洞田貫 晋一朗『シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略』(翔泳社 2019年)
先日見にいったサントリー美術館での「美を結ぶ。美をひらく。」
入館時に撮影自由といわれ、館内にも「撮影OK #美を結ぶ をつけてSNSに投稿ください」
という立札があった。
私も撮影をしてブログを書くことができた。
さてこの本は、森美術館の担当者による、SNSの運営の方法である。
美術館など公共施設はもちろん、企業や団体、店舗としてSNSを運用する担当者の参考に、という趣旨だろう。
しかし、美術館を楽しむものとして個人の視点からも気づく点はあった。
展示会の中で好きな作品を撮影し、SNSでシェアすることでその展示会を応援することになる。
中にはこのようにブログに書いて記録する人もいるだろう。
思わぬおもしろい発見もあるかもしれない。
SNSを発信する側にとって大切なのは「個人としての目線を忘れない」ことだとわかった。
これは企業も個人も同じである。
おもしろさや珍しさ、「いいね」ばかりを狙うと、その意図が透けて見えて望むような効果がないばかりか逆効果になることもある。
「美を結ぶ。美をひらく。」でも、写真撮影をしている人はあまりいなかったように思う。
観覧していた人は比較的高齢だったせいもあるかもしれないが、
美術館は撮影NGな場所(もっと言えばスマホや携帯はNG)という意識があるのではないかと感じた。
もちろん作品保護や著作権の問題もある。
図録やグッズなどの売上を気にするかもしれない。
しかし図録はあとで参照するために買うことが多く、行った記念や思い出の記録とはまた別物である。
役割がまったく違うため特に影響はないと思う。