皆さんは、COPDという病名を聞いたことはありますか?日本名では、慢性閉塞性肺疾患と言います。

これは長期にわたってタバコなどに含まれる有害物質を肺に取り込むことで、血液に酸素を取り込ませる肺胞が破壊されて十分な血中酸素を維持できない病気です。通常の呼吸では酸欠状態なため(fg24-1)、患者さんは自宅で鼻にチューブを常時つけて酸素ボンベから酸素を供給してもらい(在宅酸素療法 HOT)生活しています。

 

 

〈fig 24-1 下界にいるのに、まるで富士山頂にいるみたい!〉

 

COPDの方の苦しさを想像できないと思いますので、ちょっと説明します。

私たちの血中に溶けている酸素量を血中酸素飽和度と言います。健常者はこれが97%です。ちなみに富士山頂ではこれが90-92%ぐらいと言われています。COPDの方は、常にそれ以下であるため、日常生活もままならなく寝て過ごすことが多く(fig24-2)、また食べても消費するエネルギーが圧倒的に多いため極度に痩せています。

 

〈fig24-2 寝ていても疲れるから極力動きたくない!〉

 

今回はCOPDをベースにした右片麻痺と失語などの高次脳機能障害患った症例のことをお話します(寝かせきりにしない!「坐りケア」の実践 P116-118 ヒポ・サイエンス出版 参照)。

 

彼とであったのは脳卒中のリハを終了し慢性期医療病棟で入院していた時です。失語もあってコミュニケーションが取りづらい彼でした。入院中は酸素投与なくても生活できているのですが、病棟スタッフが離床を促してもはっきりと「嫌だ!」と言い布団にもぐりこんでいました。

 

しばらくすると食事さえも拒否するようになり、どんどん痩せていきました。このままでは栄養失調で命も危ういため、食卓に座ってご飯を食べられるようになることがリハビリの目標になりました。しかし在宅時よりも廃用が進んでしまった彼は、車椅子でさえも5分と座っておられず(fig24-3)食事を口にすることはありませんでした

〈fig24-3 座るのも辛い!!早く寝かせてくれ!〉

 

そんな状況で看護師からシーティングの依頼があったため、彼と出会うことになりました。

この続きはまた来週木曜日にお話します。

 

令和元年124日 木曜日

ももはクリニック石坂 

作業療法士 シーティングエンジニア 介護支援専門員 認知症ケア専門士

串田 英之