444.太平洋にポツリ「孀婦岩」 |  雑想 What do you think of this? Hiro's weblog 

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#音楽とスポーツとガーデニングとアンティークが好きで、日常の出来事への思いなども自由気ままに綴っています。

 今日の話題は孀婦岩(そうふいわ)。前回が秘境駅と陸の孤島だったので、 今回は海の孤島(岩)にしてみた。

 この岩の特異性は鳥島の南方約75キロに位置し、周囲に何もないところにある。もしも領海上、きわどい場所であれば「孀婦岩」ではなく「孀婦島」だったのではないか。

 

 

 広い大海原にポツリと浮かぶ姿はまさに奇岩そのもの。面積は0.01平方キロ、島の最高地点は標高99メートル。日光華厳の滝(97メートル) とだいたい同じ高さである。誕生は火山活動による。

 行くことが難しい上にこれといった価値もないため、実態は謎に包まれていたが、調査から巨大化したウミコオロギやイソハサミムシが確認された。フォスターの法則の通り、狭いエリアながらこれらの昆虫が大きくなっている。彼らはどのようにして島に辿り着いたのか。

 これは植えてもいない草木が突如、生えるのと同じ理屈。昆虫をエサにする生物、島の場合は人間でなければ鳥が運ぶ。実際、島には鳥が飛来してきていた形跡があった。昆虫にとって孤岩は天敵がなく栄養を独占でき都合がいい。そのことで体が大きくなった考えるのは合理的だ。

 奇岩の存在を知らずに航行中、出会ったらどんな心境になるか思いを巡らす。灯台を見つけた気分だろうか。きっと誰もが船を止めて足を踏み入れてみたくなるが、そこは簡単には叶わない。岩礁の一角にあり、接岸が難しいからだ。

 誰がつけたか「やもめ岩」。 時に、一人やもめに声かけが余計なお世話なように、孀婦岩にも「近づかない、近づけない」が良いのかもしれない。