ラファエロの天使のポーズをとる猫天使 アクリル・小品

 

個展の折には作品の他に、会場を楽しく演出するおもちゃの類を毎回用意している。

タイトルを付ける程ではない、先の翼竜の様にPOPの延長にあると考えて頂きたい。

私の個展は大上段に「芸術」を振りかざすのではなく、来廊して頂いたお客様に「いい時間を過ごした」と感じて頂けるよう、「面白い・楽しい」を基本コンセプトにしている。

上の猫天使はもう少し漫画チックに描くつもりだったのだが、マンガというものも描きつけていないと案外難しい。

ついつい普通に描写してしまう。

70年代に一世を風靡したイラストレーターの一人に矢吹申彦がいる。

アンリ・ルソー風の素朴なタッチがかえって魅力的で、小・中学生の頃憧れたものだ。

特にその平和でお気楽な世界観に。

全共闘の政治の季節、例えば宇野安喜良などは時代の気分をよく映し出していたように思う。

しかし何分小学生だった私にはゼネレーションギャップが大きく、むしろ矢吹申彦に惹かれていた。

安田講堂落城から80年代に入り、時代はバブルへ突入していく。

高橋常政が現れ、矢吹の立ち位置にすっぽりと収まったように個人的に思っている。

世界観に似たものがあるが、ドイツでフックスやハウズナーに師事した高橋と、専門学校をサボリまくっていた矢吹を重ねると怒る人がいるかもしれない。

美大予備校のすいどーばたの話に続くため、本日は一旦擱筆する。