今回リブログをお願いさせていただいたのは、おたまさん。
そのおたまさんが、お母様に対する想いをご自身の気持ちに沿う楽曲を紹介しながら綴られた優しい文章です。

私がよくお邪魔させていただくブロガーさんの記事にコメントを寄せられているのを拝見したのがおたまさんを知る最初のきっかけだったのですが、思いやりのある、優しい文章を書かれる方だな、という印象をうけました。

私は松浦弥太郎さんの優しい語り口調が好きなのですが、それを彷彿させる、お人柄が滲み出る素敵なコメントでした。

そのおたまさんが私のブログを訪れてくださったのに気付いたとき、とても嬉しかったです。

今回リブログさせていただいた記事をおたまさんがあげられていたのを見た時、自分の経験が重なり、心うたれ、リブログをお願いしました。
その件から、個人的にメッセージのやりとりを幾度かさせていただいたのですが、おたまさんが相手の気持ちを慮りながらも言葉を吟味されながら自分の思いを綴ってくださるのに、素敵な方だな、と再度思いました。
お顔も存じ上げませんが、ブログを通してこんなに素敵な方とお知り合いになれて嬉しく思います。

おたまさんのお母様はご存命ですが、私自身は母方の祖父母と父の死を経験しています。

以前の記事にも書いたのですが、祖父は認知症を患っていました。
元々は寡黙ながらとても優しい祖父で、私の幼少期の記憶は祖父で埋め尽くされています。
海浜公園で一緒に貝や蟹をとったこと。
祖父と将棋板と将棋の駒を使ったゲームをしたこと。どれも優しい思い出です。

実家で嫌なことがあると、私は近くの祖父母の家に逃げ込んでいました。
祖父が常に私を受け入れてくれているという安心感があったからです。

そんな祖父が認知症を患ったことから人格が豹変して、眉を吊り上げ、声を荒げた興奮する姿を見せたり、徘徊に近い散歩をしては、どんなトラブルがあったのか、目に青タンをつけて帰ってきたり、警察に保護されたり・・・。

寝たきりになってからは、便弄りや、オムツを私が替えようとした時に、私の腕を爪をたてんばかりに掴んだり。

優しい祖父との思い出がある分、祖父のなかから私の記憶が抜け落ち、祖父の人格が崩壊していくのを見るのは、胸が締め付けられるような思いでした。

祖父はヘルパーサービスや訪問看護を利用しながら、自宅で最期を迎えましたが、祖父のお葬式では、喪失感から号泣しました。

祖母も自宅でなくなりましたが、ひとりでは生活するものの、認知症を患っていました。
祖父とは正反対のチャキチャキとした祖母が自分の尿意がわからず紙パンツを使用するようになりましたが、「出ていないから」と交換を渋る祖母のボトボトになった紙パンツを替える時は切ない思いになりました。

こどもが母と叔母の女二人で、名前を残したいから、という理由で祖母は私を養女にしたいと言ったりしていたからか、祖母は最後まで私のことは覚えてくれていましたが、娘を連れて行っても娘の名前を覚えることはなく、私に娘がいる、ということがピンとこないようでした。
祖母も自宅で最期を迎えましたが、寝込んでから1週間もたたないうちに息をひきとる96歳の大往生でした。

そして、そのあとを追うように、父が昨年亡くなりました。父は胃がんを患い、その4年後に骨転移が見つかり、腰の大手術をしました。
その時期から、父の余命について意識し、最期にゆっくり関わりたかったのも仕事を休んだ理由のひとつでした。
父は息を引き取る前の夜、癌による痛みから鎮静剤の使用を希望したのですが、最期であるとわかったのでしょう。
「何か聞いておくことはないか?」と私に聞いてくれて、私は父の娘になれたことが幸せだった、と伝えることができました。

そして、私の帰り際、「もう寝ていいか?」と尋ねたのも印象的でした。今生の別れになることを父はわかっていたのでしょう。
ドラマみたいな最期だったな、父は最期まで父としての責任を大切にする尊敬する存在だったな、と今も父のことを思い返すと涙が浮かびます。

私は看護師という職業柄、常に死を身近に見ていますが、それでも肉親との別れはやはり辛いものです。

けれど、それらの体験から、「いつ最期の時を迎えてもいいよう、毎日を精一杯生きよう」という想いをもつようになり、自分が【生きることの意味】を常に意識しています。

また、夫と娘をもつ身として、思いがけない最期(事故など)を互いに迎えたとき、どんな最後の言葉や態度を相手に向けていたかで後悔が残る可能性があるので、二人の前ではなるべく笑顔でいたいと思います。
家を出るとき、可能なら玄関先まで見送るようにしています。

身近なひとの老いや死は辛いことですが、大切なことを教えてくれる経験でもあります。

そんなことを再認識させてもらえたので、リブログさせていただきました。おたまさん、ありがとうございます。

あと、おたまさんのお話と重なる本を今ちょうど読んでいて。
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「四十九日のレシピ」の伊吹有喜さんの本なのですが、もうすぐ読み終わりそうなので、読み終わったらまたこの本について書きたいと思います。


長い文章になってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。