少し苦しそうな息遣いで眠る雪哉に杏梨の眉根が寄る。
大丈夫かな・・・・・・。
こんなゆきちゃん、見たことがない。
心配で眠ることも出来ずに雪哉の端正な寝顔を見つめていた。
少しすると雪哉がうわ言を言い始めた。
「・・・・・・り・・・あん・・・り・・・・・・」
「ゆきちゃん、ここにいるよ」
「・・・・・そば・・・に・・・・・・」
うっすらと瞼が開けられ杏梨を見るとホッとしたような笑みが浮かんだ。
そして再び眠りに落ちた。
うとうとしていた杏梨はびくっとして目を覚ました。
寝ちゃったんだ。今何時?
時計を見ると午前3時を回ったところだ。
雪哉を見ると襟足にかかる髪が濡れていることに気づいた。
額に手を置くと少し下がったように感じる。
呼吸もさっきより落ち着いている。
「着替えさせなきゃ」
起こさずになんとか自分一人で着替えさせようとパジャマのボタンを外しはじめた。
「・・・・・・襲ってるの?」
かすれた面白がっている声がした。
「ゆきちゃんっ!ちがっ」
焦った顔になった杏梨を見て笑っている。
「杏梨に脱がされたら欲情しそう・・・・・・」
「もうっ!そんなこと言ってっ!良くなったんだね?」
はだけたパジャマのせいで割れた腹筋が目に入る。
「気分は良くなったよ」
そう言ってベッドの上に起き上がる。
「自分で着替えるよ」
床に足をつけ脱ぎ始めた。
「わ、わたし、お水持ってくるね!」
着替えるだけなのにドキドキしてきてその場を離れた杏梨だった。
続く