ワールド男子。空前の大自爆大会でしたが、その中でネイサンはジャンプに関し、やはり別格のモンスターであったことが判明しましたね。五輪のショートでは一人自爆大会をやってたわけですけど(団体戦も含め)、フリーは五輪でもすごかった。あれだけの高難度ジャンプを入れてしかもSPFSまとめることができるって、一体この人はどうなっちゃってるんでしょうか。とんでもない身体能力ですよね。

 

ただ「いい演技」かと言ったら、まあ以前にも書いた通り、ほんとうに助走して跳ぶだけの味気ない演技ですが、でもルールが変わる前の最後の試合で、あれだけの多種類のクワドジャンプを一つのプログラムに6本も入れることが可能なのだという、人間の限界みたいなものを示してくれたのは、これからの技術の発展にとって大事なことだと思います。

 

ゆづの平昌における美しい演技は、技術と芸術の融合というフィギュアの理想形を示してくれたという意味で、これから先も長く手本として参照されるべき演技だと思いますが、ネイサンのミラノでの演技も、純粋に技術的な可能性を示してくれた、ある意味実験的な演技としてこれからも参照されるだろう演技であったと思います。

 

つなぎもなく助走して跳ぶだけの演技ですが、逆につなぎを入れないで跳べば人間は何個まで跳べるのかということがわかったじゃありませんか。まあ少なくとも6つは可能だということです。

 

でももう来季からは演技時間が短くなるしルールも色々変わるのでそのデータはあまり意味がなくなりましたけどね。

 

で、日本男子。宇野選手の怪我で3枠に暗雲立ち込めましたが、なんとかふみとどまりました。失礼ながら枠取りに関しては誰も期待していなかった友野くんの、予想外の大活躍のおかげですよね。宇野くんも頑張りましたけど、友野くんの頑張りがなければ3枠取れなかったですよね。ここぞという時にバシッと決められる、頼り甲斐のある選手だなと思いました。

 

彼の演技には華があります。リンク上の彼はパッと観衆の心を掴み、それを自由自在に操ってあっという間に演技の世界観に惹き込んでゆく、そういうパフォーマーとしての特別な能力を持っていると思います。要所要所での絶妙な目配り、あれは天性のものとしか思えません。自分しか見えない演技者も多い中で、彼は観衆の姿がちゃんと見えてる。彼らとちゃんと繋がりながら演技をしている。そこがすごいところだと思います。

 

鼻っ柱の強そうな男の子らしい表情も魅力の一つで、フィギュア界には得難いキャラだなと前から思っていました。

 

 

あとはクワドをもう1種類マスターすれば、世界で十分戦って行けるはず。日本フィギュア界にとって、今大会の一番の収穫は、友野くんの大躍進ではなかったでしょうか。

 

 

そして宇野くん。また今度もタイトル取れませんでしたが、さすがに今回は涙を流していましたね。

 

最初あれは痛いのに頑張って滑りきったことへの安堵の涙なのかなと思ってたら、悔し涙だったんですね。

 

いや〜私はそれが見たかったですよ、宇野くん。

 

一番の優勝候補とされていながら、ネイサンにボコボコにされました。お互いgdgdで僅差で負けたGPFどころじゃない。50点差という大差をつけられて、これ以上ないほど完璧に打ち砕かれました。

 

試合前に靴擦れだか靴の不具合だかわかりませんが、足が痛いとか言って騒いでいる場合じゃなかったのがわかりましたか?大事な勝負の前にそんなことでメディアを巻き込んで大騒ぎしているようではああ今回も勝てないだろうなと思ったらやっぱりそうでした。

 

ネイサンは全米の期待を背負った五輪でプレッシャーに潰れて本当に悔しい思いをしたのではないかなと想像します。

 

彼はクールなキャラ。あまり表にあらわさないけれど、とんでもない負けず嫌いでプライドが高いのはわかります。きっとすごく悔しくて、ものすごく練習して来たのでしょう。

 

このタイトルに賭ける思いも並々ならぬものがあったのではと想像できます。

 

 

ここ2年、負けてもヘラヘラし、本気で悔し涙を流すことはなかった宇野くん。

 

正直、そういう姿がずっと見られなかったのが、彼が一番になれない理由だと思っていました。

 

負けて悔しがる

 

ボコボコにされて打ちのめされて、でも何くそと思って立ち上がる

 

そういう部分が競技者として強くなるには絶対必要なもの。

 

でもなぜか宇野くんに関しては、負けて悔しがるのは周りの過保護な方々ばかりで

 

何くそと思って余計な手出しをするのも周りの過保護な方々ばかり。

 

そういう方々が彼の成長を一番妨げ、タイトルを取りきれない、勝ちきれない、そういうメンタルにしてきたということを、はっきりと認識してほしいですね。

 

本人は練習の虫であると聞いています。自分に足りないものはジャンプの質、ということも言っていました。本当はわかっているんでしょう。対羽生でマウント取ることばかり考えるのではなく、ちゃんと自分の現実を認識すること、羽生選手との差がどれぐらい大きなものなのかをしっかり認識すること、そういうことも必要だと思っていました。

 

宇野くんが競技者として本当の意味で強くなるかならないか。ちゃんと勝つべき時に勝ち切れる選手になれるかどうか。チャンスをものにできる選手になれるかどうか。それはこれからにかかっていると思います。

 

とりま、周りの方がたは彼を赤ちゃん扱いするのをやめてね。名古屋人から聞こえてくる発言は、耳を疑うことばかり。彼は赤ちゃんじゃないですよ。20歳の成人男性です。どうも名古屋は甘えの文化がはびこってるみたいですが

 

早く彼を一人前の大人にさせてやってくださいね〜。頼んますよ、仮にも全日本王者なんですから。

 

 

 

 

 

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