シーティングドクター(座りの研究者)のひとり言(其の8) | 百葉メディカルケアセンターのブログ

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バランスのことを理解するためには、今から話す支持基底面(base of support:以下 BOS重心について知る必要があります。これが分かると、物が倒れる(崩れる)という現象を理解できます。まずBOSとは、「支持する、基礎の、底、の面」であり、物と接する面を言います。また物には必ず重さがあり、その中心を重心と言います。BOSの中に重心が収まっていれば、物は倒れません。しかしBOSから重心が外れた瞬間に物は倒れ(崩れ)ます。

 

fig 8-1 支持基底面と重心の関係

fig8-1のように物の重心の位置は、高低があります。もし同じ面積のBOSと同じ傾きでも、重心が高ければ重心が低い物よりもBOSから重心が外れやすいため、物は倒れやすくなります。

では人間はどうでしょう。健常者のBOS (fig8-2)は、両足の外周を囲んだ線内になります。

 

fig 8-2 道具によって支持基底面は広くなる!

この面の中央に重心があるので、私たちは安定して長時間立つことができます。しかし加齢によって筋力が衰えると、重心BOSの縁に近づきバランスを崩して転倒しやすくなります。そこで一本杖(T字杖)を与えると、杖まで結んだBOSを手に入れることができるので転倒しづらくなります。さらに歩行能力が低い方は、四点杖(ピックアップ杖)を与えれば、BOSは倍以上になりばずに歩きやすくなります。

シーティングも突き詰めると、これに行きつき実にシンプルでロジック(理論的)な話なのです。それでは来週月曜日は、「座位のBOS重心、座位バランスの妙」についてお話します。またお会いしましょう。

 

令和元年7月11日 ももはクリニック石坂 串田 英之