全国動物ネットワークさんからです。

http://animalnetwork.jimdo.com/ 福島警戒区域に関する活動/


被災動物の救護について

犬猫だけでない、野生動物、実験動物、産業動物、学校飼育動物、地域猫だって被災する。事前にしっかりとマニュアルを!地域での話し合いと訓練を!

パーキンソン病を患った76歳の独居老人が、意識不明となってから48時間後に発見・救急隊に救出されました。彼女を守っていたのは2頭のゴールデンです。台所の床に倒れた飼い主に寄り添って、ずっと温め続けていたのです。

Se Judy Muhe è ancora viva lo deve ai suoi due cani.L'anziana donna di 76 anni, che soffre del morbo di Parkinson e vive da sola, è caduta nella sua cucina e i suoi due Golden retriever, Higgins e Dodger,l'hanno mantenuta in vita fino all'arrivo dei soccorsi ben 48 ore dopo.


人と動物の絆はこのように深く、互いに信頼と愛情の対象であり、心の支えとなっています。人と動物のこうした関係性をみると、緊急災害時の動物同伴の避難は、法律の文言で定められたように、どこの自治体でも「実現」されねばならないでしょう。


そうでなくては、人は避難を躊躇します。あるいは、避難したとしても、残してきた動物を救助するために被災地に戻り、犠牲になることも考えられます。また、置き去りにした、あるいは亡くした動物を想い、被災者がトラウマを抱えるようにもなります。


2009年2月から3月にかけて発生し、173名の死者と414名の負傷者、2100家屋の倒壊をもたらした豪州ビクトリア森林火災では、飼い犬ポンチョをさがすために救助ペリコプターから飛び降りたJ・ムアさんの例があります。また、飼い犬を探して命を落としたクリス・タワー博士、馬を救出しようとして亡くなったチェンバー姉妹がいました。


ハリケーン・カトリーナによりニューオーリンズ市の8割が水没した水害では、動物を残したまま避難はできないと、水に浸かった家屋に残った人もいました。


いずれも、人の救済のあとには、残された動物の救助が世論・マスコミにより強く求められます。


被災地に放置したままの動物は、いずれ繁殖・野生化し、さがしに入る飼い主や救助にあたる消防隊・ボランティアの健康や生命を脅かす結果ともなります。



■環境省が災害対策マニュアルをHPに掲載しました。

「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」

http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506/full.pdf


■自治体による動物対策マニュアル

自治体の災害時動物保護対策マニュアルの例をいくつかご紹介します。

*愛玩動物救護ガイドライン(茨城県):

http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/hoken/seiei/EnvandAni/newtop/saigaijiaigandoubutukyugoguideline.pdf


*災害時のペット対策(横浜市):

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/hokenjo/genre/douai/pdf/saigaiji3.pdf


*災害時のペット対策ガイドライン(徳島県):

http://www.pref.tokushima.jp/docs/2012102500133/files/petguide.pdf

*災害時ペット対策に関する基本的考え方(練馬区):

http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/hoken/seikatsueisei/pet/kihon-kangae.files/kihon-kangae2605.pdf


*災害時動物救護活動マニュアル(千葉県):

http://www.pref.chiba.lg.jp/eishi/pet/doubutsu/documents/rescue-manual250710.pdf


ペット・ボランティア募集


自治体(練馬区・埼玉県)によるペットボランティア募集記事を挙げます。動物同伴の避難訓練とともに、平時からのボランティア呼びかけと地域を超えたネットワーク作りは避難所の運営や譲渡に欠かせません。


災害時動物救護ボランティア登録制度について(埼玉県):

http://www.pref.saitama.lg.jp/site/doubutu/saigaizivolunteer.html


災害時ペット管理ボランティアについて(練馬区):http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/hoken/seikatsueisei/pet-bora.html


飼い主不明の犬猫、地域猫の問題


災害時には、動物は飼い主とはぐれたり、逸走し負傷して運ばれることもあるでしょう。飼い主不明の犬猫の救護に関して、触れているところとそうでない自治体があります。飼い主不明の動物の対処についても、マニュアルのなかでは触れるべきでしょう。また、地域で管理されている地域猫のコントロール(給餌・繁殖防止)にも触れるべきでしょう。被災地では特に残された猫の繁殖が問題になりますので、TNRは必須となります。これには行政も関わるべきと思います。


福島の被災地に残されたままの、飼い主不明の猫や、二世代、三世代の新たに生まれた猫たちが放置されていることは、現地で大きな問題となっています。飼い主の不明な猫たちは、行政からも見放されているために、放置すれば繁殖をしてしまいます。


震災発生からTNRC(捕獲・手術・リリース・給餌)を数年にわたって共同で行ってきたため、楢葉も富岡も、TNRによる地域猫地帯といえると思います。野良猫といえども愛護動物です。(飼い主のいたであろう首輪付の猫もそこに混ざります。)


しかし、地域猫(あるいは飼い主からはぐれた逸走猫)は、救援本部に集まった義捐金での保護譲渡・避妊手術の対象からはずされており、現地での給餌とTNRは、3年半経った今も、有志の民間ボランティアにより、継続をしています。旧警戒区域における、広範囲にまたがっての野良猫の捕獲と手術、治療と譲渡、リリース後の給餌には、交通費も含めて高額な費用がかかっており、人手も足りません。これは、すべて民間ボランティアが自腹で行っています。国も被災動物に助成金を出すことはありません。復興金をもらった自然環境研究センターがこれを業務として行うこともありません。


この事態を放置してよしとする、この国の姿勢は、あまりにもお粗末ではないでしょうか。


少なくない復興金が投じられた被災ペット救済事業も、多くが人件費や交通費に投じられ、ほんとうに困ったところには届きません。復興金は余っているのに、国の外郭団体や天下り組織ばかりが潤って、こうした現場での救護活動には使われません。また、余った義捐金は何に使われるのでしょうか。


こうした毎週末の福島での私たちのささやかな活動は、これから先も続くのです


■被災するのは、犬猫ばかりではない


野生動物、産業動物、実験動物、学校飼育動物もみな被災します。水族館の魚は停電により多くが酸欠状態で亡くなります。


それぞれの対策はどうなっているのでしょうか。


実験施設の倒壊による実験動物の逸走やウイルス・細菌の排出は、住民にも健康被害をもたらす怖れがあります。しかしながら実験動物の実態は、度重なる住民の抗議にも耳を貸さず、相変わらず市民には明かされず、国さえもすべてを把握しておらず、情報がまったくの闇の中です。内部研究者からこれを問題視する声があがらないのも、特殊で異常な事態といえます。


また、産業動物の災害発生時の対処については、電話でのヒアリングを行っていますが、農水省も都道府県も無策のままです。地域を超えた連携が必要であり、実際の避難には、畜産農家や大動物獣医師のネットワークを構築しなければならないでしょう。

せめて、助けられないときの速やかな安楽死を取り決めることはできないのでしょうか。


福島警戒区域での牛や豚の時間をかけた残酷な死を、忘れてしまってはなりません。

速やかに、人道的で福祉的に配慮された対策を、今からでも立てるのが、3.11の同時代人としての責務ではないでしょうか。


大動物(馬)のレスキューについて書かれた豪州の資料です。農水省には、牛やブタなど動物ごとに、こうした災害時畜産動物救護マニュアルを準備して頂き、都道府県に指示を出して頂くことを切に願います:

http://issinstitute.org.au/wp-content/media/2011/04/ISS-FEL-REPORT-HOWLETT-TURNBULL-low-res.pdf