前回は、四つ足動物から二足動物に進化した経緯と座りのことをお話しました。テレビ番組で、賢いチンパンジーやアライグマの立ち姿が紹介していますね。それはとても凄いことなのですが、彼らに有事が生じれば、やはり四つ足で脱兎のごとく逃げます。つまり立って逃げることはできないのです。

 

地球上で地面に対して垂直をとれる動物は、人間けです。その人間は、重力と向き合う上で特徴的な背骨(以下 脊柱)のアライメントを獲得しました。

fig11-1 骨盤の傾きが姿勢を決める!!

 

fig11-1の中央のように、二つのS字カーブ(以降:ダブルS字カーブ)を積み上げたことで、地面に対して人間は垂直に立てるようになりました。赤線は地面に対しての骨盤の傾きを表しています。左は後ろに傾いているから後傾(こうけい)右は前に傾いているため前傾(ぜんけい)と言います。

 

骨盤が後傾すると脊柱はC字カーブ(猫背)になり、顎は前突します。逆に骨盤が前傾すると脊柱は過度にSになり、結果、頚部はストレートネックになります。骨盤が水平だと、バランス的にニュートラル(中立)でストレスなく効率的な動きができる姿勢になります。立位でも座位でも体位が違えども、ニュートラルな姿勢を抗重力(地面or座面に対して垂直)に取れることが一番楽なのです。

 

座位姿勢を可能な限りニュートラルに近づける作業が、シーティングエンジニアの腕の見せ所になります。

 

次回は座位姿勢と脊柱のメカニズムについてお話します。来週木曜日にお会いしましょう。

 

 

令和元年8日1日 ももはクリニック石坂 串田 英之