英Raspberry Pi財団は、世界的な半導体不足により、RAM容量2GBの「Raspberry Pi 4」の価格を10ドル(約1140円)値上げした。
今回の値上げは一時的なものだが、新型コロナのパンデミックが始まって以来、チップのサプライチェーンがどれほど変化したかを示す新たな例だ。Raspberry Pi財団は、2020年2月に2GBのRaspberry Pi 4の価格を10ドル値下げして35ドル(約4000円)にしたが、現地時間10月21日をもって価格を45ドル(約5140円)に戻す。
2GBのRaspberry Pi 4を初めて値上げしたことにより、Raspberry Pi財団は、1GBのRaspberry Pi 4も35ドルで提供を再開する。同財団は、2GBモデルを値下げした際に1GBモデルの販売を中止していた。Upton氏によれば、1GBモデルの復活は、製品に2GBモデルを採用している業界の顧客を支援するためだという。
半導体不足でラズパイが初の値上げ、Raspberry Pi 4の2ギガモデルを2020年の値下げ前価格に戻し1GBモデル復活
英Raspberry Pi Foundationは10月20日 (現地時間)、「Raspberry Pi 4」の2GBモデルの価格を35ドルから45ドルに一時的に値上げすると発表した。半導体不足で一部の部品の供給が不安定になってコストが上昇する一方で、製品の需要が増しているため。
様々な産業に部品不足を引き起こしている半導体不足は、古い半導体製造プロセスで起こっている。Raspberry Piの場合、40nm製造プロセスの半導体を用いた部品の供給が逼迫しており、28nm製造プロセスの半導体を用いた部品については、予測される今後12カ月の需要を満たせる量を確保している。具体的には「Raspberry Pi 4」「Raspberry Pi 400」「Compute Module 4」以外の製品が影響を受けており、新型コロナ禍におけるRaspberry Pi製品の需要の増加も相まって、特にRaspberry Pi ZeroとRaspberry Pi 4 2GBモデルが品薄になっている。
Raspberry Pi 4は、2019年6月に登場した時は1GB(35ドル)/2GB(45ドル)/4GB(55ドル)のラインナップだった。昨年5月にラインナップを2GB(35ドル)/4GB(55ドル)/8GB(75ドル)にアップデート。1GBモデルの販売を終了させると共に、2GBモデルを35ドルに値下げした。今回の45ドルへの一時的な価格の変更は値上げであるが、登場時の価格に戻した形だ。
とはいえ、10ドルの値上げは約28%の上昇であり、35ドルという価格でRaspberry Pi 4を必要としている顧客に与える影響は大きい。そこで、昨年5月に販売を終了させたRaspberry Pi 4の1GBモデルを再び35ドルで提供する。
良いニュースとして、サプライチェーンの混乱が緩和される初期の兆候が見られ始めたとしている。それでも半導体不足の影響は2022年に及ぶ見通しで、現状では限りがある40nm製造の半導体を用いた部品を「Compute Module 3」「Compute Module 3+」「Raspberry Pi 3B」に割り当て、「Raspberry Pi 3B+」の優先度を下げる。産業用や組み込み用にRaspberry Pi 3B+を採用している顧客に対して、2022年の購入を計画している場合はRaspberry Pi 4 1GBモデルを用いた設計の採用を勧めている。