5:20A.M.

いつものように、両手首に反射材のバンドを巻いて、

真っ暗ななか、ゆっくりジョグ。

線路を渡り、すぐに左に曲がって道路の左端を走っていたときだ。

対向車がライトを点けて走ってくるので、用心には用心を重ねて、

さらに左に寄ってみた。

すると、全身が落し穴に落ちたかのように落下していき、

左顎にガツンと衝撃を食らう、アッパーカットのように。

一瞬、何が起きたのかわからなかった。

闇の底から頭を出すと、対向車のテールライトが小さく遠ざかっていった。

恥ずかしいので、すぐさま道路に上がろうとしたが、

けっこうな高さだった。懸垂の要領で這い上がる。

中学校のとき、体操部だったのでよかったんべな、、

立ち上がると、右ひざが痛い、、かなり痛むので走れない。

厚手のタイツの右ひざの部分がねっとりと冷たい。

けっこう出血してるようだ。

アゴも痛むし、口の中がじゃりじゃりする。

右足を引きずりながら、保健センターの脇を歩いていく。

今日は、ここで9時半から集団検診なんだよなぁ、、