杏梨の顔を見てホッとした顔になる。
「杏梨」
「ゆきちゃん、今日はごめんなさい」
雪哉の目の前に立つと苦しそうな顔で言う。
「俺の方こそごめんな 杏梨が可愛くてつい調子に乗ってしまったんだ」
「わたしが可愛い?」
「もちろんだよ」
そこへキッチンから出てきたゆずるがケーキと紅茶をテーブルに置く。
「はい 杏梨ちゃん 座って」
にっこり微笑んで杏梨に言うと雪哉に向き直る。
「雪哉、ちょっと来て」
「雪哉、焦るのは良くないわ 杏梨ちゃんの病気はすぐに治るものではないのだから」
「分かっている 少し焦ったようだ」
「杏梨ちゃんはあなたが好きよ だけど真綿で包むように優しく、そして慎重にしなければあなたから離れていくわよ?」
大好きな2人だからうまくいって欲しい。
2人が雪哉の部屋に行ってしまうと杏梨は何を話しているのか気になって仕方がなかった。
わたしの事じゃないよね?
今になって冷静に考えると、あんなに過剰な反応をしてしまって恥ずかしい。
おまけに仕事を休ませてしまった。
お荷物になりたくないのになってしまう・・・。
数分で戻ってきた2人の顔を良く見たが表情からは何も分からなかった。
続く
今日は少し短くてごめんなさい

明日は2回更新します
