#38 シガツェ大返し(シガツェ→back to 拉薩)
日にち 2022年2月4日(金)
戦国時代末期、羽柴秀吉は明智光秀を討つため230キロの大強行軍をやってのけた。そしてこの私は、諸事情から、急きょ、シガツェから拉薩へ戻らなければならなくなった。その距離260キロ、車と言えども約4時間の強行軍の移動をするをすることとなった。
私が住んでいる(中国の)都市が22年の旧正月時期に発令した内容についてだ。
「外の省から来る(戻る)人は、48時間以内のPCR陰性証明が必要」とある。とにかくも帰省の前に病院でPCR検査を受けなくてはならない。PCR陰性証明が無いと帰省に支障が出るわけだ。
では行ってみましょう!
2月4日のホテルでの朝食。
私もチベット族の主食の「ツァンパ」が根付いてしまった。右側のお椀に入ったのがツァンパで、ザンバをヤクのミルクで捏ねた後の状態だ。
ホテルの部屋から見えるシガツェの景色だが、シガツェも都市再開発の最中の様子。
9時ホテルを出発!
シガツェの病院へ行きます。
まず向かったのは「日喀則市蔵医医院(Rìkǎzéshì zàngyī yīyuàn)」だ。
早く病院に到着してはみたものの、開門が10時30分であった。そこから、この病院で「検査証明はいつ貰えるの?」と確認をすると「12時間後」という。これではシガツェにもう一泊しなくてはならない。
そもそも私の帰省のフライトは
「翌日2月5日の夕方」。つまりはシガツェで一泊している時間はない。
慌てて、拉薩市内にある病院に電話で確認をすると、
「今日2月4日は17時半で外来は終了。PCR検査もその時間で終了」
「2月5日と6日は、土日なので病院は閉まっている」
「PCR検査は4日の21時以降に受け取れる」
おまけに天気予報を確認すると、
「2月5日の拉薩の天気は雪」
不本意ながら、急ぎで拉薩へ帰りPCRを受けることにした。
仮にシガツェに一泊して陰性証明をゲットできても、雪で拉薩に帰れない可能性もあるわけだ。また雪で拉薩に帰れず、飛行機に乗れずでは家に帰れなくなってしまう。
実際に、このときチベットでは稀に見る大雪が襲っていた。ガイドさんの地元では、雪が大人の胸まで積もっていた…。
もしも順調に行程を消化できるのであれば、
タシルンポ寺とデチェン・ケルサン・ポタンへ行く予定であった(この2つの拝観はキャンセルだ)。
中国の百度のストリートビューで、後日旅行気分だけでも味わう…。
(ストリートビューでお散歩を楽しむ。自分を慰める意味を込めて)
こちらは「タシルンポ寺(扎什傖布寺/zháshílúnbùsì)」の山門。
こちらは「デチェン・ケルサン・ポタン(徳慶格桑頗章/Déqìnggésāng pōzhāng)」の山門。
これよりシガツェ大返しの始まり。
午前11時前、シガツェを出発だ。
天気は昨日を打ってかわって厚い雲に覆われている。
進行方向の左手に川が見えます。ヤルンツァンポ川だ。
ガイドさんが「見えるのはボン教のお寺だよ、私も来たことある。ボン教はチベット仏教より古い。チベット仏教では左回りで参拝するけれども、ボン教は右回りだ」と。
後日調べると、このお寺は「熱拉雍仲林寺/Rèlāyōngzhònglínsì」といい、創建は7世紀だという。
山はうっすらと雪で白くなっています。
川に沿って高速道路が走っています。
一部、高速道路が開通しておらず一般道を走ります。
大きな街がみえてきました。拉薩市の近郊まで来た様子です。
15時、拉薩市に到着です。ここの食堂で遅めの昼食をとります。
ガイドさん、ドライバーさんと私の3人ともチベット式のカレーを注文。大きなヤクの肉とジャガイモの塊りが添えられている。合計は65元。三人で割ると端数が出るけれども…、まぁいっか。
15時30分「チベット自治区第三人民医院」にやっと到着だ。見た感じ、病院という雰囲気ではない。
この病院では、外国人がPCR検査を受診するには診察券を作らないとならない。診察券代が5元かかった。
やっとPCR検査を受けることが出来る。検査代は40元であった。
こちらは、検査結果の受け取り方法に関してだ。夜9時以降、診察券を持って病院内の機械で検査結果を発行するとある。
私は「夜の9時以降にまた病院へ来て検査結果を取らねば行けないのかなぁ?」と思っていたら、ガイドさんが「診察券を貸してください。運転手さんに結果を取りに行ってくれます」と。感謝です!
夜8時15分ごろ、ガイドさんから「PCR陰性結果書を入手できたよ」と連絡が入った。そして、これは翌日ガイドさんを介して受け取ったその証明書だ。
またガイドさんに「診察券は返還しますか?」と聞かれ、私は「次も拉薩に来たいので、このまま手元にとっておきます」と答えた。
いまブログを作りながら、当時の診察券を見ているが拉薩の日々が懐かしく感じる。また診察券が無駄にならないように拉薩へ行きたいと切望しているこの頃だ。