「うん でも今日なんかゆきちゃんが帰っていないの分からなかったんだよ?」
連絡くらいしてくれれば良いのにと少しショックだった。
「えっ?朝帰り?」
朝帰りって言ったら・・・あたしが考える事は一つなんだけど・・・。
そう思ったが香澄は口にしない。
「撮影の仕事で徹夜したんだって」
杏梨は素直に受け取っているようだが香澄は疑ってしまう。
「ねえ?雪哉さんって彼女連れて来たりしないの?」
もちろん彼女がいる事を前提に話してしまう。
正常な男性で彼女がいるのならば家に連れてくるだろう。
杏梨は彼女と聞いて顔をしかめてかぶりを振る。
「分からないの・・・ゆきちゃんのお休みは平日だから」
もしかしたらマンションに彼女を呼んでいるのかもしれない。
そう考えると胸が痛くなった。
* * * * * *
ゆきちゃんにメールしなくちゃ・・・。
でも甘えてしまって良いのかな・・・。
そう思ったが約束だからと杏梨は雪哉にメールした。
返事はすぐに来た。
『着いたらメールするよ』とだけ。
メールやゆきちゃんの表情一つ一つにドキドキしてしまう。
もしかして男性恐怖症が治ってきたのかな。
ううん・・・そうじゃない この前だって得体の知れない冷や汗が出たし・・・。
こんなわたしがゆきちゃんを好きなんて滑稽すぎる。
傍にいるには妹でいなくちゃ。
杏梨は口元を引き締めた。
続く
今日も後で更新します
モモ