★★★


玄関のドアを閉めて、そのままドアにもたれてドキドキと鳴りやまない心臓を必死で抑えていた。

ボロボロと目から次々と零れ落ちる涙を止める事が出来ないでいた。


アタシ・・・なんて、みっともないんだろう。

全然、大人気ないし まるで子供だ・・・・


かずさんとは、そういう割り切った大人の関係なんだって 解っていたつもりなのに・・・

本気になるなんて・・・ 馬鹿だ・・・・ ほんっとサイテ―。


シャツの袖でグイッと涙と鼻水を拭うと、靴を脱いで部屋に上がった。

少し歩きだしたところで、アタシはようやく大事な事に気付く・・・・


「あっ・・・・! みかん・・・・!!」



あぁ~・・・・ また やっちゃった・・・・


大事な相棒・・・ 忘れてくるなんて サイテ―。



でも、今さら・・・・ 忘れました・・・って戻るのも気まずいし。



どうしよっか・・・・??



アタシは、とりあえずベランダの窓を開けて、澱んだ部屋の空気を入れ替えた。





ポロン・・・ 



すると隣のベランダから、あの音が聞こえてきた・・・



「あ・・・・・ 」


あれは、ちょうどアタシが引っ越してきた日だった・・・

あの日も、こうやってベランダから聞こえてきたんだよね?



ポロン・・・ ポロロン・・・


あの日から、アタシはこの音に・・・ この唄を歌う かずさんに恋をしたんだ。



アタシは急いでサンダルを履くと、ベランダに出て 音のする方へと耳をすましていた。




♪伝えたい言葉を繰り返すのに  また声にならない

他愛ないことで笑って  優しく包むよ・・・ 君を・・・

流れ星数えてた  君と出会えたキセキが

今僕に生きている意味を  教えてくれたから

I believe.... ♪




溢れだす涙は、とめどなく頬を伝って止まらなくなって、アタシはいつしか声を上げて泣いていた。



かずさんに出逢えたキセキ・・・・

それは、きっと幻なんかじゃない。



アタシは、かずさんの事が好き・・・・


そう、きっとあの日から ずっと。





―― ミャー・・・・ォ ――



ふと気がつくと、もうピアノの音も、歌も鳴り止んでいて、いつの間にかアタシの足元には みかんが座っていて アタシの顔を心配そうに見上げていた。



「・・・・みかん・・・?? お前・・・ どうして・・・・??」


そっと、みかんの前にしゃがみ込んで その小さな身体を抱き上げようとして・・・


「・・・・・?? なに・・・・・??」


みかんの首輪に 何かがぶら下がっていた。


「・・・・?!!!!!!」


これ・・・・・・ まさか・・・・・


かずさん・・・・???




アタシの目から、また・・・涙がこぼれ落ちて その上に一粒落ちた。




★★★



。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。



いよいよ次回!! 最終回ですっ!!!!!!




皆さま、最後の謎解き。よろしく〜✋




さぁ、ねーさん!!! どーするっ?!!!!