小石のような雪の粒が顔に当たって痛い。

こりゃダメだ、、茶臼岳への稜線はさらに風が強くなる。

引き返すことに決めて、硫黄鉱山跡へ向かって下りていくと、

一人の年配のハイカーが登ってきた。

挨拶して、これから下ります、と言うと、

まだ、時間が早いよ、姥ヶ平のほうは風が吹かないよ、ト

完全装備のそのおじちゃんが言う。

まだ8時前だし、姥ヶ平へ行ってみっか、、

その人の後につくことにした。

年季の入ったキスリングザック、今じゃ、ほとんど見かけない。

赤いスパッツを履いたその足取りは軽快で着実、無駄がない。

若いころから山をやっていたのだろう。