村山早紀さんの「コンビニたそがれ堂 猫たちの星座」ポプラ文庫ピュアフル600円+税 | 生きている間にやりたいことをやろう!コーチたき坊のブログ

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「好きなこと、ワクワクすることを生きている間に一つずつやる」をモットーに同じような思いを持つ方を支援するコーチ。2022年ワタナベ薫さん主催のMCCコーチ養成スクール第1期修了。好きなこと、ワクワクすることをやりたい方の背中を押します。

2022.12.19 こんばんは🌉

村山早紀さんの「コンビニたそがれ堂 猫たちの星座」ポプラ文庫ピュアフル600円+税を読み終えました📚2022年読書記録145冊目。以下本書から一部引用します。〜〜〜〜〜〜


ねここは静かにいいました。
「ここはコンビニたそがれ堂。何でも売っているお店。たそがれ堂には、化け猫になれる薬もあるわ。でも、それを飲んだらもう、おうちには帰れなくなるのよ。ひとりぼっちになるの。それでもいいの?」
子猫はびっくりして、大きな目を見開きました。
「どうしてなの?」
「妖怪は人間とは一緒に暮らせないから」
子猫はぽたぽたと涙をこぼしました。それなら自分は、あと何年かわからないけれど、短い寿命の分だけしか、大好きな家族と一緒に暮らせないんだと思いました。
みんなに何もしてあげられないまま、死んでしまわなくてはならないんだ、と。
「戦うとか、悪い奴を追い払うとか、守ってあげるとか、猫のお仕事はそういう事だけじゃないとあたしは思うけどなあ」
優しい声で、ねここはいいました。
「家の中にいて、みんなと一緒に寝起きすること、人間が寂しそうな時に、そっとそばにいる事。一緒に遊んで笑わせてあげたり、家に帰って来た時に、玄関に走って行って、お帰りなさいって言ってあげる事…そんなささやかな事の一つひとつが、猫の出来る、小さな、でも大切なお仕事なんじゃないかと思うのよ。たとえ、人間より短い間しか生きられなくて、あんまりそばにいられなくても」
「でもあたしは」
子猫は声を振り絞りました。
「かぞくのみんなを幸せにしてあげたい。みんなが幸せになるところを見たいの」
「そうねえ」と、ねここは何か考えるようなそぶりをしました。
「じゃあ、化け猫じゃない普通の猫でも、人間の為に出来る事がある、思ったより沢山、家族を幸せに出来る、そんな話を聞かせてあげましょうか?去年、コンビニたそがれ堂に来た、二人のお客様の話なんだけど…」
窓の外の雪交りの風の、その雪が本格的な雪になりました。
窓に降りかかる、きらきらと輝く雪を見上げるようにして、カウンターの中のねここは、静かに語り始めたのです。〜〜〜〜〜〜
以上引用終わり。

村山早紀さんは、1963年長崎県生まれ。「ちいさいえりちゃん」で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。多数の著書があります。


本書は、村山早紀さんが書かれた本当に欲しいものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂の、人気シリーズ第8弾です。


人生の終幕に差し掛かった周太郎さんが、街の人達に幸せを贈る「サンタクロースの昇天」、取り壊しの決まった雑居ビルで占い師をしている女性が来し方をふりかえる「勇者のメロディ」など、他者の幸福を願って生きた人達の顛末を描写しています。
「猫」が登場して機知に富んだユーモアで包みながら生きることの意味を伝えています。

興味ある方は、是非お読み下さい📚🎄
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