して」などと頼めるわけもなく、いつか自分でやるんだろうなあとあきらめて、巡礼を続けていると……


引き受けてくださったんです。魔法のように。
そして、猫たちを探して、見つけて、つれてきてくれると、約束してくれたのです。



◆ENMA巡礼◆


2014年4月20日 「シンプル」という札から始まった旅は、5月10日 「覚悟」という札で終わりました。21日目でした。


猫たちに出逢うための旅でした。
小林あっこさんが探して連れてきてくれました。あっこさんのおかげで会えました。

猫たちが織りなす、全身全霊の問いかけに向きあって、


「言葉はいらない」


とわかったのです。
だけど、私は「書く」ということも。


あっこさん ありがとうございました。心からの感謝をこめて。


2014年 初夏  浜田えみな



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一冊のフォトブックができあがっても、えみなさんは、まだ気づいていませんでした。

なぜ、「猫」なのか。


シツレイにもほどがあるってもんです。
えみなさんは、ぼくのことを、すっかり忘れていたのです。


だから、ぼくだって、ちょっとイジワルな気持ちになりました。
ほんとうにほしいものをどんどん先延ばしにする、えみなさんの悪いくせ知らんぷりしてやりました。


小林あっこさん は、すぐに猫たちを集めてくれたのに、えみなさんは言葉の原稿をなかなか仕上げることができません。


あっこさんは、えみなさんが考えやすいように、言葉のページだけが空白のままの、猫たちのフォトブックを見本に印刷して送ってくれました。
それでも、まだ、えみなさんの腰はあがらないのです。


あんまり放ったらかしにしていたので、フォトブックの保管期限の更新を忘れ、編集中のデータがサイトから消えてしまいました。

それでも、優しいあっこさんは、


「パソコンにデータがあるから、大丈夫。えみなさんの原稿ができたら、すぐにできるから、一気に仕上げましょう」


って言ってくれたのです。


このときに、さっさと仕上げればいいのに、えみなさんは、まだぐずぐず。

まだわからないえみなさんに、ぼくも、堪忍袋の緒が切れるってもんです。


その想いが作用したのか、それとも、あっこさんのそばにいるぼくみたいなトモダチが、あっこさんへ伝えたいことがあったからなのか、ある日、あっこさんのパソコンのデータがとんでしまいます。
もちろん、えみなさんの猫たちも。


えみなさんの手に残った、コトバのページがマッシロのままの一冊だけの「ENMA巡礼」


自業自得です。
ところが、この一冊を、えみなさんは失くしてしまうのです(!!)
猫たちが逃げ出したのかもしれません。


そのことを、あっこさんに伝えたとき……


発注したフォトブックは、半年間、データが保管されていることがわかったのです。
すべて消えてしまったと思っていた猫たちが、まだ、えみなさんが気づいてくれるのを待っていてくれたのです。


まさに、その半年の期限が切れようとしている時でした。

そこであわてて、追加で5冊、注文をしたえみなさん。
ぼくのおかげだって、わかってるのかな。


しかし、このときもまだ、原稿はできていませんでした。
まっしろのページのまま、そのうちの2冊は、旅だっていきました。


未完成のままでも、受け取ってほしい人がいたからです。

「未完成は完成へのエネルギーを秘めた、ある意味、完成よりもパワフルな状態」だと教えてくれたのです。

このかたたちは、今回の個展にあたっても、キーパーソンですので、また、ご紹介します。


その後、えみなさんはようやく、未完成のページを埋める決意をし、原稿を書きます。(上記に転載したものです)

そして、なぜ、猫なのか? ということを、また、うつらうつら考えて……、ようやく!!

ぼくのことを思いだしたのです。シツレイにもほどがありますよね。


『ENMA巡礼』は、 「物語の森」の閲覧コーナーに置くつもりですので、どうぞ手にとってください。

チラ見せに何がいいか、三枚カードを引きました。




「失敗」-双六


結果のひとつ。サイコロの目と同じ。

目の前のすごろくのマス目をたどればいい。

一回休み。二マス戻る。五マス進む。

ふりだしに戻る。歌を歌う。……


そんなもんだ。


いきなり、「あがり!」ということだって。





「再生」-有為


もう、再生しないでいいくらい生き抜きたい。





「どうでもええやん」-ん


しりとりの「ん」みたいなもの。

否定や逃避ではなく、次元上昇するマシン。


リセットするのではなく、ステージを変える。


***



そうして、『きみのトモダチ』を書いてから、二十年以上も経って、ようやく、えみなさんは、置き去りにしたままのものがあるではないか? ということに目を向けはじめました。

とはいえ、「置き去り」と「封印」は同じようなものですから、えみなさんは、あんまり向き合いたくないのです。たぶん。


だから、少しずつ、少しずつ、近づいていきます。
ぼくもそれを、無理強いしたりしません。


なので、えみなさんが、またもや「巡礼」をすると決めたときも、内心、あきれましたが、「やるならどうぞ」 って感じです。しかたないですからね。
えみなさんは、遠回りだけは大好きなので、どんどんやるのです。


今回の巡礼は、 「バランス」で始まりました。
えみなさんは、散文ではなく、三十一文字で、しかもそのワードを織り込むと決めたようです。




バランスって、もう動けないことなんだ それはとってもつまらないよね


えみなさんは、なんのバランスを取ろうとして、何を壊したくなくて、動けずにいるのでしょうか。
今回の巡礼は8月29日に始まり、10月3日に終わりました。36日間の巡礼の旅。


チラ見せの三枚は、「自信」「再生」「覚悟」





ただ気づきとことん好きでゆるがずにやり続けているそれが自信





昨日見た夢の中では世界から消えていました再生ボタン




するしないどちらの結果もシンと視て決めたことから逃げない覚悟


***


昨年の巡礼の言葉と並べてみると、えみなさんの心境の変化がわかります。



最後の一枚は、「嘘つき」でした。





ENMAさまからこの言葉をもらうとは、まさに「喝!」


そのときのえみなさんは、「嘘つき」な自分は認めましたが、「何に嘘をついているか」は認めたくなくて、知らんふり。

でも、とっても大切なギフトを受け取ります。


真実を知る人だけが嘘をつく


このことに気づいたのです。
嘘つきなえみなさんは、ほんとうのことを、ちゃんと知っています。
では、なぜ嘘をつくのでしょう。


守りたいけど暴かれたくて


なるほど!

えみなさんの気持ちがわかったので、ぼくは、じゃんじゃん暴いてあげることにしました。
だから、ここからのえみなさんの変化はすごいです。
ユウコさんとの関係も、どんどん、むきだしになって近づいていくのです。


そして、 「物語の森」の隠されたテーマが顔をのぞかせてきます。
なぜ、ユウコさんとえみなさんが出逢ったのかも。


そのお話は、「てんけん」の合間に、これからじっくり♪


ティン