犯人は捕まった。
真実は逃げつづけた。


■製作
日本(2017)
監督&脚本:是枝裕和


■主な出演
福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、満島真之介、吉田鋼太郎、市川実日子


■あらすじ
勝つことにこだわる弁護士の重盛は、解雇された工場の社長を殺した男・三隅の弁護を仕方なく担当することに。殺人の前科がある三隅は今回の殺人でも死体に火をつけた容疑で起訴されており、このままだと死刑は免れない。だが、三隅の供述は二転三転し、動機がいまいち釈然としない。重盛は面会を重ねるたびに本当に彼が殺したのか確信が持てなくなっていく。


■感想
「誰が殺したのか?」の答えを、是枝監督は敢えて観客に委ねる終わり方にしたそうな。しかし私はモヤモヤしませんでした。何故なら三隅が犯人だと思うから。


(以下、ネタバレではありません。主観極まりない考察ですのであしからず。)


その根拠は、裁判官である重盛父が経験から「あいつはやっている。そういう、ただ殺したいだけの奴なんだよ。」と話していたこと。


だってね。そこらのおっさんが感想述べてるわけじゃないんですから。裁判官、検察官、弁護士で、その肩書を持つのに最も難しいのが裁判官ですよ。司法試験合格者のうち、裁判官および検察官になれるのは上位1〜2割だそう。つまりアンポンタンじゃなれないし、そういう人たちはメッチャ冴えているから節穴になりようがない。(金に汚い人はいるだろうが、ソレはソレ。)


そういう人物が「あいつはやっている。」と断言するなら間違いないでしょ。どんな仕事でも場数を踏んでたらカンで分かることってあるし。私はそういう類だと思いました。決して当てずっぽうや決めつけなんかじゃない。


まぁ「弘法も筆の誤り」なんて諺もあるけれど。


では何故、重盛は迷ったのか?それは今まで「勝つこと」だけにこだわって罪を犯した人たちとちゃんと向き合ってこなかったから。人を見る目は重盛父より無さそう。


そしてある日の面会で、重盛は三隅に不意を突かれてしまう。三隅がどうやって重盛の娘のことを知ったのかは分からない。本当に手を合わせれば伝わってくる…そういう能力の持ち主かもしれないし。


だけど、たったそれだけのことが年頃の娘と上手くいっていない重盛の胸にはグッサァ〜と刺さったのではないだろうか。(実際、その辺りから物思いに沈むようになる。)


そして、その刺さった部分からジワリジワリ三隅は入り込んできた。それは、ある意味マジック。咲江が三隅を拠り所としたのも、同じくマジックにかかってしまったからではないのか。両親あんなだし。


つまり三隅は、何らかの要素で人をたらし込む人物だった……


とはいえ最後、重盛が三隅に「あなたは咲江さんの気持ちを忖度したんじゃないのか?」と尋ねるんだけども、咲江に娘の面影をみて忖度したというのもアリだなとは思う。咲江から話を聞いた時「あんな奴、生きててもしょうがない。」と本気で思ってそうだし。


だけど偽装が許せなかったから呼び出したというのもきっと本当で。意外と「嘘」は少ないのかなと思った。


いずれにしろ、私は三隅という男は優しいのではなくけっこう身勝手な人なんじゃないかと感じました。そして、用意周到なお調子者。


お調子者ってその場その場で適当なこと言うでしょ。それが結果、人を傷つけている。


殺人事件は、まるで咲江の事情を慮っているような結果だが、実際は咲江とはなんの関係もないところで殺意が芽生えていたのではないか?咲江に証言させなかったのは、咲江を守るためではなくせめてもの「良心」なんじゃないか?


三隅の行動原理は、重盛父が言うようにごくシンプルで、そこに意味付けしているのは咲江や重盛なんじゃないかって…私はそう思いました。


くまアイスくまアイスくまアイス


真実は二の次で、判決の勝敗にこだわる弁護士・重盛(福山雅治)は、同僚弁護士の摂津(吉田鋼太郎)に頼まれ、ある殺人事件の弁護を担当することに。




それは、殺人の前科ある三隅(役所広司)という男が、解雇された工場の社長を殺した容疑で起訴されている件。


三隅にとってこの事件は「2度目の殺人」であり、容疑を認めていることから死刑は確実とされていた。




重盛無期懲役に減刑させるため、三隅の周囲を調べ始める。だが三隅の供述は二転三転し、そのうち「殺人は社長の妻・美津江(斉藤由貴)から依頼された。」と言い出す。




二人の関係を調べるべく三隅のアパートを訪ねた重盛は、大家から足の悪い高校生くらいの女の子が頻繁に訪ねてきていたことを知らされる。それは被害者の娘・咲江(広瀬すず)だった。




さらに三隅は自分が捕まるのを想定していたかのように身の回りを整理していたことが分かり、ただの強盗殺人だと思われていた事件のなぞは深まっていく…。




くまアイスくまアイスくまアイス


モヤモヤはなかったけど、「法って何なんだろうな。」というのはすごく感じました。裁判って、まるで法曹界のゲームみたい。


追記
タイトル「三度目の殺人」は三隅の行く末だと解釈しました。殺人を二回も繰り返した男が、今度は司法で裁かれ、殺される側に回る…、そういう皮肉な解釈です。


■お気に入りのキャラ
なし


■個人的評価
★★★★