前回のブログに書きましたが、座位の先には必ず目的があります。

デスクワーク、スマフォを見る、電車に座って移動する(fig18-1)、人を待つ(fig18-2)など目的と環境が変われば座り方は様々です。ただし健常者は目的が達成すると、疲労や痛みを感じた瞬間に座り方を変え自分に健康被害が及ばないように予防することができます。

 

    

〈fig18-1 居眠りするならこれでいい〉   〈fig18-2 汚れが気にならなければこれもいい! 〉

 

今までシーティングの重要性をお話してきましたが、実はシーティングがもっとも必要な対象者は、虚弱な高齢者・障がい者なのです。

彼らは健常者のように気ままな生活ができず、介護環境によっては一日の大半を座って過ごしています。

 

〈fig18-3  ある施設でのフロアの様子〉

 

fig18-3ばかりではありませんが、環境によってはこの姿は散見されます。

そもそもずっこけて座り続ける彼らは体力がないだけでなく、その先にあるはず目的がない(本人と介護者の目的が一致していない)ことが問題の根底にあります。

 

この問題は、介護職員がケア計画見直しレクリエーションなどを行うなどの努力にが必要です。

 

しかし障害や虚弱によって座位姿勢を保てない身体面のアプローチとして、リハ職をはじめ専門職がシーティング(fig18-4)し健康被害を未然に防がなければいけません。

 

〈fig18-4 車椅子シーティングの一例〉

 

また来週木曜日にお会いしましょう。

 

令和元年103日 木曜日 

ももはクリニック石坂 作業療法士 串田 英之