YOU'LL NEVER WALK ALONE ~CL FINAL~
今日まで何ヶ月という月日を費やし、残ってきたチームは2チーム。
両チームともチームカラーは赤。
イングランドプレミアリーグのリバプール
VS
イタリアセリエAのACミラン
2004-2005シーズンを締めくくる試合がキックオフされた。
先制したのはミラン。
前半始まって間もない1分。
右サイドのコーナーキックからテクニック19のピルロが逃げるパス。
それに合わせたのはミランが誇る最高のSBマルディーニ。
見事なボレーだった。
開始早々失点をしてしまったリバプールに更なる不幸が襲う。
中盤の要であるキューウェルが足を痛めて早々とピッチを去ってしまう。
前半20分ですでに交代枠を1枚切ってしまった。
そんなことはお構いなしにさらにミランが追加点。
前半39分、クレスポである。
カカのふわりと上げた右サイドへのパスにシェフチェンコが反応。
シェフチェンコのクロスはディフェンダーの裏をかく若干後ろ方向へのグラウンダー。
リバプールディフェンダーは成す術ない。クレスポに合わされこれで2-0。
クレスポのゴールはさらに積み重なる。
前半44分、カカからのスルーに反応、
ダイレクトでリバプールゴールキーパーのデュデクの頭を超えるふわりとしたシュート。
前半終わって3-0。
誰もがミランの勝利を確信しただろうねぇ。
しかし後半、リバプールの知将ベニテスは動いた。
ベテランディフェンダー?ハマンを投入し3-5-2の布陣へ。
中盤を厚くしたのである。
この采配が見事にはまった。
後半9分。
左サイドからのリーセのクロスに見事合わせたのは天才ジェラード。
スタム、ネスタの最高峰CB2人に負けない跳躍でぴたりと合わせる。
これで3-1。
これでまだわからない!!
そう思ったリバプールファンはたくさんいただろう。
実際自分も友達に向かって何回も
「これでまだわからない!!」
といっていた。
サッカーとは野球の様にかんたんに点が入るものではない。
まして3点差、野球なら3ランで同点だ。
しかしサッカーは3回ゴールネットを揺らさなければならないのである。
ほぼ絶望的に感じられるだろう、奇跡という言葉を信じるほかには。
奇跡が起きる。
その2分後中央からのスミチェルの豪快なミドルが
ミランのキーパーヂダの脇を抜けゴール。
3-2。
思わず体がプルプルしてきているのが自分でもわかった。
それだけ興奮してるんだよぉ~ん。
そして奇跡は完結する。
後半15分、ジェラードがペナルティエリア内で倒されPKを得る。
リバプール中が沸いただろう。もしかしたら泣いている人もいたかもしれない。
興奮しすぎて卒倒した人もいたかもしれない。
最後のチャンス、シャビ・アロンソ。
ヂダに止められる。自分も言葉を失った。
もう1度押し込む!!同点。
リバプールでは視聴率は80パーセント以上だろうなぁ。
そして同点のまま試合は延長、そしてPKへ。
延長では確実にミランが押していた。
決定的な場面もあった、しかし守護神デュデクが神がかり的なセーブをした。
長かった試合にようやく終止符が。
ミランキッカー1人目はセルジーニョ。
ここでデュデクの奇妙なダンスが、セルジーニョが大きくはずす。
リバプール1人目ハマン、ゴール。
1-0
ミラン2人目はピルロ。
ここでもデュデクの術中にはまりデュデクファインセーブ。
リバプール2人目シセ?、見事逆を突いて決める。
2-0
ミラン3人目トマソン。
術にかからず落ち着いてゴール。
リバプール3人目スミチェル、延長で足をつりながらも落ち着いて決める。
3-1
ミラン4人目カカ、若いのにあの落ち着きは何だ!!?
余裕で決める。
リバプール4人目リーセ、ここでヂダの読みが冴える、見事にセーブ。
3-2
ミラン5人目シェフチェンコ。
今年のCLで最も悲劇だったかもしれない。
百戦錬磨、バロンドール獲得のこの選手に悪夢が襲う。
外した。
リバプール、CL優勝。
前半で試合は決まっていた、そう思っても過言ではない。
もう何も失うものがなくなった若いチームのひさむきさが
この奇跡を生んだのかもしれない。
下馬評ではミラン有利、それを覆したリバプール。
YOU’LL NEVER WALK ALONE.
あんたらすげぇよ。