向精神薬、とくにベンゾジアゼピン系薬物の減断薬に関して。

情報の少ない中で、ともかくベンゾは長く飲まない方がいい、という何となくの感覚だけで(多くはネットの情報から)、長年飲んでいたベンゾを急激に減薬(断薬)し、結果的にすさまじい離脱症状に見舞われる人がいます。

そういう人は、多くの場合、具体的な減薬方法など調べることはほとんどしていません。で、離脱症状で具合が悪くなると、もう調べる心身の状態ではなくなりますから、今度は人に尋ねてきます。

「こういう状態なのですが、どうすればいいですか」

 

 どうすればいいですかと言われても、正直、私にはわかりません。

 再服薬すればいいのか?

 そのまま我慢すればいいのか?

 医療にかかればいいのか?

 

 服薬や減薬の状況は人それぞれですし、向精神薬の効き方、離脱症状の出方は、とても個人差が大きいため、「正解」といえるものはないと考えています。

 ですので曖昧な返事しかできないのですが、それでも次から次へと質問を重ねてきます。

「こういう症状があって、誰々に相談したところ、こうしたほうがいいと言っているのですが、どう思いますか。何か情報はありませんか」

 

 正直、どういってほしいのかと困ってしまいます。

 情報欲しさに、ありとあらゆる人に相談をもちかけ、その回答の一つ一つに振り回されている感じです。

 そして、誰々がこうしたほうがいいと言ったことを、ある人は実行し、結果的にとても具合が悪くなりました。そうなると、「あのときあなたが言ったことを実行したら、こうなった」と恨み節のメールが届くようになります。

 これは私に起こったことではありませんが、私にも相談をしていた人で、情報を共有していました。

それにしても、「誰々」さん、これではたまらないだろうなと思います。「誰々」さんは長期服用者、減薬・断薬経験者。

で、経験から「自分だったらこうします」というアドバイスをしたわけです(少なくとも、自分ならという前提でのアドバイスで、「こうしたほうがいい」とは言っていません)。

で、その通りにしたら数カ月寝たきりになってしまったと。

 

 自分の体、命を他者にゆだねてはいけません。

 これは、人を信じる、というより依存の心理です。依存して、結果がうまくいかないと相手のせいにする……。

 情報欲しさに私を含め多くの人に相談を持ち掛け、あの人の言ったことを実行したら死にかけた。

その後その方は別の人に相談して、再服薬を勧められたそうです。その通りの量(減薬前より多い量)を服用したら何とか命だけはつながった。

 

 ベンゾの減断薬に関して「正解」はないと書きました。

 この人のアドバイスで救われたのは、たまたまかもしれず、もしそれで今以上に状態が悪くなったら、今度はその人を怨むことになるでしょう……。

 

「自己責任」という言葉はとても冷たくて、あまり使いたくないですが、医者でさえきちんと減薬できない現状、まして離脱症状に対してどうすればいいかの「正解」がない現状を考えると、減薬に関しては、やはり「自己責任」にならざるを得ないと思います。 

 自分の命を人にゆだねてはいけません。

(もちろん、服薬に関してもです)。

 

 

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 私事。

 実は実家の父が4月23日、家の中で転倒し、頭を打ちました。

 しばらく様子を見ていたのですが、頭が痛いというので救急車を呼びました。

 CTで調べたところ、頭蓋骨骨折、くも膜下出血とのこと。

 さらに、今回の傷の他、もっと古い傷が見つかり、それが「慢性硬膜下血腫」とのことで、手術となりました。幸い新しいほうの出血は現在止まっているので、そちらのほうは様子見です。

 認知症の母の面倒を見ていて、一カ月ほど前に転んだのが原因と思われます。

 母は施設に入り、父は入院中(さらに17歳の老猫もリンパ腫で治療中)。

 帰省中の出来事で、10日ほど実家にいますが、いろいろ重なり、現在、精神的にかなりばたばたしています。

メール等へのお返事も滞りがちで、申し訳ありません。

もうしばらくしたら落ち着くと思いますので、よろしくお願いします。