今年もお盆が来ました。毎日ビルの中ばかりで、子供の頃の夏休みが懐かしいです。あの頃は朝早く起きてくわがたを捕りに行き、すいかを食べ、高校野球を見て、一日中遊び呆けて、日が暮れていきました。あぶらぜみがうるさくて眠れなくて、やがて夕方にかなかなが鳴くようになり、そしてつくつくほーしが鳴く順番だったでしょうか。私には田舎らしい田舎がなくて、夏休みは基本いつも浦和の自宅にいました。小さい頃からの夢、そして今でも思う夢は、今頃どこか山あいの田舎で、或いは四万十川なんかが流れていてもいい、浴衣を着て、みんなも浴衣を着ていて、夏祭りが行われ、うちわを持ち、毎日が過ぎていく。いつか見た、青い浴衣と素足と赤い鼻緒が映るコマーシャルの場面が網膜から離れません。陽水の少年時代。横溝正史の小説の場面。そういった自然や行事、雰囲気がなくならないうちに、そして自分の中の少年時代がなくならないうちに、一度ゆっくりしたいなぁ。