先日、パナソニック美術館で開催されているマティス展に行きました。
東京は先週末で終了しましたが、巡回展で次は大阪で開催されます。
今回の展覧会は、ルオーとの手紙のやり取りを底流にルオーとマティスの作品が展示され、時代背景や作品を作ったときの彼らの状態が手にとるようわかります。
一人の人生の中でどんな風に作品が作られていったかがわかる、私にはとても興味深い展覧会。
小さな頃から母に連れられてマティスの絵は何度もみてきましたが、今回は人間としてのマティスに触れられました。
今回は絵画だけではなく、ヴァンスにあるマティスがつくった教会も映像で映し出され、本当にきれい…初めてみました。
今回の展覧会で、なぜ日本ではこんなにマティスが人気があるのか、少しわかった
マティスは西洋絵画でありながら、極めて東洋的、日本的な感性の持ち主のよいな気がします。
彼の絵には、赤・黄・青・緑・黒・白など、元になる色が見事に調和している。光に含まれるすべての色です。マティスの作品は、「光」だから万人を引きつけるのではないでしょうか。
もともとマティスは私も大好き。今回わかったのは、私が一番好きなのが彼の一筆書きのようなタッチや色のシンプルさ。
ロザリオ聖堂を作るにあたり、彼は青・緑・黄だけを選んだそうです。シンプルさが一番、人の心を動かすことを知っていたから。
ルオーの絵がどんどん力強い線になるのに比べて、マティスはフランスの風光明媚な場所に移り住んで以降、自然を取り入れることを念頭に置いて、どんどん繊細でシンプルな曲線になる。
マティスの筆は自然と一体になり、そして彼自身とも一体になり、だからこそ、シンプルで何物も威圧しない強さがありながら非常に繊細。独自の作品が出来上がったようなきがします。
自然には真実しか存在しないから
彼の絵にもそんな強さと繊細さは、自然を基調にする日本の感性に非常に通じるところがあることに気が付いて、ますますマティスが好きになりました。
今日のsomething newは、「マティスへの新しい気づき」
そして、やっぱり日本のもつ感性が私には魅力的なことを再認識しました。
大阪での巡回展、機会があればぜひ行ってみてください